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Pentium IIIとは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


Pentium IIIとは

Pentium IIIは、Intelが1999年2月に発表した第三世代のPentiumプロセッサシリーズです。Pentium IIの後継モデルとして登場し、0.25μmプロセスルールで製造されました。

Pentium IIIは、クロック周波数が450MHzから1.4GHzまでのラインナップを揃えていました。また、L2キャッシュを256KBに増量し、メモリ帯域幅を向上させることでシステム全体のパフォーマンスを高めています。

Pentium IIIの大きな特徴として、SIMD命令セットであるSSE(Streaming SIMD Extensions)を新たにサポートしたことが挙げられます。SSEは、3Dグラフィックスや動画編集などのマルチメディア処理を高速化するための命令セットです。

Pentium IIIは、デスクトップPC向けの「Katmai」コアと、ノートPC向けの「Coppermine」コアの2種類が存在しました。Coppermineコアでは、L2キャッシュをCPUダイ上に統合することで、性能と省電力性を両立しています。

Pentium IIIは、当時のハイエンドPCに搭載され、オフィスワークからマルチメディア処理まで幅広いニーズに対応しました。また、Windows 2000やWindows XPなどの新しいOSとの相性も良く、多くのユーザーに愛用されました。

Pentium IIIのアーキテクチャと性能

Pentium IIIのアーキテクチャと性能に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • Pentium IIIのマイクロアーキテクチャ
  • Pentium IIIのクロック周波数と消費電力
  • Pentium IIIのベンチマークスコア

Pentium IIIのマイクロアーキテクチャ

Pentium IIIのマイクロアーキテクチャは、Pentium IIをベースに改良が加えられました。特に、SSE命令セットのサポートにより、マルチメディア処理能力が大幅に向上しています。

また、Pentium IIIでは、分岐予測の精度を高めるためにBTB(Branch Target Buffer)のエントリ数が増加しました。これにより、分岐予測ミスによるパイプラインストールを減らし、性能を改善しています。

さらに、Pentium IIIでは、L1キャッシュとL2キャッシュの容量が増加し、メモリアクセスのレイテンシが改善されました。これにより、メモリ集約型のアプリケーションでも高いパフォーマンスを発揮できます。

Pentium IIIのクロック周波数と消費電力

Pentium IIIのクロック周波数は、450MHzから1.4GHzまでの幅広いラインナップが用意されていました。また、Coppermineコアでは、0.18μmプロセスルールへの微細化により、クロック周波数の向上と消費電力の削減を実現しています。

Pentium IIIの消費電力は、Katmaiコアでは最大53W、Coppermineコアでは最大34.2Wとなっていました。ノートPC向けのCoppermineコアでは、省電力性能が重視され、バッテリー駆動時間の延長に貢献しました。

しかし、クロック周波数の向上に伴い、Pentium IIIの発熱量は増大する傾向にありました。そのため、CPUクーラーの性能向上や、筐体内の冷却設計の最適化が求められました。

Pentium IIIのベンチマークスコア

Pentium IIIは、当時の主要なベンチマークテストで高いスコアを記録しました。特に、3Dグラフィックスや動画編集などのマルチメディア系のベンチマークでは、SSE命令セットの効果により、Pentium IIを大幅に上回る性能を示しました。

例えば、3DMark 2000では、Pentium III 1GHzが、Pentium II 450MHzの約2倍のスコアを記録しています。また、CPUの整数演算性能を測定するSiSoftware Sandraでは、Pentium III 1GHzが、Pentium II 450MHzの約1.5倍の性能を達成しました。

一方で、クロック周波数の向上に伴い、Pentium IIIの性能は着実に向上していきました。例えば、Pentium III 1.13GHzは、1GHzモデルと比べて約13%の性能向上を果たしています。

Pentium IIIの歴史と影響

Pentium IIIの歴史と影響に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • Pentium IIIの登場と進化
  • Pentium IIIとAMDの競争
  • Pentium IIIの後継モデル

Pentium IIIの登場と進化

Pentium IIIは、1999年2月に450MHzと500MHzのモデルが登場しました。当初は、Pentium IIのKatmaiコアをベースに開発され、SSE命令セットを新たにサポートしたことが大きな特徴でした。

その後、1999年10月には、0.18μmプロセスルールで製造されたCoppermineコアを採用したPentium IIIが登場します。Coppermineコアでは、L2キャッシュがCPUダイ上に統合され、動作クロックが133MHzに引き上げられました。

さらに、2001年1月には、Tualatinコアを採用したPentium IIIが登場しました。Tualatinコアでは、L2キャッシュが512KBに倍増され、省電力性能が強化されています。

Pentium IIIとAMDの競争

Pentium IIIの時代は、IntelとAMDのCPU競争が激化した時期でもありました。AMDは、1999年8月にAthlon K7を発売し、Pentium IIIに対抗しました。

Athlon K7は、Pentium IIIと同様に3Dグラフィックス性能に優れ、一部のベンチマークではPentium IIIを上回る結果を示しました。また、Athlon K7は、Pentium IIIよりも安価であり、コストパフォーマンスに優れていました。

その後も、IntelとAMDは、クロック周波数の向上と新機能の追加を競い合いました。この競争は、CPUの性能向上を加速させ、ユーザーの利便性を高める結果につながりました。

Pentium IIIの後継モデル

Pentium IIIの後継モデルとして、2000年11月にPentium 4が登場しました。Pentium 4では、NetBurstマイクロアーキテクチャが採用され、高いクロック周波数を実現しました。

また、Pentium 4では、SSEの拡張版であるSSE2命令セットが導入され、マルチメディア処理能力がさらに向上しました。さらに、Hyper-Threadingテクノロジーにより、1つのCPUコアで2つのスレッドを同時に処理できるようになりました。

Pentium 4は、最終的に3.8GHzまでクロック周波数を引き上げ、長期にわたってIntelのハイエンドCPUとして君臨しました。Pentium IIIからPentium 4への移行は、CPUアーキテクチャの大きな転換点となりました。

Pentium IIIの現代における評価と活用

Pentium IIIの現代における評価と活用に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • Pentium IIIのレガシーシステムでの活用
  • Pentium IIIの現代CPUとの性能比較
  • Pentium IIIのコレクション価値

Pentium IIIのレガシーシステムでの活用

Pentium IIIは、現在では古いCPUに分類されますが、一部のレガシーシステムでは現役で活躍しています。例えば、工場の制御システムや、医療機器、計測機器などでは、Pentium IIIベースのシステムが継続して使用されているケースがあります。

これらのシステムでは、安定性と信頼性が重視され、最新のCPUへの移行が難しい場合があります。また、古いソフトウェアやドライバとの互換性を維持するために、あえてPentium IIIを使い続けることもあります。

レガシーシステムでPentium IIIを活用する場合、長期的な保守とメンテナンスが課題となります。部品の調達が難しくなることや、セキュリティ面での脆弱性などにも注意が必要です。

Pentium IIIの現代CPUとの性能比較

現代のCPUと比較すると、Pentium IIIの性能は大幅に見劣りします。クロック周波数、コア数、命令セットなど、あらゆる面で現代CPUが優れています。

例えば、Intel Core i9-13900Kは、最大5.8GHzのクロック周波数、24コア、32スレッドを備えており、Pentium III 1.4GHzの約50倍以上の性能を発揮します。また、現代のCPUは、AVX-512などの高度な命令セットを備えており、マルチメディア処理や暗号化処理などでも高い性能を示します。

ただし、Pentium IIIは、発売当時としては非常に高性能なCPUであり、その技術は現代のCPUにも受け継がれています。特に、SSE命令セットは、現代のSIMD命令セットの基礎となっており、Pentium IIIの功績は大きいと言えます。

Pentium IIIのコレクション価値

Pentium IIIは、CPUコレクターの間で人気の高いアイテムの1つです。特に、初期ロットのCoppermineコアや、FSB 133MHzに対応したTualatinコアは、希少性が高く、コレクション価値が高いとされています。

また、Pentium IIIのCPUダイは、当時としては非常に大きく、パッケージも特徴的な形状をしていました。このような外観の特徴も、コレクターを魅了する要因の1つです。

ただし、Pentium IIIのコレクション価値は、個体差が大きく、状態によって大きく変動します。未使用品や、動作保証付きの個体は、高値で取引されることもありますが、ジャンク品は安価で販売されています。コレクションを始める際は、市場価格を確認し、適切な価格で購入することが大切です。

参考サイト

  1. Intel. https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/homepage.html

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