コスモ石油がパラキシレン事業から撤退、HD Hyundai Oilbankに全株式を譲渡し事業構造の最適化へ
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記事の要約
- コスモ石油がHCPの全株式をHDOに譲渡
- パラキシレン事業からの撤退を決定
- HDOと将来の協業に関する覚書を締結
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コスモ石油のパラキシレン事業撤退と株式譲渡
コスモエネルギーホールディングスは、子会社コスモ石油が保有するHD Hyundai Cosmo Petrochemical Co., Ltd.の全株式をHD Hyundai Oilbank Co., Ltd.に2024年11月1日付で譲渡したことを発表した。パラキシレン市況の低迷が続く中、両社で協議を重ねた結果、株式譲渡が最適との判断に至ったのだ。[1]
HCPは2009年にHDOとの合弁会社として設立され、パラキシレン事業において堅実な収益を上げてきた実績がある。しかし中国におけるパラキシレン製造装置の新設・増強や経済の景気減速により、収益環境が著しく悪化している状況が続いている。
今後コスモ石油は、石化原料向けの販売を継続しながらガソリン生産への活用も視野に入れた柔軟な製油所運営を展開する方針を打ち出した。HDOとは将来の協業に関する覚書を締結し、石油・石油化学事業以外の新規事業でも連携を強化していく予定だ。
パラキシレン事業撤退の概要まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
譲渡企業 | コスモ石油株式会社 |
譲渡先企業 | HD Hyundai Oilbank Co., Ltd. |
譲渡対象 | HD Hyundai Cosmo Petrochemical Co., Ltd.の全株式 |
譲渡日 | 2024年11月1日 |
今後の方針 | 石化原料販売継続とガソリン生産活用の両立 |
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パラキシレンについて
パラキシレンとは、石油化学工業において重要な基礎化学品の一つで、主にポリエステル繊維や樹脂の原料として使用される物質である。以下のような特徴を持つ化学物質だ。
- ポリエステル製品の主原料として不可欠
- 石油精製過程で生成される混合キシレンから抽出
- 中国が世界最大の需要国
パラキシレン市場は中国の製造能力拡大により供給過剰な状態が続いており、市況の低迷が長期化している。このような状況下で、多くの化学メーカーが事業戦略の見直しを迫られており、コスモ石油の今回の決定もその一環として位置付けられる。
パラキシレン事業撤退に関する考察
コスモ石油のパラキシレン事業からの撤退は、中国の製造能力拡大による構造的な市況悪化への戦略的な対応として評価できる。事業環境の変化に応じて、経営資源を効率的に配分し直す判断は、企業の持続可能性を高める上で重要な決定となるだろう。
一方で、パラキシレンはポリエステル製品の原料として依然として重要な化学品であり、需要そのものが減少しているわけではないという点に注目する必要がある。今後は石化原料の販売とガソリン生産の最適なバランスを取りながら、製油所の競争力強化を図ることが求められるだろう。
HDOとの協業関係の維持・強化は、将来的な事業機会の創出という観点で重要な意味を持つ。石油・石油化学事業以外の新規事業における協力関係の構築は、両社のシナジー効果を最大限に引き出す可能性を秘めている。
参考サイト
- ^ PR TIMES. 「韓国におけるパラキシレン合弁事業の解消及び株式譲渡に関するお知らせ | コスモエネルギーホールディングス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000170.000098598.html, (参照 24-11-02).
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