SUN METALONとコマツが鉄系研磨スラッジの新リサイクルプロセスを共同研究、金属資源の再生利用と環境負荷低減に期待

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

SUN METALONとコマツが鉄系研磨スラッジのリサイクル共同研究開始
高純度金属資源への再生と低コストで安全な手法を確立
実験機をコマツ工場に設置し実用性を検証

鉄系研磨スラッジのリサイクルプロセス共同研究

SUN METALONとコマツは、金属加工時に発生する鉄系研磨スラッジを高純度の金属資源として再生する新リサイクルプロセスの共同研究を2024年10月23日に開始した。SUN METALONが特許を持つ独自の金属加熱技術によって、金属廃棄物から油や水などの不純物を効率的に除去することが可能になっている。^[1]

コマツは建設機械の足回り装置で使用されるシールリングの製造過程で研磨スラッジを大量に排出しており、従来は再利用が困難であった。研磨スラッジの効率的な再資源化によって、金属資源や油分等の再利用が可能になり、資源のロスと処理費用の大幅な削減が期待できるだろう。

両社はすでに熱処理プロセスを介した研磨スラッジからの不純物除去技術の基礎評価を完了させている。今後は実証実験と実用性の検証を進めながら、他用途での活用や社会実装に向けた検討を行い、金属加工における脱炭素化の推進に寄与していくことになるだろう。

研磨スラッジリサイクルの詳細

項目	詳細
対象物	高クロム鋳鉄製シールリング製造時の研磨スラッジ
現状の課題	工場内でのハンドリングの難しさ、溶解時の安全性
年間発生量	150トン
期待される効果	資源の再利用、処理費用の削減
実施内容	SUN METALON製実験機による実証実験と実用性検証

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シールリングについて

シールリングとは、建設機械の足回り装置において重要な役割を果たす精密加工を要する鋳造部品のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

内部の潤滑油の漏れを防止する機能
外部からの土砂などの異物侵入を防止
高クロム鋳鉄製で高い耐摩耗性を実現

コマツではシールリングを自社工場で製造しているが、製造過程で発生する研磨スラッジには微細な金属粒子と大量の油水が混ざり合っている。研磨スラッジは有用な金属成分を含有しているにもかかわらず、工場内での取り扱いや溶解時の安全性に課題があり、社内での再利用が困難な状況が続いていた。

鉄系研磨スラッジのリサイクルプロセスに関する考察

SUN METALONの金属加熱技術は、従来再利用が困難だった研磨スラッジから高純度の金属資源を取り出すことを可能にする画期的な技術として評価できる。この技術が実用化されれば、年間150トンもの研磨スラッジが有効活用され、資源の循環利用が促進されることになるだろう。

今後の課題として、研磨スラッジの種類や含有成分の違いによって処理効率が変動する可能性や、大規模処理施設の設置コストの問題が考えられる。これらの課題に対しては、AIを活用した処理条件の最適化や、モジュール化による段階的な設備投資などの解決策が有効かもしれない。

研磨スラッジのリサイクル技術は、金属加工業界全体の環境負荷低減に大きく貢献する可能性を秘めている。今後は処理技術の更なる高度化や、他業種への展開、さらには国際標準化などを通じて、循環型社会の実現に向けた取り組みが加速することが期待される。

参考サイト

^ PR TIMES. 「SUN METALONとコマツ、鉄系研磨スラッジの新リサイクルプロセスに関する共同研究を開始 | 株式会社SUN METALONのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000107174.html, (参照 24-10-24).

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