インスメッドがアリケイス®の2024年第2四半期業績を発表、総収益9,030万ドルで前年比17%成長達成

text: XEXEQ編集部
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PR TIMES より

記事の要約

インスメッドがアリケイスの2024年第2四半期業績を発表
アリケイスの総収益は9,030万ドルで前年同期比17%増
ブレンソカチブの米国での発売準備が進行中

インスメッドのアリケイス®2024年第2四半期業績発表

インスメッド合同会社は2024年8月8日、2024年第2四半期のアリケイス®（アミカシンリポソーム吸入用懸濁液）の業績を発表した。総収益は9,030万ドルを記録し、2023年第2四半期から年間17%の成長を達成している。この結果は米国、日本、欧州の全地域で2桁成長を遂げたことを反映したものだ。^[1]

同社はまた、気管支拡張症患者を対象としたブレンソカチブの米国における発売準備について言及し、2024年第4四半期に新薬承認申請を行う予定であることを明らかにした。さらに、アリケイスのENCORE試験における新規診断または再発肺MAC症患者の主要評価項目について、米国FDAとの合意に至ったことも報告されている。

インスメッドは2024年のグローバルでのアリケイス売上予想レンジを3億4,000万ドルから3億6,000万ドルの範囲で維持し、2023年と比較して2桁の成長を見込んでいる。この予測は、アリケイスの継続的な市場拡大と、同社の研究開発パイプラインの進展を反映したものとなっている。

インスメッドの2024年第2四半期業績まとめ

	アリケイス	ブレンソカチブ	TPIP
主な成果	総収益9,030万ドル、17%成長	ASPEN試験の良好なデータ	PH-ILD試験の良好なデータ
今後の予定	売上3.4-3.6億ドル予想	2024年Q4に新薬承認申請	2025年にPH-ILD第Ⅲ相試験開始
地域別成績	米国、日本、欧州で2桁成長	米国で2025年中盤上市目標	PAH患者対象の第Ⅱ相試験継続中

肺MAC症について

肺MAC症とは、非結核性抗酸菌（NTM）の一種であるMAC（Mycobacterium avium complex）菌による慢性の肺感染症を指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

慢性的な咳や痰、体重減少などの症状
健常人でも罹患する可能性がある
治療に長期間を要し、再発のリスクが高い

インスメッドのアリケイス®は、この肺MAC症の治療薬として開発されたアミカシンリポソーム吸入用懸濁液である。ENCORE試験では、新規診断または再発肺MAC症患者を対象に、アリケイス®の有効性と安全性が評価されている。この試験の結果は、肺MAC症患者の治療オプション拡大に向けた重要なステップとなる可能性がある。

インスメッドの業績と新薬開発に関する考察

インスメッドのアリケイス®が全地域で2桁成長を達成したことは、同社の市場戦略の成功を示している。特に日本と欧州での35%以上の成長は、これらの地域での肺MAC症治療におけるアリケイス®の重要性が高まっていることを示唆しており、今後のグローバル展開における重要な足がかりとなるだろう。一方で、急速な成長に伴う供給体制の整備や、長期的な安全性データの蓄積が今後の課題となる可能性がある。

ブレンソカチブの気管支拡張症治療薬としての開発進展は、インスメッドの製品ポートフォリオ拡大の重要な一歩となる。ASPEN試験の良好な結果は、気管支拡張症患者に新たな治療選択肢をもたらす可能性を秘めている。しかし、新薬承認申請から承認、そして市場導入までのプロセスには様々な障壁が存在する。規制当局との緊密な連携や、市場導入後の実臨床データの収集が重要になるだろう。

TPIPの開発も順調に進んでおり、肺高血圧症治療の新たなアプローチとして期待される。今後はPAHとPH-ILDの両方で臨床試験を進める必要があり、リソースの適切な配分が課題となる。インスメッドには、これら複数のパイプラインを並行して進めながら、各製品の特性に応じた開発戦略を立案・実行する能力が求められるだろう。