ANRIがAMEDの創薬ベンチャー支援認定VCに採択、医薬品実用化開発の加速に期待

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

ANRIがAMEDの認定VCに採択
創薬ベンチャー支援の強化を目指す
非臨床・臨床試験の迅速な進捗を目標

ANRIがAMEDの創薬ベンチャー支援認定VCに採択

独立系ベンチャーキャピタルANRIは、日本医療研究開発機構（AMED）が実施する令和6年度「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」において、創薬ベンチャーの支援に適した認定ベンチャーキャピタル（以下「認定VC」）に採択された。ANRIはAMEDと認定契約書を締結し、認定VCとして活動を開始する。^[1]

この採択により、ANRIは投資先創薬スタートアップと共に創薬ベンチャーエコシステム強化事業の採択を目指し、そこで得た資金を活用して非臨床・臨床試験の迅速な進捗を図る。本事業は、認定VCが補助対象経費の１/３以上を出資することを要件として、創薬ベンチャーが行う医薬品の実用化開発にAMEDが補助金を交付する仕組みとなっている。

ANRIは2012年のANRI1号ファンド設立以来、一貫して創業初期（シード期）に特化したスタートアップへの投資を実行してきた。現在5つのフラッグシップファンドと脱炭素に特化したANRI GREENファンドを運営し、投資社数280社以上、累計約780億円を運用している。インターネット領域やディープテック、ライフサイエンスなど幅広い分野での支援を行っている。

ANRIの創薬ベンチャー支援の概要

項目	詳細
認定事業名	創薬ベンチャーエコシステム強化事業
認定機関	日本医療研究開発機構（AMED）
認定年度	令和6年度
ANRIの役割	認定ベンチャーキャピタル（認定VC）
支援対象	創薬ベンチャー
支援内容	非臨床・臨床試験の資金支援
ANRIの出資要件	補助対象経費の1/3以上

AMEDについて

AMEDとは、「Japan Agency for Medical Research and Development」の略称で、日本の医療研究開発を統合的に推進するために設立された国立研究開発法人である。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

医療分野の研究開発およびその環境整備の中核的役割を担う
創薬スタートアップへの大規模な開発資金供給を目指す
非臨床・臨床試験の支援を通じて医薬品の実用化を促進

AMEDは創薬ベンチャーエコシステム強化事業を通じて、創薬スタートアップの資金不足問題の解消を図っている。この事業では、認定VCの出資を条件に、AMEDが創薬ベンチャーに補助金を交付することで、医薬品の実用化開発を加速させる仕組みを構築している。ANRIの認定VCとしての採択は、この仕組みの中で重要な役割を果たすことが期待される。

創薬ベンチャーエコシステム強化事業に関する考察

創薬ベンチャーエコシステム強化事業は、日本の医療イノベーション促進において重要な役割を果たす可能性が高い。特に、認定VCを介した資金提供の仕組みは、創薬ベンチャーの資金調達難という課題に対する効果的なソリューションとなり得る。一方で、この仕組みが成功するためには、認定VCの目利き力と支援能力が鍵を握ることになるだろう。

今後の課題として、認定VCと創薬ベンチャー間のマッチングの質が挙げられる。適切なマッチングが行われないと、せっかくの資金が効果的に活用されない可能性がある。この問題に対しては、AMEDが認定VCと創薬ベンチャーの双方に対して、より詳細な情報提供や交流の場を設けるなどの施策を講じることが解決策として考えられる。

将来的には、この事業を通じて育成された創薬ベンチャーが日本発のブロックバスター薬を生み出すことが期待される。そのためには、非臨床・臨床試験の支援にとどまらず、薬事承認や市場展開までを見据えた包括的な支援体制の構築が重要だ。AMEDには、国内外の製薬企業や規制当局との連携強化など、エコシステムのさらなる拡充を期待したい。