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公開：2024-08-20

仙台市消防局がNSER mobileの実証開始、救急搬送の効率化と質の向上を目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 仙台市消防局がNSER mobileの実証開始
• 救急搬送情報システムで効率化を図る
• 8つの救急隊と4医療機関が参加

仙台市の新救急搬送情報システムNSER mobileの実証開始

TXP Medicalは、2024年8月19日より仙台市消防局においてNSER mobileによる救急搬送の検証事業を開始すると発表した。このシステムは救急搬送困難事案の解消とEBPM（Evidence-based Policy Making）の推進を目的としており、市内8つの救急隊と4つの医療機関が実証に参加する。仙台市では救急搬送時間の延伸が課題となっており、NSER mobileの導入により効率化が期待される。^[1]

NSER mobileは、救急現場と搬送先医療機関間のコミュニケーションを円滑にするシステムだ。救急車に配備されたタブレットでAIを活用し、効率的に収集した患者情報を迅速に搬送先病院に送信することで、病院の受け入れ準備を効率化する。従来の電話と紙の帳票によるコミュニケーションをデジタル化することで、救急医療の見える化を実現し、搬送業務や情報共有が大幅に改善されるのだ。

NSER mobileの特徴として、事案情報入力、病歴やバイタルサイン、静止画、動画情報の共有、一斉照会機能、診療科ごとの応需可否情報、応需履歴の共有、事後検証機能、OA機能などが挙げられる。これにより、患者の救急搬送から治療・検査・転院までの一連業務をデジタルプラットフォームで管理し、EBPMを促進することが可能となる。

NSER mobileの主な機能まとめ

NSER mobileの詳細はこちら

EBPMについて

EBPMとは、Evidence-based Policy Making（エビデンスに基づく政策立案）のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 客観的なデータや科学的根拠に基づいて政策を立案する
• 政策の効果を定量的に測定し、継続的に改善を図る
• 政策決定プロセスの透明性と説明責任を向上させる

NSER mobileの導入によるEBPMの促進は、救急医療分野における政策立案の質を向上させる可能性がある。システムが収集する詳細なデータは、救急搬送の実態を正確に把握し、効果的な施策を立案するための貴重な資源となる。これにより、地域の救急医療体制の改善や、限られた医療資源の最適な配分などが、より確かな根拠に基づいて実施されることが期待される。

NSER mobileの救急医療への影響に関する考察

NSER mobileの導入は、救急医療の効率化と質の向上に大きく貢献する可能性がある。特に、救急隊と医療機関間のリアルタイムな情報共有は、搬送時間の短縮や適切な初期対応につながり、患者の生存率向上に直結するだろう。また、蓄積されたデータの分析により、地域ごとの救急需要の予測や、効果的な救急資源の配置などが可能になり、システム全体の最適化が進むと考えられる。

一方で、新システムの導入に伴う課題も予想される。救急隊員や医療従事者の操作習熟度の差や、システム障害時の対応、個人情報保護の徹底などが挙げられる。これらの問題に対しては、継続的な研修プログラムの実施や、バックアップシステムの整備、厳格なセキュリティ対策の実装などが解決策となるだろう。

今後、NSER mobileの機能拡張として、AIによる傷病者の重症度判定支援や、救急車の最適経路案内、さらには遠隔医療との連携など、より高度な機能の追加が期待される。また、他の自治体や広域での導入により、地域を越えた救急医療の連携強化や、大規模災害時の広域応援体制の構築にも貢献できる可能性がある。NSER mobileの実証結果を踏まえ、全国的な救急医療のDX推進につながることを期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「仙台市の新救急搬送情報システムとしてNSER mobileの実証がスタート | TXP Medical株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000091.000031630.html, (参照 24-08-20).

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