JX石油開発がCO₂鉱物化技術開発で米国ワイオミング大学とJCOALと提携、カーボンニュートラル実現に向け前進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

JX石油開発がCO₂鉱物化に関する覚書を締結
ワイオミング大学とJCOALとの三者間協力を開始
カーボンニュートラル実現に向けた技術開発を加速

JX石油開発のCO₂鉱物化技術開発に向けた新たな取り組み

JX石油開発株式会社は、2024年10月14日に米国ワイオミング大学および一般財団法人カーボンフロンティア機構（JCOAL）とCO₂鉱物化に関する包括的な覚書を締結した。この覚書は、CO₂をより安全かつ安定した状態で地下に貯留するための有望な手段の一つとされるCO₂鉱物化技術の開発を目指すものだ。^[1]

JX石油開発は、従来の石油・天然ガス開発事業に加え、CCS/CCUSを中心とした環境対応型事業の育成・促進を目指す二軸経営を推進している。CO₂鉱物化は、CO₂と水と岩石との化学反応を利用して、CO₂をより安全かつ安定した状態で地下に貯留する技術として注目を集めている。

ワイオミング大学はCO₂鉱物化研究の最先端を行く機関の一つであり、米国エネルギー省から支援を受けて現場実証試験を予定している。JCOALはカーボンニュートラルに向けた技術開発や事業の推進をミッションとしており、JX石油開発とは幅広く意見交換を行ってきた経緯がある。

CO₂鉱物化技術開発の三者協力体制の概要

	JX石油開発	ワイオミング大学	JCOAL
主な役割	プロジェクト推進	技術研究開発	技術・事業支援
強み	石油・ガス開発経験	CO₂鉱物化研究実績	カーボンニュートラル知見
目標	環境対応型事業育成	現場実証試験実施	技術開発推進

CCSについて

CCSとは「Carbon dioxide Capture and Storage」の略称で、CO₂を回収し地下に圧入・貯留する技術を指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

大規模排出源からのCO₂削減に効果的
地下の安定した地層にCO₂を長期貯留
既存の化石燃料利用と両立可能な脱炭素技術

JX石油開発が取り組むCO₂鉱物化は、CCSの一形態として位置づけられる。CO₂を岩石と反応させて鉱物として固定化することで、より安全かつ安定した貯留を実現する。この技術は、従来のCCSと比較して漏洩リスクが低く、長期的な貯留の確実性が高いという利点がある。

CO₂鉱物化技術開発に関する考察

JX石油開発のCO₂鉱物化技術開発への取り組みは、カーボンニュートラル実現に向けた具体的な一歩として評価できる。石油・天然ガス開発で培った地下層の知見と、ワイオミング大学の最先端研究、JCOALの幅広い技術・事業ネットワークを組み合わせることで、実用化に向けた研究開発が加速することが期待される。

しかし、CO₂鉱物化技術の実用化には、コスト面や大規模適用の課題が残されている。鉱物化反応の速度向上や、適切な地層の選定、長期的な安全性の確保など、技術的な課題の解決が不可欠だ。これらの課題に対しては、実証試験を通じたデータ蓄積と、継続的な技術改良が求められるだろう。

今後は、CO₂鉱物化技術の実用化に加えて、CCUSの観点からCO₂の有効利用法の開発も期待される。例えば、鉱物化したCO₂を建設資材として活用するなど、新たな価値創造につながる技術開発が望まれる。JX石油開発には、環境対応型事業の中核として、CO₂鉱物化技術の確立と普及を通じた持続可能な社会への貢献が期待されている。

参考サイト

^ PR TIMES. 「【JX石油開発】米国ワイオミング大学および一般財団法人カーボンフロンティア機構とのCO₂鉱物化に関する覚書の締結について | JX石油開発株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000126739.html, (参照 24-10-18).

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