エクシークがフィンテックを活用した新ファイナンスサービスを発表、EC事業者の資金繰り支援と流通変革を目指す

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

エクシークがフィンテックを活用した新ファイナンスサービスを発表、EC事業者の資金繰り支援と流通変革を目指す

PR TIMES より


記事の要約

  • エクシークがフィンテックを活用した新ファイナンスサービスを開発
  • EC事業者の資金繰り支援を目的とした「物流」×「フィンテック」の融合
  • 物流データを活用した新たな動産総合保険の開発も予定

エクシークのファイナンス事業参入によるEC事業者支援の強化

フルフィルメント(EC物流)を手がける株式会社エクシークは、EC事業者の成長支援を目的としたファイナンスサービスの開発と提供を2024年9月24日に発表した。このサービスは、フィンテックを活用し「物流」と「金融」を融合させた新たな取り組みとなっている。エクシークは多くのEC事業者との取引実績と多様な商品取扱いのノウハウを最大限に活用し、EC事業者の資金繰り支援を行う方針だ。[1]

新サービスでは、フルフィルメント事業で蓄積される「荷主単位」「商品単位」の「入出荷情報」「在庫保管状況」「回転率」などの物流タイムデータを解析・活用する。これにより、EC事業者に対して実態に即した資金繰り支援を提供し、事業成長を後押しする。さらに、物流のリアルタイムデータをモニタリングサービスとして提供することで、金融機関や在庫評価会社等の動産担保融資の審査精度向上をサポートする計画だ。

エクシークは「在庫を持たない世界」の実現を目指している。これは、EC事業者が独自性のある商品を開発しても在庫を持たず、販売やマーケティングに専念し、消費者の代金ですべての決済を行うという未来像だ。この取り組みにより、過剰在庫や売れ残り、陳腐化ロスなどの経済的に意味のない在庫(流通ロス)を限りなくゼロに近づけ、流通変革につなげることを目標としている。

エクシークのファイナンスサービス概要

サービス名 概要 主な効果
LogiGrowth(ロジグロース) 仕入れ・製造委託支払いの立替、分割後払い 資金繰り支援
LMS(Logistics Managed Stock) 荷主と受注・出荷・在庫情報を共有し、仕入代行・在庫管理を実施 在庫削減、B/S改善、キャッシュフロー改善
ファクタリング 売上債権の買い取り 負債抑制、B/Sコントロール、キャッシュフロー改善
流通モニタリング 物流リアルタイムデータの提供、ABLの審査精度向上サポート 融資審査精度向上、保険料率適正化
在庫買取 不動・滞留在庫をセカンダリーマーケットに販売 在庫削減、B/S改善、キャッシュフロー改善
エクシークの公式サイトはこちら

フィンテックについて

フィンテック(FinTech)とは、Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語であり、IT技術を活用した革新的な金融サービスを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 従来の金融サービスの効率化や利便性の向上
  • 新しい金融サービスの創出
  • テクノロジーを活用した金融インフラの整備

エクシークが展開する新たなファイナンスサービスは、フィンテックの概念を物流分野に応用した取り組みと言える。物流データとフィナンスを融合させることで、EC事業者の資金繰り支援や在庫管理の最適化を実現し、従来の金融サービスでは対応が難しかった課題に対するソリューションを提供している。この取り組みは、フィンテックの応用範囲を広げる先進的な事例となっている。

エクシークのファイナンス事業参入に関する考察

エクシークのファイナンス事業参入は、EC事業者の成長支援という点で画期的だ。特に、物流データを活用した資金繰り支援は、従来の金融機関では難しかった実態に即した融資判断を可能にし、EC事業者の成長を加速させる可能性がある。しかし、個人情報保護やデータセキュリティの観点から、取り扱うデータの管理体制の構築が重要な課題となるだろう。

今後起こりうる問題として、EC市場の急激な変化や競合他社の参入による競争激化が考えられる。これに対する解決策としては、継続的なサービス改善やAI技術の導入による予測精度の向上などが挙げられる。また、クロスボーダーEC支援や海外展開支援など、国際的な視点を取り入れたサービス拡充も有効だ。エクシークには、EC事業者のニーズに合わせた柔軟なサービス提供が期待される。

今後追加してほしい機能としては、AIを活用した需要予測や在庫最適化の提案機能が考えられる。これにより、EC事業者はより戦略的な在庫管理や資金計画を立てることが可能になるだろう。エクシークのファイナンス事業が、EC業界全体の健全な成長と流通変革の実現に貢献することが期待される。物流とフィンテックの融合による新たなビジネスモデルの創出は、他業界にも波及する可能性を秘めている。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「フルフィルメントサービスを展開するエクシークがファイナンス事業に参入「物流」×「フィンテック」を融合させた新たなサービスを展開 | 株式会社エクシークのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000133693.html, (参照 24-09-24).

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