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5.25インチフロッピーディスクとは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


5.25インチフロッピーディスクとは

5.25インチフロッピーディスクは1970年代後半から1980年代にかけて主要なデータ保存媒体として使用された磁気ディスクです。容量は当初360KBでしたが、その後1.2MBまで拡張されました。

5.25インチフロッピーディスクはパソコンの外部記憶装置として使用されていました。当時のパソコンには内蔵ハードディスクがなかったため、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトをロードするためにフロッピーディスクが必要だったのです。

5.25インチという大きさは直径5.25インチ(約13.3cm)の磁気ディスクを指します。ディスクは柔軟な素材でできており、英語で「floppy」と表現されることからフロッピーディスクと呼ばれるようになりました。

5.25インチフロッピーディスクはディスクを保護するための薄いプラスチックのジャケットに収められています。このジャケットにはディスクへのアクセス用の穴と、ライトプロテクトタブと呼ばれる書き込み防止用のツメが付いていました。

1990年代に入ると、3.5インチフロッピーディスクが主流となり、5.25インチフロッピーディスクは徐々に使われなくなっていきました。現在では5.25インチフロッピーディスクを読み取れるドライブを搭載したパソコンはほとんど存在しません。

5.25インチフロッピーディスクの構造と仕組み

5.25インチフロッピーディスクに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • 5.25インチフロッピーディスクの物理的な構造
  • 5.25インチフロッピーディスクへのデータの読み書き方法
  • 5.25インチフロッピーディスクの容量と記録密度

5.25インチフロッピーディスクの物理的な構造

5.25インチフロッピーディスクは磁性体を塗布した柔軟なディスク基板をプラスチックのジャケットで保護した構造をしています。ディスク基板はポリエステルフィルムなどの薄い素材でできており、両面に磁性体が塗布されています。

ジャケットにはディスクへのアクセスのための楕円形の穴と、ライトプロテクトタブと呼ばれる書き込み防止用のツメが付いています。このツメの位置によって、ディスクへの書き込みが可能かどうかが決まります。

また、ディスクの中心にはドライブのスピンドルに装着するための穴が開けられています。この穴を利用して、ドライブはディスクを回転させ、データの読み書きを行います。

5.25インチフロッピーディスクへのデータの読み書き方法

5.25インチフロッピーディスクへのデータの読み書きはドライブ内のヘッドによって行われます。ヘッドはディスクの表面に非常に近い位置まで移動し、磁性体の磁化状態を変化させることでデータを記録します。

データを読み取る際はヘッドがディスクの表面を通過することで、磁化状態の変化を電気信号に変換します。この電気信号がデジタルデータに変換され、コンピュータで処理可能な形式になります。

ディスクはトラックとセクターと呼ばれる同心円状の領域に分割されています。トラックはディスクの外周から内周に向かって番号が割り当てられ、セクターは各トラックを等分割した領域を指します。データはこれらのトラックとセクターを指定することで、読み書きが行われます。

5.25インチフロッピーディスクの容量と記録密度

5.25インチフロッピーディスクの容量は初期のものは片面で360KB、両面で720KBでした。その後、記録密度の向上により、片面1.2MB、両面2.4MBの高密度ディスクが登場しました。

記録密度はトラックあたりのセクター数と、インチあたりのトラック数(TPI: Tracks Per Inch)によって決まります。初期の5.25インチフロッピーディスクは片面40トラック、セクター数8~9、TPI 48でしたが、高密度ディスクでは片面80トラック、セクター数15、TPI 96となりました。

記録密度の向上により、同じサイズのディスクでより多くのデータを保存できるようになりましたが、高密度ディスクを利用するには対応したドライブが必要でした。また、高密度化に伴い、ディスクの磁性体やヘッドの精度も高める必要がありました。

5.25インチフロッピーディスクの利点と欠点

5.25インチフロッピーディスクに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • 5.25インチフロッピーディスクの利点
  • 5.25インチフロッピーディスクの欠点
  • 5.25インチフロッピーディスクの現代における意義

5.25インチフロッピーディスクの利点

5.25インチフロッピーディスクの最大の利点は当時としては大容量のデータを手軽に持ち運べることでした。また、ディスクが比較的安価であったため、利用者は複数のディスクを用意し、用途に応じてデータを管理することができました。

また、5.25インチフロッピーディスクはリムーバブルメディアであるため、複数のユーザー間でデータを共有することが容易でした。これにより、コンピュータ上のデータを物理的に移動させることが可能となり、データの交換や配布が簡単に行えました。

さらに、5.25インチフロッピーディスクは当時のコンピュータにとって標準的な記憶メディアであったため、ほとんどすべてのパソコンで利用することができました。このため、異なるメーカーやモデルのパソコン間でもデータの互換性が保たれていました。

5.25インチフロッピーディスクの欠点

5.25インチフロッピーディスクの主な欠点は容量の限界と耐久性の問題でした。当時の技術ではディスクの容量は最大でも2.4MBに限られており、大容量のデータを扱うには多数のディスクが必要でした。

また、5.25インチフロッピーディスクは磁気ディスクであるため、磁気の影響を受けやすく、データの損失や破損のリスクがありました。ディスクを乱暴に扱ったり、磁石に近づけたりすると、データが失われる可能性がありました。

加えて、ディスクドライブ自体も精密機器であるため、ホコリや汚れに弱く、定期的なクリーニングとメンテナンスが必要でした。ドライブの読み取りヘッドが磨耗したり、ずれたりすると、データの読み書きに支障をきたすことがありました。

5.25インチフロッピーディスクの現代における意義

現在、5.25インチフロッピーディスクはほとんど使用されていませんが、コンピュータの歴史において重要な役割を果たしました。5.25インチフロッピーディスクは初期のパソコンの普及に大きく貢献し、データの保存と交換を容易にしました。

また、5.25インチフロッピーディスクに保存された多くの貴重なデータが存在しており、これらのデータを現代のメディアに移行することはデジタルアーカイブの観点から重要な意義があります。古いフォーマットで保存されたデータを救済し、後世に伝えることは技術の進歩とともに失われつつある文化遺産を守ることにつながります。

さらに、5.25インチフロッピーディスクはコンピュータの進化の過程を物語る象徴的な存在でもあります。現代の大容量ストレージメディアの発展を理解するためには5.25インチフロッピーディスクのような過去の記憶メディアについて学ぶことが重要です。

5.25インチフロッピーディスクの歴史と発展

5.25インチフロッピーディスクに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • 5.25インチフロッピーディスクの誕生と普及
  • 5.25インチフロッピーディスクの進化と高密度化
  • 5.25インチフロッピーディスクから3.5インチフロッピーディスクへの移行

5.25インチフロッピーディスクの誕生と普及

5.25インチフロッピーディスクは1976年にShugart Associatesによって開発されました。当初は8インチフロッピーディスクが主流でしたが、5.25インチフロッピーディスクはより小型で手頃な価格であったため、徐々に普及していきました。

1977年に発売されたApple IIが、5.25インチフロッピーディスクドライブを標準搭載したことが、普及に大きく貢献しました。その後、多くのパソコンメーカーが5.25インチフロッピーディスクドライブを採用し、1980年代にはパソコンの標準的な記憶メディアとして広く使用されるようになりました。

初期の5.25インチフロッピーディスクは片面で容量が360KBでしたが、1982年には倍密度の両面ディスクが登場し、容量は720KBに増加しました。これにより、より多くのデータを1枚のディスクに保存できるようになりました。

5.25インチフロッピーディスクの進化と高密度化

1980年代後半になると、5.25インチフロッピーディスクの記録密度がさらに向上し、高密度ディスクが登場しました。高密度ディスクは片面で1.2MB、両面で2.4MBの容量を持ち、従来のディスクと比べて大幅な容量の増加を実現しました。

高密度化を実現するために、ディスクのトラック数とセクター数が増加し、記録密度が向上しました。また、ドライブ側も高精度化が進み、より微細な磁気ヘッドとトラック位置決め機構が採用されました。

しかし、高密度ディスクは従来のドライブとの互換性に問題があり、利用するには専用のドライブが必要でした。このため、高密度ディスクの普及は限定的であり、多くのユーザーは従来の倍密度ディスクを使い続けました。

5.25インチフロッピーディスクから3.5インチフロッピーディスクへの移行

1980年代後半から1990年代初頭にかけて、3.5インチフロッピーディスクが登場し、徐々に5.25インチフロッピーディスクに取って代わっていきました。3.5インチフロッピーディスクはハードプラスチックのケースに収められ、ディスクを保護する金属製のシャッターが付いていました。

3.5インチフロッピーディスクは5.25インチフロッピーディスクと比べて小型で堅牢であり、ポケットに収まるサイズでした。また、容量も1.44MBと5.25インチフロッピーディスクを上回っていました。

1990年代半ばになると、ほとんどのパソコンメーカーが3.5インチフロッピーディスクドライブを標準搭載するようになり、5.25インチフロッピーディスクは徐々に姿を消していきました。現在では5.25インチフロッピーディスクを扱えるパソコンは非常に少なく、3.5インチフロッピーディスクやCD-ROM、USBフラッシュドライブなどの新しい記憶メディアに取って代わられています。

参考サイト

  1. Apple. https://www.apple.com/jp/

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