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公開：2024-10-03

千葉大学が環境サステナビリティ実践学を新設、20年にわたる実践型環境教育を発展させた取り組み

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 千葉大学が全学副専攻プログラムを開設
• 環境課題解決人材の育成が目的
• 20年間の実践型環境教育を発展させた取り組み

千葉大学が環境サステナビリティ実践学を新設

国立大学法人千葉大学は、環境課題解決人材の育成を目指し、2024年10月1日より全学副専攻プログラム「環境サステナビリティ実践学」を開始した。このプログラムは、人類や社会が直面する環境課題を文理横断的・異分野融合的な視点から認識し、課題解決に向けて協調・協働しながら主体的・実践的に取り組む人材の養成を目的としている。^[1]

千葉大学は2005年1月にISO14001を取得し、その構築・運用を教育の一環として位置づけてきた。2003年10月に発足した環境ISO学生委員会は、毎年約250人の学部生が所属し、環境マネジメントシステム（EMS）の運用に不可欠な役割を担っている。学生たちは、環境目的・目標・実施計画の作成、内部監査員、基礎研修講師、サステナビリティレポートの編集業務などを行っている。

新設された「環境サステナビリティ実践学」は、これまでの「千葉大学方式」による教育を発展させたものだ。一般教養科目と専門教育科目を横断して約120科目で構成されており、学生は自身の専門分野に加えて、環境に関する「課題を発見する力」「課題解決のための立案力」「解決策を実行するための実践力」を身につけることを目指す。16単位を履修すると副専攻を取得でき、修了証書とオープンバッジが授与される。

環境サステナビリティ実践学の概要

環境サステナビリティ実践学の詳細はこちら

環境マネジメントシステム（EMS）について

環境マネジメントシステム（EMS）とは、組織が環境方針を策定し、環境負荷の低減や環境保全活動を計画的かつ継続的に実施するための仕組みのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• PDCAサイクルによる継続的な改善
• 組織全体での環境への取り組みの統合
• 環境パフォーマンスの向上と法令順守の確保

千葉大学のEMSは、ISO14001の国際規格に基づいて構築されており、学生が主体となって運用されている点が特徴的だ。環境ISO学生委員会の活動を通じて、学生たちは環境マネジメントの実践的なスキルを身につけるとともに、持続可能な社会の実現に向けた意識を高めている。このような実践的な環境教育は、新設された環境サステナビリティ実践学プログラムにも生かされている。

環境サステナビリティ実践学に関する考察

千葉大学の環境サステナビリティ実践学プログラムは、長年の実践型環境教育の経験を活かした画期的な取り組みだ。文理横断的なアプローチにより、多角的な視点から環境問題を捉える力を養成できる点が高く評価できる。一方で、多様な分野の科目を効果的に組み合わせ、学生の専門性と環境課題解決能力をバランスよく育成することが課題となるだろう。

今後、プログラムの実効性を高めるためには、産業界や地域社会との連携をさらに強化し、実践的な課題解決の機会を増やすことが重要だ。また、急速に進化するテクノロジーや変化する環境問題に対応するため、カリキュラムの定期的な見直しと更新が必要となる。環境サステナビリティ実践学の成果を可視化し、社会に発信していくことで、他大学や企業への波及効果も期待できるだろう。

将来的には、このプログラムを通じて育成された人材が、企業や行政、NGOなど様々な分野で活躍し、持続可能な社会の実現に貢献することが期待される。千葉大学には、環境課題解決人材の育成モデルとして、さらなるプログラムの充実と発展を期待したい。グローバルな環境問題に対応できる人材の輩出は、日本の環境政策や産業界にも大きな影響を与える可能性がある。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「環境課題解決人材の育成に向け、全学副専攻プログラム「環境サステナビリティ実践学」を設置 | 国立大学法人千葉大学のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000896.000015177.html, (参照 24-10-03).

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