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ソラコムがSkyloの衛星通信サービスをSORACOM Airに統合、IoTデバイスの通信範囲が大幅に拡大

text: XEXEQ編集部

ソラコムがSkyloの衛星通信サービスをSORACOM Airに統合、IoTデバイスの通信範囲が大幅に拡大

PR TIMES より


記事の要約

  • ソラコムがSkyloの衛星通信サービスを統合
  • SORACOM AirにplanNT1サブスクリプションを追加
  • セルラー通信と衛星通信の併用が可能に

SORACOM AirにSkyloの衛星通信サービスを追加

株式会社ソラコムは、IoTプラットフォームSORACOMのデータ通信サービス「SORACOM Air」に、Skylo Technologiesの衛星通信サービスを追加できる新サブスクリプション「planNT1」の提供を開始した。この統合により、SORACOMユーザーは同一のSIMカードでセルラー通信と衛星通信を併用できるようになる。これはIoTデバイスの通信範囲を大幅に拡大し、従来のセルラーネットワークでカバーできなかった地域でも安定した通信を実現する画期的な取り組みだ。[1]

planNT1の特徴は、3GPPリリース17準拠のモジュールを搭載したデバイスで衛星通信ネットワーク(NTN)が利用可能な点にある。これにより、既存のIoTデバイスとの互換性を保ちながら、衛星通信の利点を活かすことができる。さらに、SORACOMのデータ転送支援やクラウド連携サービスと組み合わせることで、狭帯域・高遅延という衛星通信の特性を考慮したシステム開発が可能になった。

セルラー通信 衛星通信(planNT1)
通信範囲 都市部や人口密集地域 地球上のほぼ全域
通信速度 高速 低速(狭帯域)
遅延 低遅延 高遅延
インフラ要件 基地局が必要 地上インフラ不要
利用可能地域 北米、ヨーロッパ、オセアニア 北米、ヨーロッパ、オセアニア

NTNとは

NTN(Non-Terrestrial Network)とは、地上以外の場所に設置された通信インフラを利用するネットワークのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 衛星や高高度プラットフォームを利用した通信
  • 地上の基地局が不要で広範囲をカバー
  • 災害時や僻地でも通信可能
  • セルラー通信と比べて高遅延・低帯域幅
  • 3GPPリリース17で標準化が進行中

NTNは、地上のセルラーネットワークでは通信が困難な地域や状況で重要な役割を果たす。例えば、海上や砂漠、山岳地帯などの通信インフラが整備されていない場所でも、衛星を介して通信が可能になる。また、大規模災害時に地上の通信インフラが被害を受けた場合でも、NTNを利用することで通信を確保できる可能性が高くなる。

IoTデバイスの通信範囲拡大と新たな活用シーン

SORACOM AirにplanNT1が追加されたことで、IoTデバイスの活用範囲が大幅に拡大する。従来のセルラー通信では届かなかった砂漠や森林、広大な農地、僻地の鉱物採掘場やプラントなどでもIoTシステムの導入が可能になる。これにより、環境モニタリングや資源管理、遠隔地の設備保守など、これまで技術的に困難だった分野での革新的なソリューションの開発が期待される。

また、グローバル輸送におけるコンテナの追跡や、国や地域をまたぐインフラの状態管理など、広域かつ継続的な通信が必要とされる用途での活用も見込まれる。SORACOMのユーザーコンソールを通じて回線や課金の一元管理ができる点も、運用効率の向上に寄与するだろう。このような新たな活用シーンの創出は、IoT技術の更なる普及と産業のデジタル化を加速させる可能性を秘めている。

SORACOM Airの衛星通信サービス統合に関する考察

SORACOM AirへのplanNT1の追加は、IoT分野に大きな変革をもたらす可能性がある。しかし、衛星通信の特性である高遅延と狭帯域幅は、リアルタイム性が求められるアプリケーションでは課題となる可能性がある。今後は、これらの制約を考慮したアプリケーション設計や、地上ネットワークと衛星通信のシームレスな切り替えを可能にする技術の開発が重要になってくるだろう。

新機能としては、衛星通信とセルラー通信の自動切り替え機能や、データ圧縮技術の強化が期待される。これにより、通信コストの最適化や、限られた帯域幅での効率的なデータ転送が可能になる。また、セキュリティ面での強化も重要だ。衛星通信特有の脅威に対応したセキュリティ機能の追加が、今後のアップデートで実装されることを期待したい。

この技術の普及により、IoTの適用範囲が地球規模で拡大することが期待される。特に、気候変動監視や野生動物追跡、海洋資源管理など、グローバルな環境保護活動への貢献が見込まれる。また、遠隔地の医療支援や教育支援など、社会インフラの整備が進んでいない地域での生活改善にも大きな影響を与える可能性がある。

一方で、衛星通信の利用拡大に伴う宇宙ゴミ問題や、電波干渉の増加といった新たな課題も予想される。IoT事業者には、これらの問題に対する責任ある取り組みが求められるだろう。また、衛星通信の普及により、プライバシーや国家安全保障の観点から新たな規制が設けられる可能性もある。ソラコムをはじめとするIoTプラットフォーム提供者は、これらの社会的課題にも目を向けながら、技術開発を進めていく必要があるだろう。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「SORACOM IoT SIMに衛星通信サービスを追加可能に「planNT1」を提供開始 | 株式会社ソラコムのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000250.000034562.html, (参照 24-07-18).

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