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公開：2024-09-07

NECが通関業務をAIで効率化、HSコード特定支援システムを開発し2025年度提供開始へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• NECがHSコード特定を支援するAIシステムを開発
• 通関士不足の課題に対応し、業務効率化を実現
• 2025年度の提供開始を目指し、トライアルを実施

NECが開発したAIによる通関業務支援システム

NECは、通関業務で必要なHSコード（輸出入統計品目番号）の特定業務を生成AIで支援するシステムを開発した。このシステムは、膨大なノウハウやナレッジが求められる通関士が不足するという課題に対応し、通関士のノウハウやナレッジの伝承に貢献することを目的としている。2024年9月5日現在、本技術は特許出願中となっている。^[1]

本システムは、HSコードを知りたいアイテム名を入力することで、HSコードの候補を提示し、その特定を支援する。また、HSコードの特定にあたり情報が不足する場合は、生成AIが不足する情報を提示することでHSコードの特定をサポートする。これにより、経験が浅くノウハウの少ない担当者が直面する問題の解決を支援し、業務効率化を実現する。

NECは本システムの更なる性能向上を実施し、2025年度の提供開始を目指している。また、現在提供しているEDA/IDA作成支援ツール「関税計算書システム」と組み合わせることで、通関申告業務を一気通貫でサポートする予定だ。さらに、2024年9月10日から東京ビッグサイトで開催される「国際物流総合展2024」にて、本システムを紹介し、先着5社まで無償トライアルを提案する。

NECのAI通関業務支援システムの特徴まとめ

関税計算書システムの詳細はこちら

HSコードについて

HSコードとは、国際貿易における輸出入品の分類を統一するために使用される世界共通の分類番号のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 輸出入品の分類を統一するための世界共通の番号システム
• 通関士が適切なHSコードを付与し、輸出入品の分類を行う
• 数が膨大で、分類が非常に複雑なため、特定には膨大な知識と経験が必要

HSコードの特定は通関業務において重要な役割を果たすが、その複雑性から通関士の経験や知識に大きく依存している。NECが開発したAIシステムは、このHSコードの特定プロセスを支援することで、経験の浅い担当者でも適切なコードを選択できるようサポートし、通関業務全体の効率化と正確性の向上に貢献することが期待されている。

NECのAI通関業務支援システムに関する考察

NECが開発したAI通関業務支援システムは、通関士不足という業界の課題に対する画期的なソリューションとなる可能性が高い。特に、経験の浅い担当者でもHSコードの特定を効率的に行えるようになることで、業務の質を維持しつつ、処理速度の向上が期待できる。一方で、AIシステムへの過度の依存が、長期的には通関士の専門知識や判断力の低下につながる懸念もあるだろう。

この課題に対する解決策として、AIシステムを単なる業務支援ツールとしてだけでなく、通関士の教育・トレーニングツールとしても活用することが考えられる。例えば、AIの判断プロセスを可視化し、なぜその判断に至ったかを説明する機能を追加することで、ユーザーの学習を促進できる可能性がある。また、ユーザーの判断とAIの判断が異なる場合に、その差異を分析する機能も有効だろう。

今後、このシステムにさらなる機能追加が期待される。例えば、法改正や国際規制の変更をリアルタイムで反映する機能や、過去の判断事例をデータベース化し、類似案件の検索を可能にする機能などが考えられる。また、他の物流・貿易関連システムとのさらなる連携を進めることで、通関業務全体のデジタルトランスフォーメーションを加速させることができるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「NEC、通関士不足の課題に対応するため、 通関業務で必要なHSコードの特定業務を生成AI で支援するシステムを開発 | 日本電気株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000681.000078149.html, (参照 24-09-07).
2. NEC. https://jpn.nec.com/

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