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DDR3Lとは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


DDR3Lとは

DDR3LはDDR3メモリの低電圧版であり、消費電力を抑えたメモリ規格です。DDR3メモリが1.5Vの電圧で動作するのに対し、DDR3Lは1.35Vの低電圧で動作します。

DDR3Lはノートパソコンやモバイルデバイスなどの省電力が求められる機器に適しています。低電圧化によってバッテリー駆動時間を延ばすことができるため、ポータブル機器での使用に優れた特性を持っているのです。

DDR3LはDDR3と互換性があるため、同じスロットに装着することができます。ただし、マザーボードがDDR3Lに対応している必要があり、BIOSの設定でDDR3Lモードを選択する必要がある点に注意が必要でしょう。

性能面ではDDR3とほぼ同等ですが、低電圧化によるオーバークロックの制限があります。また、放熱性能も若干低下するため、高負荷時の安定性には注意が必要となります。

DDR3Lは省電力性と互換性を兼ね備えた規格であり、モバイル機器での使用に適しています。低電圧化による消費電力の削減はバッテリー駆動時間の延長に大きく貢献するでしょう。

DDR3LとDDR3の電圧の違い

「DDR3LとDDR3の電圧の違い」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • DDR3Lの低電圧化によるメリット
  • DDR3LとDDR3の互換性
  • DDR3Lの低電圧化がもたらす制限

DDR3Lの低電圧化によるメリット

DDR3LはDDR3の1.5Vから1.35Vへと電圧を下げることで、消費電力を削減しています。この低電圧化によって、モバイルデバイスでのバッテリー駆動時間を延ばすことができます。

特にノートパソコンやタブレットなどの携帯性が重視される機器ではバッテリー持続時間が重要な要素となります。DDR3Lを採用することで、メモリの消費電力を抑え、バッテリー駆動時間を伸ばすことが可能になるのです。

また、低電圧化によって発熱量も抑えられるため、放熱設計の自由度が高まります。これにより、薄型化や小型化が進むモバイルデバイスでの設計に適しているといえるでしょう。

DDR3LとDDR3の互換性

DDR3Lは電圧以外の仕様はDDR3と同一であるため、互換性があります。つまり、DDR3対応のマザーボードにDDR3Lメモリを装着することが可能です。

ただし、マザーボードがDDR3Lに対応している必要があります。DDR3Lに対応していないマザーボードではDDR3Lメモリを1.5Vで動作させてしまうため、正常に動作しない可能性があるのです。

DDR3L対応のマザーボードであれば、BIOSの設定でDDR3Lモードを選択することで、低電圧での動作が可能になります。互換性があるとはいえ、対応状況を確認することが重要だといえます。

DDR3Lの低電圧化がもたらす制限

DDR3Lは低電圧化によるメリットがある一方で、いくつかの制限も存在します。まず、オーバークロックの余地が限られてきます。低電圧化によって安定動作の範囲が狭くなるため、高クロック動作での安定性が損なわれやすくなるのです。

また、低電圧化によって発熱量は減少しますが、放熱効率も若干低下します。高負荷時の安定性を確保するためには適切な放熱対策が必要になるでしょう。

加えて、DDR3Lは一般的にDDR3よりも価格が高くなる傾向にあります。低電圧対応のチップを使用しているため、コストが上がってしまうのです。導入時のコストを考慮する必要があるといえます。

DDR3Lの消費電力削減効果

「DDR3Lの消費電力削減効果」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • DDR3LとDDR3の消費電力の差
  • 消費電力削減がバッテリー駆動時間に与える影響
  • 消費電力削減による放熱量の減少

DDR3LとDDR3の消費電力の差

DDR3LはDDR3と比べて消費電力が約10~20%程度削減されています。この差は低電圧化によってもたらされるものです。

具体的にはDDR3が1.5Vで動作するのに対し、DDR3Lは1.35Vで動作します。わずか0.15Vの差ではありますが、メモリ全体の消費電力を考えると、無視できない差となるのです。

特に、大容量のメモリを搭載するシステムではこの差が顕著に表れます。サーバーやワークステーションなどの大規模システムではDDR3Lの採用によって消費電力を大幅に削減できる可能性があるでしょう。

消費電力削減がバッテリー駆動時間に与える影響

DDR3Lの消費電力削減効果はバッテリー駆動時間の延長に直結します。ノートパソコンやタブレットなどのモバイルデバイスではバッテリー持続時間が重要な要素となります。

メモリの消費電力が10~20%削減されれば、その分バッテリー駆動時間を延ばすことができます。例えば、10時間駆動できていたデバイスが、DDR3Lの採用によって11~12時間駆動できるようになるかもしれません。

長時間のモバイル利用を想定しているユーザーにとって、わずかな駆動時間の延長でも大きなメリットとなるでしょう。DDR3Lはモバイルデバイスでの利用価値が高いといえます。

消費電力削減による放熱量の減少

DDR3Lの消費電力削減は放熱量の減少にもつながります。消費電力が下がれば、発熱量も抑えられるためです。

特に、薄型化や小型化が進むモバイルデバイスでは放熱設計が重要な課題となります。限られたスペースの中で、効率的な放熱経路を確保する必要があるのです。

DDR3Lの採用によって発熱量が減少すれば、放熱設計の自由度が高まります。ヒートスプレッダーやヒートシンクのサイズを小さくできたり、ファンレス設計が可能になったりと、設計上のメリットが期待できるでしょう。

DDR3L対応機器と非対応機器の違い

「DDR3L対応機器と非対応機器の違い」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • DDR3L対応マザーボードの特徴
  • DDR3L非対応マザーボードでの動作
  • DDR3L対応機器の選び方

DDR3L対応マザーボードの特徴

DDR3L対応のマザーボードはDDR3Lの低電圧での動作をサポートしています。BIOSの設定で、メモリの動作電圧をDDR3の1.5VからDDR3Lの1.35Vに切り替えることができます。

この切り替え機能によって、DDR3Lメモリを低電圧で安定動作させることが可能になります。DDR3L対応マザーボードは省電力性を重視したシステム構築に適しているといえるでしょう。

また、DDR3L対応マザーボードの多くはDDR3メモリもサポートしています。互換性を維持しつつ、低電圧動作のオプションを提供しているのです。

DDR3L非対応マザーボードでの動作

DDR3L非対応のマザーボードではDDR3Lメモリを低電圧で動作させることはできません。BIOSに低電圧モードの設定がないため、DDR3Lメモリを装着しても1.5Vで動作してしまいます。

この場合、DDR3Lメモリの低電圧動作によるメリットを活かすことはできません。消費電力の削減効果は期待できず、通常のDDR3メモリとほぼ同等の動作になってしまうのです。

ただし、DDR3L非対応マザーボードでもDDR3Lメモリを使用すること自体は可能です。互換性があるため、物理的には問題なく動作します。しかし、せっかくのDDR3Lの特性を活かせないため、あまりメリットはないでしょう。

DDR3L対応機器の選び方

DDR3Lのメリットを活かすためにはマザーボードがDDR3Lに対応している必要があります。DDR3L対応をうたっているマザーボードを選ぶことが重要です。

特に、ノートパソコンやタブレットなどのモバイルデバイスではDDR3L対応機種を選ぶことをおすすめします。バッテリー駆動時間の延長や放熱設計の自由度向上など、モバイル利用でのメリットが大きいためです。

デスクトップPCでも、省電力性を重視するならDDR3L対応機種を選ぶと良いでしょう。ただし、オーバークロックを考えている場合はDDR3Lよりも通常のDDR3の方が適している場合があります。用途に合わせて選択することが大切です。

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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