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公開：2024-10-05

鎌倉市と日本承継寄付協会が遺贈寄付に関する連携協定を締結、神奈川県内初の取り組みで次世代への思いの継承を促進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 鎌倉市と日本承継寄付協会が連携協定を締結
• 遺贈寄付に関する情報発信と相談業務を連携
• 次世代に思いをつなぐ社会の実現を目指す

鎌倉市と日本承継寄付協会の遺贈寄付に関する連携協定締結

一般社団法人日本承継寄付協会は、2024年10月3日に鎌倉市と神奈川県内で初となる「遺贈寄付に関する連携協定」を締結したことを発表した。この協定により、鎌倉市への遺贈寄付に関する情報発信や相談業務の連携が行われることになる。少子高齢化による社会構造の変化を背景に、相続人不在のケースや高齢者層での資産循環が全国的な課題となっていた。^[1]

鎌倉市はこれまでも広報かまくらに遺贈寄付の制度を記事掲載するなどの取り組みを実施してきた。今回の連携協定により、遺贈という選択肢の存在や市役所が相談窓口の一つとなり得ることを、鎌倉市への寄付を希望する方々に周知することが期待される。この連携を通じて市民ニーズへの対応と「遺贈寄付」の更なる普及を行い、次世代に思いをつなぐ社会の実現を目指すことになるだろう。

鎌倉市の松尾崇市長は、この連携協定が鎌倉市でも遺贈寄付の選択肢があることを知ってもらえる機会になればと期待を寄せている。少額からでも自分が育った、あるいは貢献したいふるさとに寄付ができるという仕組みを正しく理解してもらい、一つの選択肢として検討する機会になることを望んでいる。日本承継寄付協会の三浦美樹代表理事も、神奈川県内初の連携協定締結を喜び、誰もができる身近な寄付として知ってもらえるような活動を継続していく意向を示した。

遺贈寄付に関する連携協定の概要

遺贈寄付について

遺贈寄付とは、相続財産の一部を遺言等を通じて非営利活動法人や地域の学校などに寄付することで、社会に貢献する方法である。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 少額からの寄付が可能
• 亡くなった後の寄付実行のため、生前の貯金残額を心配する必要がない
• 高齢者層での資産循環問題の解決策となる可能性がある

日本国内では年間50兆円ものお金が相続されていると言われており、60代以上が保有する金融資産の割合は年々上昇している。金融庁の調査によると、1999年に47.4%だった割合が2035年には70.6%に達する見込みだ。遺贈寄付は、この老後の不安から生じる資産の高齢者への偏りを、無理なく将来世代やそれを応援する団体へ資金を流入させる手段として注目されている。

遺贈寄付に関する連携協定に関する考察

鎌倉市と日本承継寄付協会の連携協定は、遺贈寄付という選択肢の認知度向上と普及に大きな役割を果たすだろう。特に、市役所が相談窓口の一つとなることで、市民にとってより身近で信頼できる制度として認識される可能性が高い。一方で、遺贈寄付に関する法的な問題や、相続人との調整など、複雑な課題が生じる可能性もあるため、専門的な知識を持つ人材の育成や、法律面でのサポート体制の構築が今後の課題となるかもしれない。

この連携協定を機に、他の自治体でも同様の取り組みが広がることが期待される。遺贈寄付の普及は、地域社会の持続可能な発展に寄与する可能性が高く、特に人口減少や高齢化が進む地方自治体にとっては重要な財源確保の手段となり得る。今後は、遺贈寄付の受け入れ体制の整備や、寄付金の使途の透明化、寄付者の意思を尊重した運用方法の確立など、より具体的な制度設計が求められるだろう。

また、遺贈寄付の文化を根付かせるためには、生前からの計画的な資産管理や社会貢献の意識醸成が重要となる。教育現場や企業、地域コミュニティなどでの啓発活動を通じて、若い世代から高齢者まで幅広い層に遺贈寄付の意義を伝えていくことが必要だ。この連携協定を一つのモデルケースとして、全国的な遺贈寄付の普及と、それによる世代を超えた資産循環の実現に期待が高まる。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「鎌倉市と日本承継寄付協会が神奈川県内初の遺贈寄付に関する連携協定を締結 | 一般社団法人日本承継寄付協会のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000063820.html, (参照 24-10-05).
2. 金融庁. https://www.fsa.go.jp/

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