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公開：2024-10-05

東急が駒沢大学駅にクラウドSCADAを導入、空調換気設備の遠隔監視と保守業務の効率化を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 東急が駒沢大学駅に空調換気設備の遠隔監視システムを導入
• クラウドSCADAで複数地点からリアルタイム監視が可能に
• 保守業務の効率化とCBMの推進を目指す

東急が駒沢大学駅にクラウドSCADAを導入し保守業務を効率化

東急電鉄は2024年10月3日、田園都市線駒沢大学駅に空調換気設備の遠隔監視が可能な「クラウドSCADA」を導入すると発表した。このシステムは、駅の空調換気設備の状態を複数地点からサーバー上でリアルタイムに確認することを可能にし、異常の速やかな共有と不具合への早期対応を実現する。^[1]

クラウドSCADAの導入により、空調換気設備の運転・停止操作や温度変更操作が遠隔で可能になり、現場に急行せずに一部異常を解消することができるようになった。さらに、消費電力量や故障履歴などのデータをサーバー上に蓄積し、データの見える化を実現することで、故障の未然防止や適切な運転状態維持による省エネ運転の実現も期待されている。

東急電鉄は中期事業戦略で安全で安心な移動の持続的提供を掲げており、鉄道事業の担い手不足に対応する施策の一つとしてこのシステムを導入した。今後、ホーム上に大規模な空調換気設備を設置している他の地下駅8駅にも導入を進めていく予定であり、蓄積されたデータを基に空調換気設備のCBMに向けた分析を開始し、さらなる異常の早期発見や故障リスク低減を目指している。

クラウドSCADAの概要と導入計画

CBMについて

CBMとは、Condition Based Maintenanceの略称で、状態基準保全と訳される。設備機器の運転データや保全記録データを活用し、分析することにより、従来の定期保全に対して、交換周期や交換箇所の見直しを図る保全手法のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 設備の実際の状態に基づいて保全を行うため、無駄な部品交換を削減
• データ分析により故障の予兆を検知し、予防保全が可能
• 設備の稼働率向上と保全コストの最適化を実現

東急電鉄が導入するクラウドSCADAシステムは、空調換気設備の運転データや故障履歴をリアルタイムで収集し、サーバー上に蓄積する。このデータを分析することで、CBMの実現に向けた取り組みを進めることができる。具体的には、異常の早期発見や故障リスクの低減、適切な保守計画の立案などが可能となり、鉄道事業の安全性と効率性の向上に貢献することが期待されている。

クラウドSCADAの導入に関する考察

東急電鉄がクラウドSCADAを導入したことは、鉄道事業における保守業務の効率化と高度化という点で非常に意義深いと言えるだろう。リアルタイムでの設備状態監視や遠隔操作が可能になることで、不具合への対応時間が大幅に短縮され、利用者の快適性向上にもつながる。また、データの蓄積と分析によるCBMの推進は、予防保全の実現と保守コストの最適化に寄与する可能性が高い。

一方で、クラウドベースのシステム導入に伴うセキュリティリスクの増大が懸念される。重要インフラである鉄道設備の制御システムがサイバー攻撃の標的となる可能性があるため、強固なセキュリティ対策の実施が不可欠だ。また、システムの導入に伴う従業員の教育や、従来の保守業務との整合性の確保も課題となるだろう。

今後は、AIや機械学習技術を活用した異常検知の精度向上や、他の鉄道事業者とのデータ共有による業界全体での保守業務の高度化が期待される。さらに、クラウドSCADAで収集されたデータを活用し、エネルギー消費の最適化や環境負荷の低減など、サステナビリティへの貢献も視野に入れた展開が望まれる。東急電鉄には、この先進的な取り組みを通じて、安全で持続可能な公共交通の実現に向けたリーダーシップを発揮してほしい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「大手民鉄初　駅の空調換気設備を複数地点から閲覧可能なクラウド型遠隔監視システム「クラウドＳＣＡＤＡ」を導入 | 東急株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001019.000010686.html, (参照 24-10-05).

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