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NTTと東北大学が9月から分野横断型共同研究を開始、社会課題解決に向けた新たな価値創出へ

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • NTTと東北大学が共同研究を開始
  • さまざまな分野を横断したビジョン共有型研究
  • 2024年9月より3つのテーマで推進

NTTと東北大学が分野横断型共同研究を開始

日本電信電話株式会社(NTT)と国立大学法人東北大学は2024年9月より、さまざまな分野を横断したビジョン共有型共同研究を開始すると2024年8月30日に発表した。この共同研究は社会や地域の課題解決を目的とし、東北大学の強みであるナノテラスや災害科学とNTTの人間拡張技術やIOWN構想を融合させた新たな価値の創出を目指している。[1]

共同研究は3つのテーマを軸に推進される。テーマAではサステナブルな地域社会を実現する自律分散協調リモートワールド、テーマBではロボティクスによる個と組織のヒューマン・エンパワーメント、テーマCではさまざまな世界とフュージョンし「他」を体験できる超感覚ネットワークの研究が行われる。これらのテーマを通じ、災害対策や技能伝承、感覚変換など幅広い分野での革新的な成果が期待されている。

本共同研究の特徴として、複数の組織や研究者を横断した体制が構築されている点が挙げられる。東北大学からは7つの研究組織、NTTからは7つの研究所が参加し、多様なスキルと知見を結集させることで複雑な社会課題の解決に取り組む。また、研究による技術創出にとどまらず、社会実装や制度提言、ビジネスモデルの構築まで視野に入れた包括的なアプローチを採用している。

NTTと東北大学の共同研究テーマまとめ

テーマA テーマB テーマC
研究内容 自律分散協調リモートワールド ロボティクスによるヒューマン・エンパワーメント 超感覚ネットワーク
主な目的 サステナブルな地域社会の実現 個と組織の能力向上 新しい体験・経験の創出
応用分野 災害対策、ヘルスケア 技能伝承、遠隔学習 感覚変換、人間拡張

IOWNについて

IOWNとは、NTTが提唱する「Innovative Optical and Wireless Network」の略称で、次世代のコミュニケーション基盤を指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 光技術を活用した超高速・大容量通信
  • 低消費電力で環境に配慮したネットワーク
  • 低遅延による高度なリアルタイム処理の実現

IOWNは従来の電子回路ベースのシステムに代わり、光技術を中核に据えた革新的なネットワークインフラストラクチャを提供する。この技術は東北大学とNTTの共同研究においても重要な基盤となっており、高度な情報処理や大規模データ解析を可能にすることで、災害科学やナノテクノロジーなど多岐にわたる研究分野での革新的な成果創出に貢献することが期待されている。

NTTと東北大学の分野横断型共同研究に関する考察

NTTと東北大学の分野横断型共同研究は、両者の強みを融合させることで社会課題の解決に向けた新たな可能性を切り開く画期的な取り組みであると言える。特に東北大学の災害科学やナノテクノロジーの知見とNTTのIOWN技術を組み合わせることで、これまでにない革新的なソリューションが生まれる可能性が高く、その成果に大きな期待が寄せられている。

一方で、このような大規模な分野横断型研究では、組織間の連携やコミュニケーションの円滑化が課題となる可能性がある。異なる専門分野や組織文化を持つ研究者たちが効果的に協働するためには、共通言語の構築や目標の明確化が不可欠だ。また、研究成果の社会実装に向けては、法的・倫理的な観点からの検討も必要となるだろう。

今後は、この共同研究の進展に伴い、AIやロボティクス、量子技術など最先端の技術領域との融合がさらに進むことが期待される。また、研究成果の社会実装を加速させるためには、産業界や地方自治体との連携強化も重要な課題となるだろう。NTTと東北大学の取り組みが、日本の科学技術イノベーションの新たなモデルケースとなることを期待したい。

参考サイト

  1. ^ NTT. 「東北大学×NTT 社会や地域の課題解決に向けた分野横断型共同研究を開始~リモートワールド・ロボティクス・超感覚における人間・社会拡張を通じ、多様な社会課題を解決~ | ニュースリリース | NTT」. https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/08/30/240830a.html, (参照 24-09-01).

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