JFE条鋼がAI個数検査システムを導入、鋼材の員数確認作業時間が約1/10に短縮し作業効率が大幅に向上

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

JFE条鋼がAI個数検査システムを導入
鋼材の員数確認作業時間が約1/10に短縮
作業員の身体的・心理的負担が軽減

JFE条鋼のAI個数検査システム導入による業務効率化

JFE条鋼株式会社は、株式会社カミナシが提供するAI個数検査システム『カミナシ CountAI』を導入し、鋼材の員数確認作業の効率化を実現した。2024年10月2日に発表されたこの導入により、1日あたり400〜500束の鋼材の目視確認作業から作業員を解放し、作業時間を約1/10に短縮することに成功している。^[1]

JFE条鋼は、JFEグループの一員として建築・土木・機械・船舶・車両など幅広い分野で使用される鉄鋼製品を生産する企業だ。同社の豊平製造所では、鉄筋コンクリート構造の基礎に使用される「異形棒鋼」を製造しており、従来は作業員が1日に数百束もの棒鋼を目視で数える必要があった。

『カミナシ CountAI』の導入により、画像認識AIを活用した高精度な員数確認が可能となった。これにより、1束あたり1〜2分かかっていた作業が十数秒に短縮され、作業員の身体的・心理的負担が大幅に軽減された。さらに、出荷時の員数確認画像がクラウド上に記録されることで、顧客からの問い合わせにも迅速に対応できるようになり、品質保証体制の強化にも貢献している。

AI個数検査システム導入の効果まとめ

	導入前	導入後
作業時間	1束あたり1〜2分	1束あたり十数秒
作業員の負担	高い（屈んだ姿勢での目視確認）	大幅に軽減
顧客対応	在庫数照合や作業者への口頭確認が必要	クラウド上の記録で迅速に対応可能
品質保証	エビデンスなし	出荷時の画像がエビデンスとして記録
今後の展開	-	製造過程での半製品の員数確認にも活用検討中

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異形棒鋼について

異形棒鋼とは、鉄筋コンクリート構造の基礎に使用される鋼材の一種で、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

表面に凹凸があり、コンクリートとの付着力が高い
引張強度が高く、建築物の構造強度を向上させる
さまざまな直径サイズが規格化されている

JFE条鋼の豊平製造所では、この異形棒鋼を主力製品として製造している。AI個数検査システムの導入により、異形棒鋼の生産から出荷までのプロセスが効率化され、品質管理の精度向上にも寄与している。今後は製造過程での半製品の員数確認にも活用範囲を広げ、さらなる業務改善を目指している。

AI個数検査システム導入に関する考察

JFE条鋼によるAI個数検査システムの導入は、鉄鋼業界における業務効率化の好例となるだろう。作業時間の大幅な短縮と作業員の負担軽減は、人手不足が深刻化する製造業において重要な解決策の一つとなる。さらに、クラウド上にエビデンスが記録されることで、品質管理の透明性が向上し、顧客との信頼関係構築にも寄与すると考えられる。

一方で、AIシステムの導入に伴う初期コストや、従業員のスキルアップ、データセキュリティの確保などの課題も想定される。これらの問題に対しては、段階的な導入や従業員向けの研修プログラムの実施、セキュリティ対策の強化などが解決策として考えられるだろう。今後は、AIシステムの精度向上や他の製造プロセスへの展開など、さらなる技術革新が期待される。

将来的には、AIによる個数検査だけでなく、製品の品質チェックや不良品の自動検出など、より高度な機能の追加も可能性として考えられる。JFE条鋼には、このAI導入を起点として、製造プロセス全体のデジタル化を進め、業界全体の生産性向上や働き方改革のモデルケースとなることを期待したい。鉄鋼業界のDX推進が、持続可能な社会の実現にも貢献することを願う。

参考サイト

^ PR TIMES. 「JFE条鋼がAI個数検査システム『カミナシ CountAI』を導入し、鋼材の員数確認作業時間を約1/10に効率化 | 株式会社カミナシのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000129.000054269.html, (参照 24-10-03).

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