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公開：2024-08-28

モルフォがAIと画像処理技術を活用した削孔位置画像計測システムQuick Drafterを開発、橋脚耐震補強工事の効率化に貢献

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• モルフォがAIと画像処理による削孔位置画像計測システムを開発
• 落橋防止装置取り付けの計測と図面作成時間を70％削減
• ライト工業とEARTHBRAINと共同で開発し、橋脚耐震補強に貢献

AIと画像処理による高精度な削孔座標検知技術「Quick Drafter」の開発

モルフォは、ライト工業およびEARTHBRAINと共同で、AIと画像処理技術を活用した高精度な削孔座標検知技術「削孔位置画像計測システム Quick Drafter」を2024年8月27日に発表した。このシステムは、落橋防止装置施工の工程中にコンクリート削孔を実施した際の削孔位置をスマートフォンのカメラで撮影することで、自動で孔位置の計測から図面化を行う革新的な技術だ。^[1]

Quick Drafterの導入により、施工管理業務の負担軽減や時間外労働削減が可能となった。具体的には、従来手法と比較して作業時間が70%削減されており、現場での計測や図面作成にかかる時間と労力が大幅に軽減されている。さらに、高所や足場の悪い現場での作業時間短縮にもつながり、安全性の向上にも貢献している。

本システムの開発背景には、日本のインフラ設備の老朽化問題がある。国土交通省が推進する緊急輸送道路の橋梁耐震補強工事において、落橋防止装置等の耐震補強装置の取り付けが全国的に行われている。Quick Drafterは、この橋脚耐震補強ニーズに応える形で、構造物補修・補強を専門とするライト工業からの依頼により開発が始まったのだ。

Quick Drafterの主要機能まとめ

キャリブレーションについて

キャリブレーションとは、測定機器の精度を維持・向上させるために行う調整や校正のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 測定機器の個体差や経年変化による誤差を補正
• 正確な測定結果を得るための重要なプロセス
• 定期的な実施により測定精度を維持

Quick Drafterでは、スマートフォンカメラのキャリブレーション機能が搭載されている。この機能により、端末ごとのカメラレンズの個体差による計測誤差が自動的に調整され、高精度な削孔位置の計測が可能となる。対象物を複数回撮影することで、レンズ・パラメータが自動的に調整されるため、ユーザーは簡単に高精度な計測を行うことができるのだ。

Quick Drafterに関する考察

Quick Drafterの開発は、建設業界のデジタルトランスフォーメーションを加速させる重要な一歩だ。従来の手作業による計測と図面作成の大幅な時間短縮は、作業効率の向上だけでなく、人為的ミスの削減にもつながる。しかし、新技術の導入には現場作業員の再教育やシステムの安定性確保など、いくつかの課題が予想されるだろう。

これらの課題に対しては、段階的な導入プロセスと継続的なユーザーサポートが重要な解決策となる。また、今後はAI技術のさらなる進化により、より複雑な構造物や多様な現場条件に対応できる機能の追加が期待される。例えば、3Dスキャニング技術との統合や、AR（拡張現実）を活用した現場での視覚的サポートなどが考えられるだろう。

Quick Drafterの成功は、建設業界全体のデジタル化を促進する可能性を秘めている。今後、この技術が他の建設プロセスにも応用され、業界全体の生産性向上と安全性強化につながることが期待される。さらに、この技術を基盤として、建設現場のデータ収集と分析が進み、より効率的なインフラ維持管理システムの構築へと発展していくことだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「モルフォ、ライト工業およびEARTHBRAINと、AIと画像処理による高精度な削孔座標検知技術「削孔位置画像計測システム Quick Drafter」を開発 | 株式会社モルフォのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000119.000064140.html, (参照 24-08-28).

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