ENEOSとEco-Porkが養豚業初のJ-クレジット創出プロジェクトを開始、アミノ酸バランス改善飼料で温室効果ガス削減へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

ENEOSとEco-Porkが養豚業初のJ-クレジット創出プロジェクトを開始
アミノ酸バランス改善飼料による温室効果ガス削減を目指す
養豚DX技術を活用し、持続可能なプロジェクト運営を実現

ENEOSとEco-PorkによるJ-クレジット創出プロジェクトの開始

ENEOSホールディングス株式会社と株式会社Eco-Porkは、2024年9月11日に養豚事業における温室効果ガス削減を目的としたJ-クレジット創出プロジェクト「豚へのアミノ酸バランス改善飼料の給餌プロジェクト」を開始したことを発表した。このプロジェクトは、J-クレジット認証委員会において承認され、養豚生産者とのJ-クレジット創出活動が始まったのだ。^[1]

畜産業は世界の温室効果ガス排出量の約14%を占めており、排出量の削減努力が求められている。日本では、2021年に農林水産省が「みどりの食料システム戦略」を策定し、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現することを推奨している。このような背景から、ENEOSはEco-Porkに出資し、両社はJ-クレジット制度を活用したプロジェクトを開始した。

本プロジェクトでは、従来の飼料からアミノ酸バランス改善飼料に変更することで、排泄物中のアミノ酸（窒素化合物）を減少させ、一酸化二窒素の排出を削減する。Eco-Porkは運営・管理者として、全国の参加養豚生産者の温室効果ガス削減活動のモニタリングからクレジット化までの一連の対応、情報管理を担当し、養豚DX技術を活用して個々の養豚生産者の作業負荷を最小限に抑えた持続可能なプロジェクト運営を実現する。

J-クレジット創出プロジェクトの概要

項目	詳細
プロジェクト名	豚へのアミノ酸バランス改善飼料の給餌プロジェクト
実施企業	ENEOSホールディングス株式会社、株式会社Eco-Pork
目的	養豚事業における温室効果ガス削減
主な手法	アミノ酸バランス改善飼料の使用
削減対象ガス	一酸化二窒素（N2O）
Eco-Porkの役割	運営・管理、モニタリング、クレジット化、情報管理
使用技術	養豚DX技術

Eco-Porkの公式サイトはこちら

J-クレジットについて

J-クレジットとは、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取り組みによる、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

国が運営する信頼性の高いクレジット制度
様々な分野での温室効果ガス削減・吸収プロジェクトが対象
クレジットの売買が可能で、カーボンオフセットに活用可能

本プロジェクトでは、J-クレジット制度を活用して養豚業界での温室効果ガス削減を推進する。ENEOSはEco-Porkが創出したクレジットを購入し、自社のカーボンオフセットに活用する予定だ。Eco-Porkは販売したクレジットの収益を原資として養豚生産者へ還元を行い、持続可能な取り組みを実現する。

養豚業界におけるJ-クレジット創出プロジェクトに関する考察

ENEOSとEco-Porkによるこのプロジェクトは、養豚業界における環境負荷低減に向けた画期的な取り組みだ。アミノ酸バランス改善飼料の使用により、直接的な温室効果ガス削減効果が期待できるだけでなく、養豚生産者の環境意識向上にもつながる可能性がある。一方で、新しい飼料の導入にあたっては、コストや品質管理の面で課題が生じる可能性も考えられるだろう。

今後の課題としては、プロジェクトの拡大に伴う運営の複雑化や、クレジットの価格変動リスクが挙げられる。これらの問題に対しては、参加生産者向けの教育プログラムの充実や、クレジット価格の安定化メカニズムの導入などが解決策として考えられる。また、養豚DX技術のさらなる進化により、データ収集・分析の精度向上や作業効率化が期待される。

長期的には、このプロジェクトが他の畜産分野にも波及し、農畜産業全体でのカーボンニュートラルに向けた取り組みを加速させることが期待される。ENEOSとEco-Porkには、業界のリーダーとして技術革新を推進し、持続可能な畜産業のモデルケースを確立することが求められるだろう。同時に、消費者への情報発信を強化し、環境に配慮した畜産物の価値を広く認知させることも重要な課題となる。

参考サイト

^ PR TIMES. 「ＥＮＥＯＳとＥｃｏ－Ｐｏｒｋ、養豚業初のプログラム型Ｊ－クレジット創出プロジェクトを開始 | 株式会社Eco-Porkのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000047724.html, (参照 24-09-12).

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