JOGMECとWoodsideがメタン排出削減で覚書締結、LNGバリューチェーンの低炭素化に向けた取り組みが加速

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

JOGMECとWoodsideがメタン排出課題解決の覚書締結
LNGバリューチェーンの低炭素化に寄与
メタン管理技術の紹介と意見交換を推進

JOGMECとWoodsideのメタン排出削減に向けた覚書締結

JOGMECと豪州Woodside Energy Ltd.は、2024年10月6日にメタン排出による課題に取り組むための覚書（MOU）締結を発表した。この覚書は、豪州におけるLNG生産者であるWoodsideとの関係を強化するとともに、豪州から日本へのLNGバリューチェーンの低炭素化に寄与するものとなる。^[1]

メタンはGHGのなかでも天然ガスを原料とする各種製品の製造過程で排出される代表的なものの一つで、CO2の28倍程度の温室効果を有している。その排出削減は世界的な課題となっており、現在欧米を中心に排出削減に関する取り組みが加速しているのだ。

JOGMECは、特にLNGバリューチェーンの低炭素化に着目し、メタン排出管理と排出削減取り組み状況に係る情報を収集し、ベストプラクティスと共に公開する取り組みである「ネットゼロに向けたLNGからのメタン排出削減のための連携（CLEAN）」を進めている。今次締結した覚書のもと、JOGMECとWoodsideはメタン管理に関する本邦企業技術等の紹介や意見交換を通してメタン管理ニーズとシーズのマッチングを図ることを推進していく。

JOGMECとWoodsideの覚書締結の詳細

項目	詳細
締結日	2024年10月6日
締結者	JOGMEC、Woodside Energy Ltd.
目的	メタン排出課題への取り組み
期待される効果	LNGバリューチェーンの低炭素化
取り組み内容	メタン管理技術の紹介、意見交換
関連イニシアチブ	CLEAN（Coalition for LNG Emission Abatement toward Net-zero）

メタンについて

メタンとは、温室効果ガス（GHG）の一種で、天然ガスを原料とする各種製品の製造過程で排出される代表的な物質のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

CO2の28倍程度の温室効果を持つ
天然ガス製品製造過程で発生する
世界的に排出削減が課題となっている

JOGMECとWoodsideが締結した覚書は、このメタン排出削減に焦点を当てている。LNGバリューチェーンの低炭素化を目指し、メタン排出管理と削減取り組みに関する情報収集や、ベストプラクティスの公開を通じて、環境負荷の低減と持続可能なエネルギー供給の実現を目指している。

JOGMECとWoodsideの覚書締結に関する考察

JOGMECとWoodsideの覚書締結は、LNG産業におけるメタン排出削減という喫緊の課題に対する重要な一歩だといえる。特に、日本のLNG輸入元である豪州の主要生産者と連携することで、サプライチェーン全体での排出削減に向けた取り組みが加速することが期待される。しかし、技術的な課題や導入コストの問題など、実際の削減に向けてはまだ多くの障壁が存在するだろう。

今後、メタン排出削減技術の実用化や、排出量の正確な測定・報告システムの構築が重要な課題となるだろう。これらの課題に対しては、両者の知見を活かした共同研究開発や、他のLNG生産国・消費国との連携強化が有効な解決策となり得る。また、メタン排出削減の取り組みを評価・認証する国際的な枠組みの構築も、今後期待される重要な展開の一つだ。

さらに、この覚書を契機に、LNG産業全体でのメタン排出削減に向けた機運が高まることが期待される。JOGMECには、CLEANイニシアチブを通じて収集した情報やベストプラクティスを広く共有し、業界全体の取り組みを牽引する役割が求められる。今回の覚書締結を起点に、LNG産業の脱炭素化がより一層加速することを期待したい。