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電力シェアリングが住まいの昼DR促進実証実験を開始、中部電力のAI技術活用で脱炭素社会実現へ

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

電力シェアリングが住まいの昼DR促進実証実験を開始、中部電力のAI技術活用で脱炭素社会実現へ

PR TIMES より


記事の要約

  • 株式会社電力シェアリングが住まいの昼DRを促進
  • 中部電力のAI技術を用いた「デコ活」ナッジ実証実験を実施
  • 環境省の委託を受け、脱炭素社会実現を目指す国民運動を展開

電力シェアリングによる住まいの昼DR促進実証実験

株式会社電力シェアリングは、脱炭素社会実現を目指す新しい国民運動「デコ活」の一環として、住まいの昼DRを促すナッジ実証を2024年8月13日より実施している。この取り組みは環境省の委託を受けたもので、中部電力のディスアグリゲーション・AI技術を用いたスマートフォンアプリを独自に開発し、五島市民電力等の複数の電力小売会社の協力を得て社会実証実験も併せて実施するものだ。[1]

「デコ活」とは「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」の愛称であり、CO2を減らす脱炭素とエコを組み合わせた新しい概念となっている。電力シェアリングは、独自のDSナッジモデル:電力版をベースに開発したアプリを通じて、住まいの昼間の電力消費を促進することで、太陽光発電の出力制御頻発化という課題に取り組んでいるのだ。

この実証実験の背景には、電力消費を太陽光発電の多い昼間の時間帯にシフトすることが喫緊の課題となっていることがある。従来の金銭的インセンティブだけでは限界があるため、電力シェアリングは独自のソリューションとして、時間帯別CO2排出係数の算定技術を開発し特許を取得している。これにより、電力消費の昼シフトによるCO2排出量削減を定量的に評価することが可能となったのだ。

住まいの昼DR促進実証実験の概要

対照群 介入群1 介入群2
介入内容 電力消費量データ提供のみ アプリ通じた省エネ依頼と行動記録 介入群1の内容+ポイント付与
実施期間 2023年11月-12月(1ヶ月間) 2023年11月-12月(1ヶ月間) 2023年11月-12月(1ヶ月間)
参加世帯数 調査会社モニタの一部 調査会社モニタの一部 調査会社モニタの一部
主な効果 - 節電・昼シフト意識の統計的有意な向上 節電・昼シフト意識の統計的有意な向上

ディスアグリゲーション・AI技術について

ディスアグリゲーション・AI技術とは、電力消費データを個別の機器や用途ごとに分解・推定する技術のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 総電力消費量から個別機器の使用状況を推定
  • 機械学習やディープラーニングを活用した高精度な分析
  • 電力消費パターンの可視化と省エネ提案への活用

電力シェアリングの実証実験では、この技術を活用してスマートフォンアプリを開発し、住まいの昼DRを促進している。ディスアグリゲーション・AI技術により、各家庭の電力消費パターンを詳細に分析し、個別の機器ごとの使用状況を推定することで、より効果的な昼シフト提案が可能になるのだ。これにより、ユーザーは自身の電力消費傾向を具体的に把握し、より効果的な省エネ行動を取ることができる。

住まいの昼DR促進実証実験に関する考察

電力シェアリングによる住まいの昼DR促進実証実験は、単なる省エネ促進にとどまらず、再生可能エネルギーの有効活用と電力系統の安定化という複合的な課題に取り組む先進的な取り組みだ。特に、ディスアグリゲーション・AI技術を活用したアプローチは、個々の家庭の電力消費パターンに応じたきめ細かな提案を可能にし、ユーザーの行動変容を効果的に促す可能性が高い。しかし、プライバシー保護の観点から、詳細な電力消費データの取り扱いには十分な配慮が必要となるだろう。

今後の課題としては、実証実験の規模拡大と長期的な効果の検証が挙げられる。現状の1ヶ月間という実験期間では、季節変動や長期的な行動変容の持続性を評価するには不十分だ。また、金銭的インセンティブの最適化や、より魅力的な非金銭的インセンティブの開発も重要になるだろう。ユーザーの内発的動機付けを高め、持続可能な行動変容を促すためには、環境貢献の可視化やゲーミフィケーションなど、多様なアプローチの検討が必要となる。

将来的には、この実証実験の成果を基に、電力小売会社や自治体との連携を強化し、地域全体でのエネルギーマネジメントシステムの構築につなげることが期待される。さらに、EVやホームバッテリーなどの蓄電システムと連携した総合的なデマンドレスポンスプログラムの開発も視野に入れるべきだろう。電力シェアリングには、これらの課題に取り組みながら、持続可能な脱炭素社会の実現に向けた革新的なソリューションの提供を期待したい。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「株式会社電力シェアリングは、中部電力のディスアグリゲーション・AI技術を用いて、住まいの昼DRを促す「デコ活」ナッジ実証実験を実施しました | 株式会社電力シェアリングのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000119617.html, (参照 24-08-14).

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