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シャープと東北大学が量子アニーリング技術で自動搬送ロボット制御エンジンを開発、物流業界の効率化に貢献

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

シャープと東北大学が量子アニーリング技術で自動搬送ロボット制御エンジンを開発、物流業界の効率化に貢献

PR TIMES より


記事の要約

  • シャープが量子アニーリング応用の自動搬送ロボット制御エンジン開発
  • 東北大学と共同で千台規模の同時制御を実現
  • AIを活用した物流倉庫全体の最適化アプリケーションも研究開始

シャープと東北大学が量子アニーリング技術を応用した自動搬送ロボット制御エンジンを開発

シャープは東北大学と共同で、量子アニーリングを応用した千台規模の自動搬送ロボットを同時制御可能なエンジンの開発に成功した。このエンジンは、シミュレーテッド量子アニーリング(SQA)技術を活用し、従来は計算量が膨大で実現が困難だった大規模な自動搬送ロボットの最適経路生成を可能にしている。両者は昨年から物流業界の人手不足解決をテーマに共同研究を進めてきた。[1]

さらに、シャープと東北大学は本エンジンにAIを組み合わせた大規模物流倉庫向けアプリケーションの研究も開始した。このアプリケーションでは、AIを用いて商品の需要予測から入出庫管理、商品・作業者配置までを最適化し、入出庫フロー全体の生産性向上を目指している。2026年度中に性能評価や実証実験を行い、2027年度内の実用化を目標としている。

本研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」に採択された。シャープは2024年9月17日から18日に開催される技術展示イベント「SHARP Tech-Day'24 "Innovation Showcase"」にて、「次世代SQAロボットストレージシステム」として本エンジンを活用したソリューションを参考出展する予定だ。

量子アニーリング技術を応用した自動搬送ロボット制御エンジンの特徴

項目 詳細
開発企業 シャープ、東北大学
技術基盤 量子アニーリング、シミュレーテッド量子アニーリング(SQA)
制御規模 千台規模の自動搬送ロボット
主な機能 大規模な自動搬送ロボットの最適経路生成
研究開始時期 2023年
実用化目標 2027年度内
採択事業 NEDOの「量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」
SHARP Tech-Day'24の詳細はこちら

量子アニーリングについて

量子アニーリングとは、量子コンピューティング技術の一種で、膨大な選択肢の組み合わせから最適解を選び出す「組み合わせ最適化問題」を高速に処理する計算技術だ。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 汎用コンピュータと比較して超高速な処理が可能
  • 物質の最小単位である量子の動作を利用
  • 複雑な組み合わせ最適化問題に適している

シャープと東北大学が開発したエンジンでは、量子アニーリングの計算方法を汎用コンピュータ上で疑似的に再現するシミュレーテッド量子アニーリング(SQA)技術を活用している。この技術により、従来は計算量が膨大で実現が困難だった千台規模の自動搬送ロボットの最適経路を生成することが可能になった。

量子アニーリング技術を応用した自動搬送ロボット制御エンジンに関する考察

シャープと東北大学が開発した量子アニーリング技術を応用した自動搬送ロボット制御エンジンは、物流業界の人手不足問題に対する革新的なソリューションとなる可能性がある。千台規模の自動搬送ロボットを同時制御できる能力は、大規模物流センターの効率を飛躍的に向上させ、人的リソースの最適化にも貢献するだろう。また、AIを組み合わせた物流倉庫全体の最適化アプリケーションの開発は、さらなる生産性向上を実現する可能性を秘めている。

一方で、この技術の実用化には課題も存在する。大規模な自動搬送システムの導入には多額の初期投資が必要となり、中小規模の物流事業者にとっては導入のハードルが高くなる可能性がある。また、自動化の進展に伴う雇用への影響も考慮する必要があるだろう。これらの課題に対しては、段階的な導入プランの提案や、従業員の再教育・スキルアップ支援などの対策が考えられる。

今後、この技術の実用化に向けて期待したいのは、他産業への応用可能性の探求だ。量子アニーリング技術とAIの組み合わせは、物流以外の分野でも複雑な最適化問題を解決する可能性がある。例えば、交通システムの最適化や都市計画、金融工学など、幅広い分野での活用が考えられる。シャープと東北大学には、この技術の汎用性を高め、社会全体の効率化に貢献する革新的なソリューションの開発を期待したい。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「量子アニーリング(※1)を応用した自動搬送ロボットの多台数同時制御エンジンの開発に成功 | シャープ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001239.000012900.html, (参照 24-09-03).

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