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VMwareがWorkstation/Fusion Proの個人利用を無償化、Playerシリーズは廃止へ

text: XEXEQ編集部


VMware Workstation ProとFusion Proに関する記事の要約

  • VMware Workstation ProとFusion Proが個人利用向けに無料化
  • 商用利用には年間120ドルのサブスクリプションライセンスが必要
  • Workstation PlayerとFusion Playerは廃止、Pro版への移行を推奨
  • Pro版の無料版と有料版で機能的な違いはなし

VMwareがWorkstation PlayerとFusion Playerの開発を終了

VMwareは2024年5月13日、仮想化ソフトウェアWorkstation PlayerとFusion Playerの開発を終了すると発表した。両製品はPro版の無償版として提供されてきたが、今後はWorkstation ProとFusion Proに一本化される。[1]

Workstation ProとFusion Proは有償版のみの提供だったが、今回の発表によりライセンス体系が変更された。個人利用の場合は無償で利用できるようになり、商用利用の場合は年間120ドルのサブスクリプションライセンスが必要になる。

Player版からPro版への移行は比較的容易だ。Fusion PlayerユーザーはFusion 13.5.2にアップデートしライセンスキーを削除するだけでPro版の無償ライセンスが適用される。Workstation Playerは新たにPro版をインストールする必要があるが、無償ライセンスがデフォルトで有効になっている。

Workstation ProとFusion Proの無償版と有償版で機能的な違いはなし

個人利用向けに無償提供されるWorkstation ProとFusion Proだが、商用利用向けの有償版との機能的な違いはない。UIに表示される「This product is licensed for personal use only」の文言が有償版では消えるだけで、ソフトウェア自体に違いはないとのこと。

無償版と有償版で同一の機能が提供されるのは、これまでPlayer版で提供されていた基本的な仮想化機能をすべてのユーザーに開放するためだ。VMwareはコミュニティへの貢献、vSphere環境を学習する入り口としてのWorkstationとFusionの役割を重視している。

ただし、商用利用においてはサポートを受けるためにも有償版の利用が必須となる。年間120ドルのサブスクリプション料金にはプロダクトアップデートとパートナー経由のサポートが含まれる。コンプライアンス面でもライセンス違反のリスクを避けるため、商用環境では有償版の導入が求められるだろう。

VMware Playerシリーズ廃止の背景と狙い

今回のライセンス体系変更の背景には、VMwareとBroadcomの統合プロセスがある。VMwareはセキュリティ大手Broadcom傘下に入ることが決まっており、製品ラインナップの見直しが進められている。40以上あったWorkstationとFusionのSKUを大幅に整理し、シンプルな体系に移行することが狙いだ。

Playerシリーズの廃止により、オンプレミスでの仮想化はPro版に一本化される。一方、クラウド上でカジュアルに仮想マシンを利用したいニーズに対しては、VMware Cloudの個人向けフリープランが用意されている。VMwareはクラウドファーストの戦略へとシフトしつつ、オンプレミスユーザーにもWorkstationとFusionを通じて仮想化の価値を訴求していく考えだろう。

仮想化市場ではVMware以外にも、VirtualBoxやHyper-Vといったオープンソースの競合が存在する。有償版の市場で差別化を図るとともに、無償版の提供で間口を広げることがVMwareのプレゼンス維持につながるとみられる。

考察

今回のVMwareの発表は、仮想化市場の変化を象徴するものと言えるだろう。オンプレミスでの利用を前提としたWorkstationやFusionにも、クラウドの波が押し寄せている。無償版の提供でユーザー層の拡大を図る一方、商用利用ではサブスクリプションモデルへの移行を進めることで、収益基盤の安定化を狙っているのだろう。

個人利用向けの無償化は、初学者や学生などにとって朗報だ。手軽に仮想マシンが利用できるようになることで、より多くの人がWorkstationやFusionに触れる機会が増えるはずだ。一方で無償版がオープンソースの競合にどこまで対抗できるかは未知数であり、使い勝手や機能面での差別化が求められる。VirtualBoxなど強力なライバルが控える中、VMwareブランドの優位性をいかに保つかが問われることになる。

商用市場においては、サブスクリプションへの移行がカギを握る。従来の買い切り型ライセンスからの転換は、企業の予算管理面でのハードルになり得る。マルチクラウド戦略との整合性や他のVMware製品とのバンドル提供など、導入メリットを訴求していく必要があるだろう。ライセンス体系のシンプル化は評価できるが、実際の移行プロセスがユーザーに受け入れられるかは注視したい。

Workstationと同様にFusionも、macOSユーザー向けの仮想化ソリューションとして重要な役割を担っている。Armベースのハードウェアへの対応などアップデートが続けられる一方、並行してFusion for Macの開発も進められている。今後はFusionブランドをmacOS版に特化させ、クロスプラットフォームの機能はWorkstationに集約していくのかもしれない。いずれにせよ、ユーザーに混乱を与えない形でのマイグレーションが重要となるだろう。

参考サイト

  1. ^ VMware. 「VMware Workstation Pro: Now Available Free for Personal Use - VMware Workstation Zealot」. https://blogs.vmware.com/workstation/2024/05/vmware-workstation-pro-now-available-free-for-personal-use.html, (参照 24-05-28).

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