経済

ECONOMY

公開：2024-09-26

JFE商事エレクトロニクスがタイで溶剤リサイクル事業を開始、年間1万トンのCO2排出量削減を目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• JFE商事エレクトロニクスがタイで溶剤リサイクル事業に進出
• 年間1万トンのCO2排出量削減を目指す
• UTJ Glean Solutions (Thailand) Co.,Ltd.を設立

JFE商事エレクトロニクスのタイにおける溶剤リサイクル事業進出

JFE商事エレクトロニクス株式会社は、タイのUnion Petrochemical Public Co.,Ltd.と豊田化学工業株式会社と合弁で、タイ・ゲートウェイシティ工業団地において溶剤のリサイクル工場機能を担うUTJ Glean Solutions (Thailand) Co.,Ltd.を2024年9月25日に設立した。タイでの溶剤リサイクル率が3%未満という現状を踏まえ、循環型経済の実現と環境負荷の低減を目指している。^[1]

UTJは各工場から排出される廃液を回収・リサイクルし、使用基準を満たした高品質・低価格なリサイクル溶剤の提供を可能にする。最新式蒸留設備の導入により、一般的な蒸留工程にかかる時間を約半分まで削減し、年間約1万トン以上の溶剤リサイクルを実現する見込みだ。これにより、年間1万トンのCO2排出量削減に貢献できると期待されている。

UTJの名称には、3社の頭文字と「タイと日本の協働」を意味する"United Thailand and Japan"のイメージが込められている。また、"Glean"は「Green」と「Clean」を組み合わせた造語で、環境への貢献を目指す意味が込められている。UTJは環境と全てのステークホルダーに貢献する循環型社会の実現を目指し、事業展開に取り組んでいく。

UTJ Glean Solutions (Thailand) Co.,Ltd.の概要

UTJ Glean Solutionsの事業概要はこちら

溶剤リサイクルについて

溶剤リサイクルとは、工業プロセスで使用された溶剤を回収し、再利用可能な状態に精製する技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 環境負荷の低減と資源の有効活用
• 廃棄物処理コストの削減
• 循環型経済モデルへの貢献

UTJ Glean Solutions (Thailand) Co.,Ltd.の溶剤リサイクル事業は、タイにおける循環型経済の実現に向けた重要な取り組みとなる。最新式蒸留設備の導入により、従来の方法よりも効率的なリサイクルプロセスを実現し、年間約1万トン以上の溶剤リサイクルと1万トンのCO2排出量削減を目指している。これは、タイの工業分野における環境負荷低減に大きく貢献する可能性がある。

タイにおける溶剤リサイクル事業の展望に関する考察

JFE商事エレクトロニクスのタイでの溶剤リサイクル事業進出は、環境保護と経済成長の両立を目指すタイ政府の「バイオ・循環型・グリーン（BCG）経済モデル」に合致しており、今後の成長が期待される。特に、現状のタイでの溶剤リサイクル率が3%未満という低水準であることを考えると、UTJ Glean Solutionsの事業には大きな市場機会が存在すると考えられる。

一方で、新規事業の立ち上げには様々な課題が予想される。例えば、タイ国内での溶剤リサイクルの認知度向上や、企業の廃液処理習慣の変革などが必要になるだろう。これらの課題に対しては、地元企業との協力関係強化や、環境教育プログラムの実施など、多角的なアプローチが求められる。また、リサイクル技術の継続的な改善や、処理能力の拡大も重要な課題となるだろう。

今後、UTJ Glean Solutionsには、タイ国内での事業基盤確立後、ベトナムやインドネシアなど他の東南アジア諸国への展開も期待される。このような地域展開は、アジア全体の循環型経済推進に大きく貢献する可能性がある。日本の技術と現地のニーズを組み合わせた本事業が、アジア地域の持続可能な発展モデルとなることを期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「JFE商事エレクトロニクス、タイでの溶剤リサイクル事業に進出 | JFE商事エレクトロニクス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000104445.html, (参照 24-09-26).

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