Osaka MetroとPKSHAが白杖・車いす検知のAI見守りシステムを開発、56駅に導入し安全性向上へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

Osaka MetroとPKSHAがAI見守りシステムを開発
白杖や車いすを高精度で検知し駅係員に通知
2024年9月25日から56駅に順次導入予定

Osaka MetroとPKSHAのAI見守りシステム導入による安全性向上

大阪市高速電気軌道株式会社（Osaka Metro）と株式会社PKSHA Technologyは、画像認識技術を用いた「AI見守りシステム」を共同開発し、2024年9月25日からOsaka Metroの改札口に順次導入することを発表した。このシステムは既存の防犯カメラ映像から白杖または車いすを利用する乗客を検知し、駅係員に通知する機能を持つ。^[1]

2021年11月から実証実験を行いながら両社で共同開発を進めた結果、90%以上という高い検知精度が確認され、本格導入に至った。このシステムにより、Osaka Metroは白杖または車いすを利用する乗客に早期に気づき、必要なサポートや見守りを提供することが可能になる。2024年度末までに56駅への導入を進め、あらゆる乗客により便利で快適な利用環境を提供することを目指している。

PKSHAは「未来のソフトウエアを形にする」をミッションに掲げ、自社開発した機械学習・深層学習領域のアルゴリズムを用いたAIソリューションの開発やAI SaaSの提供を行っている。本取り組みを起点として、公共交通機関をはじめとする日常生活のさまざまな場面にAIを展開し、ビジネスだけでなく社会課題の解決にも貢献していく方針だ。

AI見守りシステムの概要

項目	詳細
導入時期	2024年9月25日から順次
導入駅数	Osaka Metroの56駅
検知対象	白杖または車いすを利用する乗客
検知精度	90%以上
通知方法	駅長室のモニタへの表示と通知音
個人情報の取り扱い	顔認証や行動追跡は行わず、法令に基づく場合を除き第三者提供なし

画像認識技術について

画像認識技術とは、コンピュータビジョンの一分野で、デジタル画像や動画から特定のオブジェクトや特徴を識別・検出する技術のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

機械学習や深層学習アルゴリズムを活用
大量の画像データから特徴を学習し、精度を向上
リアルタイムでの物体検出や分類が可能

Osaka MetroとPKSHAが開発したAI見守りシステムでは、この画像認識技術を用いて白杖や車いすを高精度で検知している。既存の防犯カメラ映像を活用することで、新たな設備投資を最小限に抑えつつ、駅の安全性と利便性を向上させる革新的なソリューションとなっている。

AI見守りシステムに関する考察

AI見守りシステムの導入は、駅の安全性向上と乗客サービスの改善という点で非常に有意義だ。特に、人的リソースが限られる中で、技術を活用して効率的に支援を提供できる点は評価に値する。しかし、プライバシーの観点から、乗客の個人情報保護に関する懸念が生じる可能性もあるだろう。

この問題に対しては、Osaka Metroが明確な個人情報取り扱い方針を示していることが解決策となる。顔認証や行動追跡を行わず、検知データの第三者提供も制限することで、乗客のプライバシーを守りつつシステムの利点を活かす取り組みは適切だ。今後は、AIの判断ミスによる誤検知や対応の遅れなどのリスクに対する対策も必要になるだろう。

将来的には、このシステムをさらに発展させ、混雑状況の把握や緊急時の避難誘導など、より広範な用途に活用することが期待される。Osaka MetroとPKSHAには、継続的な技術改善と新たな応用分野の開拓を通じて、公共交通機関のDXを牽引する役割を果たしてほしい。また、他の交通事業者との連携や標準化を進めることで、全国的な普及と更なる社会貢献につながるだろう。

参考サイト

^ PR TIMES. 「Osaka MetroとPKSHAが共同開発　白杖や車いすを高い精度で検知する「AI見守りシステム」を導入し、駅係員と連携することでお客さまの見守り体制を強化します | 株式会社PKSHA Technologyのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000166.000022705.html, (参照 24-09-06).

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