フィジオロガス・テクノロジーズが在宅血液透析装置の開発で相模原市の研究開発補助金を獲得、医療イノベーションの実現へ前進

text: XEXEQ編集部
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PR TIMES より

記事の要約

フィジオロガス・テクノロジーズ株式会社は相模原市中小企業研究開発補助金に採択され、在宅専用の血液透析装置の研究開発を促進することを2024年11月6日に発表した。北里大学発のスタートアップとして設立された同社は、末期腎不全患者向けに小型で安全な在宅血液透析装置の開発を進めている。^[1]

現在の日本における血液透析治療は34万人の患者が週3回、1回4時間の通院を必要とする大きな負担を強いられている状況にある。在宅血液透析は通院不要で頻回治療が可能であり、患者のQOL向上と生命予後の改善が期待できるが、現状では適切な装置がないため普及が進んでいない。

同社は北里大学の小久保謙一准教授の研究成果を基に、尿毒素吸着除去による透析液再循環システムを実用化し、小型で安全な在宅専用血液透析装置を開発している。頻回透析による高い生命予後と患者QOLの向上に加え、社会復帰や就業促進による経済的効果も期待されている。

血液透析とは、腎臓の機能が低下した患者の血液を体外に取り出し、老廃物を除去して体内に戻す治療法のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

日本では34万人の末期腎不全患者が血液透析治療を受けているが、在宅血液透析の患者数は800名程度にとどまっている。既存の装置は大型で給排水配管が必要であり、水質管理や警報対応など複雑な操作が必要なため、在宅での導入が困難な状況となっている。

フィジオロガス・テクノロジーズの在宅血液透析装置開発は、医療の地域格差解消と患者のQOL向上に大きく貢献する可能性を秘めている。尿毒素吸着除去による透析液再循環システムの実用化は、既存の大型装置に依存しない新たな治療選択肢を提供することになるだろう。

一方で、在宅での医療機器使用には安全性の確保や緊急時の対応体制の整備が不可欠となる。医療機関との連携システムの構築や、患者・家族への適切な教育プログラムの開発が、普及における重要な課題となることが予想される。

今後は補助金を活用した研究開発の加速により、より使いやすく安全性の高い装置の実現が期待される。特に遠隔モニタリングシステムの導入や、AIを活用した異常検知機能の実装など、テクノロジーを活用した安全性向上への取り組みが重要になるだろう。

^ PR TIMES. 「在宅血液透析のフィジオロガス・テクノロジーズ、相模原市中小企業研究開発補助金に採択 | フィジオロガス・テクノロジーズ株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000081835.html, (参照 24-11-07).

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