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公開：2024-10-23

DNPがみどころキューブMR型の実証実験を開始、文化財のデジタルアーカイブ活用と教育支援に新たな可能性

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• DNPがMR型鑑賞システム「みどころキューブ」を開発
• HMDを活用した没入感のある文化財鑑賞を実現
• 北秋田市で2024年10月から実証実験を開始

DNPのみどころキューブMR型による文化財デジタル体験の革新

大日本印刷は文化財のデジタルアーカイブ活用を促進するため、HMDを利用したMR鑑賞システム「みどころキューブMR型」を2024年10月22日より北秋田市で実証実験を開始した。この実験では伊勢堂岱縄文館と市内中学校の課外授業において、没入感のある文化財鑑賞と複数人での同時体験が可能なシステムの実用性を検証している。^[1]

みどころキューブMR型は従来のPCやタブレット端末での閲覧に加え、HMDを通じて仮想空間のキューブの中に入り込むような体験を提供することで、文化財やアート作品への理解を深める新しい鑑賞方法を実現した。直感的な操作性と複数人での同時鑑賞機能により、探究的な学習をサポートする教育ツールとしても期待が高まっている。

この実証実験は2023年4月に施行された博物館法の改正を受けて実施されており、デジタルアーカイブの作成と公開が博物館の重要な事業として位置付けられたことへの対応策として注目を集めている。DNPは2024年度中の本格サービス開始を目指し、運用課題の検証と機能改善を進めていく方針だ。

みどころキューブMR型の主な機能まとめ

みどころキューブの詳細はこちら

MRについて

MRとはMixed Realityの略称で、現実空間にデジタル情報を重ね合わせて表示する技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 現実世界とデジタルコンテンツの融合が可能
• HMDを通じて高い没入感を実現
• リアルタイムでのインタラクションに対応

文化財分野におけるMRの活用は、従来の展示方法に新たな可能性をもたらしている。北秋田市の伊勢堂岱縄文館での実証実験では、HMDを通じて文化財の新しい見方を提供し、より深い理解と学習効果を促進することが期待されている。

みどころキューブMR型に関する考察

みどころキューブMR型の優れた点は、文化財のデジタルアーカイブを単なるデータの保存にとどめず、体験型の学習ツールとして活用できる点にある。HMDを使用した没入感のある体験は、特に若い世代の興味を引き、文化財への理解を深める効果的な手段となるだろう。

一方で、HMDの台数や維持管理コスト、コンテンツの制作負担など、実用化に向けては解決すべき課題も存在する。これらの課題に対しては、クラウドベースのコンテンツ管理システムの導入や、他の文化施設との連携によるコンテンツの共有化などが有効な解決策として考えられるだろう。

今後は教育現場での活用を見据え、学習指導要領に沿ったコンテンツの開発や、教員向けの利用サポート体制の整備が期待される。文化財のデジタルアーカイブ化が進む中、みどころキューブMR型は博物館のDX推進における重要なツールとなる可能性を秘めている。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「DNPの鑑賞システム「みどころキューブMR型」の実証実験を北秋田市で開始 | 大日本印刷株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000708.000069194.html, (参照 24-10-23).

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