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公開：2024-11-26

三菱重工サーマルシステムズが愛三工業に帯水層蓄熱システムを納入、中部地方初の大規模導入で環境負荷低減に貢献

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 三菱重工サーマルシステムズが帯水層蓄熱システムを受注
• 愛三工業の安城新工場に中部地方初の大規模導入
• 年間約50%のCO2排出量削減を見込む環境配慮型システム

帯水層蓄熱システムで環境配慮型工場の実現を目指す

三菱重工サーマルシステムズは愛三工業の安城新工場において中部地方で初となる大規模帯水層蓄熱システムを2024年11月25日に受注した。同社の帯水層蓄熱システムはヒートポンプ型ターボ冷凍機ETI-Z25.HPを搭載し省エネ性と最適制御技術が評価され、施工を担う株式会社大林組を通じて受注に至ったのだ。^[1]

帯水層蓄熱システムに採用されたヒートポンプ型ターボ冷凍機は1台あたり234冷凍トンの冷房能力を持ち、冷水と温水の供給が可能となっている。環境負荷の低い冷媒HFO-1233zd(E)を使用し、高効率な運転制御により従来方式と比較して年間約50%のCO2排出量削減を見込んでいるだろう。

愛三工業の安城新工場は工場全体のカーボンニュートラル実現やDXを推進した高付加価値な働き方を目指している。全自動ラインの構築や協働ロボットを活用した生産活動に加え、帯水層蓄熱システムによる自然エネルギーの活用を通じて環境配慮型工場の実現に貢献するものと期待される。

帯水層蓄熱システムの特徴まとめ

帯水層蓄熱システムについて

帯水層蓄熱システムとは、地中深くの帯水層に蓄えられた砂利や地下水を巨大な蓄熱槽として活用するシステムのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 冬期暖房時の冷排熱を夏期冷房に利用可能
• 夏期冷房時の温排熱を冬期暖房に活用
• 季節をまたいだ熱の循環利用でエネルギー効率を向上

三菱重工サーマルシステムズの帯水層蓄熱システムは、省エネ性能と最適制御技術が高く評価されている。2021年度省エネ大賞の省エネ事例部門における省エネルギーセンター会長賞や2022年度デマンドサイドマネジメント表彰において一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター振興賞を受賞している。

帯水層蓄熱システムに関する考察

帯水層蓄熱システムの導入は、工場全体のカーボンニュートラル実現に向けた重要な一歩となる可能性を秘めている。特に中部地方初の大規模導入事例となることから、同地域における環境配慮型工場のモデルケースとして注目を集めることが予想されるだろう。

今後の課題として、システムの安定運用や保守管理体制の確立が重要となってくるはずだ。帯水層蓄熱システムは比較的新しい技術であり、長期的な運用実績の蓄積と技術者の育成が必要となってくるだろう。

将来的には他の環境技術との組み合わせによる更なる省エネ効果の向上が期待される。AIやIoTを活用した運転最適化や、再生可能エネルギーとの連携により、工場全体のエネルギー効率を飛躍的に高められる可能性があるのだ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「三菱重工サーマルシステムズ、愛三工業の安城新工場向けに帯水層蓄熱システムを受注 | 三菱重工業株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000640.000025611.html, (参照 24-11-26).

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