ソフトウェア

SOFTWARE

公開：2024-08-18

MRTG(Multi Router Traffic Grapher)とは？意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部

MRTG(Multi Router Traffic Grapher)とは

MRTGはMulti Router Traffic Grapherの略称で、ネットワークトラフィックの監視ツールの一種です。このツールは、ネットワーク上のルーターやスイッチなどの機器から定期的にトラフィックデータを収集し、グラフ化することで視覚的に把握できるようにします。

MRTGは、SNMPプロトコルを使用してデータを収集します。収集したデータは、HTMLページとして出力され、Webブラウザから確認できるようになっています。これにより、ネットワーク管理者は、ネットワークの稼働状況をリアルタイムで監視できるのです。

MRTGの特徴は、シンプルで軽量なところにあります。Perlスクリプトで書かれており、少ないリソースで動作するため、小規模なネットワークにも適しています。また、設定ファイルを編集するだけで、監視対象や閾値などを柔軟に変更できる点も魅力です。

MRTGで収集できるデータは、トラフィック量だけではありません。CPU使用率やメモリ使用量、ディスク容量などの情報も取得できます。これらの情報を総合的に分析することで、ネットワークの問題点を早期に発見し、対策を講じることが可能になるでしょう。

MRTGは、オープンソースソフトウェアとして提供されています。無料で利用でき、ソースコードも公開されているため、必要に応じてカスタマイズすることもできます。ネットワーク監視ツールを導入する際は、MRTGを検討してみるのも良いかもしれません。

MRTGの導入と設定方法

MRTGの導入と設定方法に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

• MRTGのインストール手順
• MRTGの設定ファイルの編集方法
• MRTGの動作確認と運用開始

MRTGのインストール手順

MRTGのインストールは、比較的簡単に行えます。まず、MRTGの公式サイトからソースコードをダウンロードします。次に、解凍したディレクトリ内で、コンパイルとインストールを実行するのです。

インストールの際は、PerlやSNMPなどの関連パッケージが必要になります。これらのパッケージがインストールされていない場合は、あらかじめインストールしておく必要があるでしょう。

$ wget https://oss.oetiker.ch/mrtg/pub/mrtg.tar.gz
$ tar xvzf mrtg.tar.gz
$ cd mrtg-2.17.7
$ ./configure
$ make
$ sudo make install

MRTGの設定ファイルの編集方法

MRTGの設定は、設定ファイル(mrtg.cfg)を編集することで行います。このファイルには、監視対象のデバイスや、データの収集間隔、グラフの出力先などを記述します。

設定ファイルのサンプルは、MRTGのインストールディレクトリ内にあります。このサンプルを参考に、自分のネットワーク環境に合わせて設定を書き換えていきましょう。設定ファイルの文法は、わかりやすく書かれているので、慣れれば簡単に編集できるはずです。

WorkDir: /var/www/mrtg
Target[router1]: 192.168.1.1:public@IF1
MaxBytes[router1]: 12500000
Title[router1]: Traffic Analysis for Router1
PageTop[router1]: < h1 >Traffic Analysis for Router1< /h1 >

MRTGの動作確認と運用開始

設定ファイルの編集が完了したら、MRTGを実行してみましょう。正しく設定されていれば、指定したデバイスからデータが収集され、グラフが生成されるはずです。生成されたグラフは、Webブラウザから確認できます。

MRTGを定期的に実行するには、cronなどのジョブスケジューラを使用します。一般的には、5分から15分間隔でMRTGを実行するように設定するケースが多いようです。これで、MRTGの運用開始です。あとは、グラフを監視しつつ、ネットワークの状態を見守るだけですね。

MRTGで監視できる項目と活用例

MRTGで監視できる項目と活用例に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

• MRTGで監視できるネットワークトラフィックの種類
• MRTGによるサーバーリソースの監視
• MRTGを活用したネットワーク容量の最適化

MRTGで監視できるネットワークトラフィックの種類

MRTGは、ネットワーク上を流れるさまざまなトラフィックを監視できます。代表的なものとしては、インターフェイスごとの送受信トラフィック量があります。これにより、どのインターフェイスにどの程度の負荷がかかっているかを把握できるのです。

また、プロトコル別のトラフィック量も監視可能です。TCP、UDP、ICMPなどのプロトコルごとにトラフィックをグラフ化することで、どのようなアプリケーションが多くの帯域を消費しているかを特定できるでしょう。これらの情報は、ネットワークのボトルネック解消に役立ちます。

MRTGによるサーバーリソースの監視

MRTGは、ネットワーク機器だけでなく、サーバーのリソース監視にも使えます。CPU使用率、メモリ使用量、ディスク容量などをグラフ化することで、サーバーの稼働状況を可視化できるのです。

これらの情報を見ることで、サーバーが過負荷状態になっていないか、リソースが枯渇していないかをチェックできます。異常があれば、すぐに対処できるため、サーバーダウンを未然に防げるでしょう。MRTGは、サーバー管理者にとって心強いツールと言えます。

MRTGを活用したネットワーク容量の最適化

MRTGで収集したデータは、ネットワーク容量の最適化にも活用できます。トラフィックの傾向を分析することで、ネットワークの設計見直しや、機器の増強計画の立案が可能になるのです。

たとえば、特定の時間帯に常に帯域が逼迫しているようであれば、その時間帯にあわせてネットワーク機器をアップグレードするなどの対策が考えられます。このように、MRTGのデータを有効活用することで、ネットワークをより効率的に運用できるでしょう。

MRTGの課題とその解決策

MRTGの課題とその解決策に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

• MRTGのスケーラビリティに関する課題
• MRTGの設定管理の煩雑さへの対処
• MRTGの機能不足を補うツールとの連携

MRTGのスケーラビリティに関する課題

MRTGは、小規模から中規模のネットワークでは十分に機能しますが、大規模なネットワークになるとスケーラビリティの問題が生じることがあります。監視対象が増えるほど、データ収集や処理のオーバーヘッドが大きくなるためです。

この課題を解決するには、分散処理アーキテクチャの導入が有効でしょう。複数のMRTGサーバーを用意し、監視対象を分散させることで、負荷を分散できます。また、RRDtoolなどのデータベースを活用することで、データの保存とグラフ生成を高速化できるかもしれません。

MRTGの設定管理の煩雑さへの対処

MRTGの設定は、設定ファイルを直接編集する必要があるため、監視対象が増えると管理が煩雑になります。特に、大規模なネットワークでは、設定ファイルが肥大化し、メンテナンスが難しくなるでしょう。

この問題への対処としては、設定管理ツールの活用が考えられます。Puppetや、Ansibleなどの構成管理ツールを使えば、設定ファイルのテンプレート化と自動生成が可能になります。これにより、設定の一元管理と、変更の反映が容易になるはずです。

MRTGの機能不足を補うツールとの連携

MRTGは、シンプルで軽量な監視ツールですが、その分、機能面では物足りなさを感じることがあります。たとえば、詳細なレポート作成や、障害の自動検知などは、MRTGだけでは難しいでしょう。

これらの機能を補うには、他の監視ツールとの連携が有効です。Nagiosや、Zabbixなどの監視ツールと組み合わせることで、MRTGにない機能を補完できます。MRTGで収集したデータを、これらのツールに転送することで、より高度な分析やアラート発報が可能になるのです。

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「ソフトウェア」に関するコラム一覧「ソフトウェア」に関するニュース一覧