Visaが韓国人海外旅行者の決済データを分析、アジア太平洋地域への支出が62%を占め日本が最大の旅行先に

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

Visaが韓国人海外旅行者の決済データを分析
アジア太平洋地域への支出が62%を占める
日本がトップの旅行先、支出の48%を占める

Visaによる韓国人海外旅行者の決済データ分析結果が公開

グローバル決済テクノロジー企業のVisaは、2024年9月24日に韓国人海外旅行者の2024年上半期の対面決済データを前年同期と比較したレポートを公開した。このデータによると、アジア太平洋諸国、特に日本やベトナムの人気が高まり、オーストラリアや中華圏への関心も高まっている。2023年には遠方への「リベンジ旅行」に足を伸ばす傾向が見られたが、2024年は日々の生活の合間に近場を頻繁に旅行する形態に移行したのだ。^[1]

Visaのデータによると、韓国人のアジア太平洋地域における支出額の上位5カ国は上から順に日本、ベトナム、オーストラリア、タイ、グアムとなっている。特筆すべき点として、昨年4位だったオーストラリアが今年3位に浮上した。これは、オーストラリアの主要都市に格安航空会社（LCC）の直行便が就航し、アクセスが向上したことや、より幅広くメディアに取り上げられたことが理由として挙げられる。

日本は2023年に続き2024年も韓国人の旅行先のトップとなった。顕著な傾向として、アジアにおける取引総額に占める日本の割合が昨年の39%から今年は48%に拡大している。これは、今年上半期の円安、韓国―日本間の直行便への期待などにより、日本が魅力的な旅行先となったことが理由だ。特に、日本におけるショッピング支出が大幅に増加し、デパートとディスカウント店における支出はそれぞれ前年同期比で134%、102%増加し、いずれも2倍以上となった。

韓国人海外旅行者の支出傾向まとめ

	日本	ベトナム	オーストラリア
主な支出カテゴリ	ショッピング	宿泊施設	グルメ・食品＆医薬品
支出の特徴	デパート（30%）、ディスカウント店（14%）	宿泊施設（21%）、レストラン（17%）	スーパー（16%）、レストラン（14%）、医薬品（12%）
前年比の変化	デパート134%増、ディスカウント店102%増	宿泊施設60%増	3位に浮上（前年4位）
タッチ決済利用率	29%（前年11%）	33%（前年15%）	80%以上

タッチ決済について

タッチ決済とは、非接触型のICチップを搭載したカードやスマートフォンを決済端末にかざすだけで支払いを完了できる決済方式のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

迅速な決済処理が可能（数秒で完了）
セキュリティ性が高く、偽造や不正利用のリスクが低い
現金やサインの必要がなく、衛生的で便利

Visaの分析によると、タッチ決済は韓国ではやっと普及し始めたばかりだが、海外ではすでにここ数年、一般的となっている。特に欧州やオーストラリアでは、決済の70〜85%がタッチ決済で行われており、アジア地域でも急速に普及が進んでいる。日本では前年の11%から29%に、ベトナムでは15%から33%に、タイでは24%から35%へと、タッチ決済の利用率が顕著に上昇している。

Visaの韓国人海外旅行者決済データ分析に関する考察

Visaによる韓国人海外旅行者の決済データ分析は、旅行業界やマーケティング戦略に大きな影響を与える可能性がある。特に、アジア太平洋地域への支出が62%を占め、日本への支出が48%に増加したという結果は、これらの国々にとって韓国人観光客の重要性が高まっていることを示している。今後、各国の観光局や旅行関連企業は、この傾向に合わせたプロモーションや受け入れ態勢の整備を進める必要があるだろう。

一方で、特定の国や地域への旅行集中は、オーバーツーリズムや文化摩擦などの問題を引き起こす可能性もある。特に日本の場合、ショッピングへの支出が大幅に増加していることから、人気商品の品切れや価格上昇、地元住民との軋轢などが懸念される。こうした問題に対しては、旅行者の分散化や持続可能な観光の推進、文化交流プログラムの充実などが解決策として考えられる。

今後、Visaには決済データをさらに詳細に分析し、旅行者の行動パターンや消費傾向をより深く理解することが期待される。例えば、年齢層や職業別の分析、リピーター率の調査、季節変動の把握などが有用だろう。また、タッチ決済の普及に伴い、より簡便で安全な決済システムの開発や、決済データを活用した新しい旅行サービスの創出にも期待がかかる。