公開:

日立とオラクルが業務データ活用型の生成AIエージェントを開発、Oracle Database 23aiとOCIでRAG機能を実現

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

日立とオラクルが業務データ活用型の生成AIエージェントを開発、Oracle Database 23aiとOCIでRAG機能を実現

PR TIMES より


記事の要約

  • 日立とオラクルが生成AIの協創プロジェクトを実施
  • Oracle Database 23aiとOCIを活用したAIエージェントを実装
  • 複雑な質問に対して82%の高い回答精度を実現

日立とオラクルによる生成AIエージェントの共同開発

株式会社日立製作所は日本オラクル株式会社と共同で、Oracle DatabaseとOracle Cloud Infrastructureを活用した生成AIの協創プロジェクトを2024年10月30日に発表した。若手のデータサイエンティストとクラウドソリューションエンジニアを中心に3か月間でプロジェクトを完遂し、企業内の業務データを基に回答する生成AIエージェントの実装に成功している。[1]

本プロジェクトでは、Oracle Database 23aiに追加された生成AI用のベクトル検索機能を活用し、非構造データのベクトル検索だけでなく、構造データに対してもSQL検索が可能な生成AIエージェントを実現した。ユーザーからの問い合わせに対してエージェントAIが最適な検索方法を自動選択することで、情報入手の効率化が図られている。

全国の工場や店舗を持つ家電企業の在庫管理を対象としたユースケース検証では、Oracle DatabaseとOCIでのRAG構成による生成AIエージェントが82%の回答精度を達成した。従来のRAGでは実現できなかった複雑な問い合わせにも対応可能となり、業務効率の大幅な向上が期待されている。

生成AIエージェントの機能まとめ

項目 詳細
対応データ形式 非構造データ(テキスト)、構造データ(表形式)
主要技術 RAG、ベクトル検索、SQL検索
開発期間 3か月
回答精度 82%
検証環境 家電企業の在庫管理システム

RAGについて

RAGはRetrieval-Augmented Generationの略称で、大規模言語モデルに外部情報の検索機能を組み合わせることで回答精度を向上させる技術である。以下のような特徴を持っている。

  • 外部データソースからの情報検索が可能
  • LLMの回答精度を大幅に向上
  • 最新情報や専門知識の活用に効果的

本プロジェクトではRAGアーキテクチャにSQL検索機能を追加することで、従来のベクトル検索だけでは対応できなかった構造データの活用を実現している。Oracle Database 23aiの新機能と組み合わせることで、より高度な業務データの検索と回答生成が可能になった。

生成AIエージェントに関する考察

日立とオラクルの協創プロジェクトによって実現された生成AIエージェントは、企業の業務効率化に大きな可能性を秘めている。特に従来のRAGでは難しかった構造データと非構造データの統合的な活用が実現され、より正確で包括的な情報提供が可能になった。今後は異なる業種や規模の企業での実証実験を重ねることで、さらなる精度向上が期待される。

一方で、生成AIエージェントの導入には、データセキュリティやプライバシー保護などの課題が存在する。企業の機密情報や個人情報を扱う場合のガイドラインの整備や、アクセス権限の適切な設定が不可欠だ。また、AIの判断根拠の透明性確保や、誤った情報の生成防止に向けた取り組みも重要になるだろう。

将来的には、業務データの分析や予測機能の強化、さらには他社システムとの連携による機能拡張が望まれる。生成AIエージェントが単なる情報検索ツールから、企業の意思決定支援システムへと進化することで、より高度なビジネス支援が実現できるはずだ。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「日立、日本オラクルと生成AIを活用した協創プロジェクトを実施 | 株式会社 日立製作所のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000399.000067590.html, (参照 24-11-01).
  2. Oracle. https://www.oracle.com/jp/

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

「AI」に関するコラム一覧「AI」に関するニュース一覧
ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。