【CVE-2024-50272】Linuxカーネルのfilemap_read()で無限ループの脆弱性、複数バージョンで修正パッチを公開
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記事の要約
- Linuxカーネルのfilemap_read()で無限ループの脆弱性を修正
- iocbのki_pos値とイテレータカウントで上限を超える問題
- Linux 4.9以降の複数バージョンで影響を確認
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LinuxカーネルのCVE-2024-50272脆弱性の修正
カーネル開発チームは、LinuxカーネルのFilemapシステムにおける重大な脆弱性【CVE-2024-50272】の修正を2024年11月19日に公開した。この脆弱性はfilemap_read()関数において、iocbのki_pos値がファイルシステムの上限に近い場合にイテレータのカウントが上限を超えることで無限ループが発生する問題である。[1]
当該の脆弱性は、ループバックNFSマウントでのlocalio最適化におけるxfstestsの generic/525テスト実行中に発見された。影響を受けるのはLinux 4.9以降の複数のバージョンであり、特にc2a9737f45e2から各修正コミットまでのバージョンで脆弱性が存在している。
この問題に対して、各バージョン向けに修正パッチが提供されており、6.1.117以降の6.1系、6.6.61以降の6.6系、6.11.8以降の6.11系、および6.12以降では既に修正が適用されている。セキュリティ上の観点から、影響を受けるバージョンを使用しているユーザーは速やかに更新を行うことが推奨される。
Linuxカーネルの影響バージョン詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
影響バージョン | Linux 4.9以降 |
影響範囲 | c2a9737f45e2から各修正コミットまで |
修正済バージョン | 6.1.117以降、6.6.61以降、6.11.8以降、6.12以降 |
発見契機 | xfstests generic/525のテスト実行時 |
修正コミット | 26530b757c81、a2746ab3bbc9、6450e73f4c86、ace149e0830c |
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無限ループについて
無限ループとは、プログラムの実行フローにおいて特定の処理が終了条件を満たさず永続的に繰り返される状態のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- プログラムが正常に終了できない状態に陥る
- システムリソースを過剰に消費する可能性がある
- アプリケーションの応答不能やクラッシュを引き起こす
filemap_read()の脆弱性では、ファイルシステムの上限値に近いiocbのki_pos値と、その上限を超えるイテレータのカウントが組み合わさることで無限ループが発生している。このような状況はシステムの安定性に重大な影響を及ぼすため、早急な対応が求められる状態である。
Linuxカーネルのファイルシステム脆弱性に関する考察
今回の脆弱性修正により、Linuxカーネルのファイルシステム処理における境界値チェックの重要性が改めて浮き彫りとなった。特にNFSマウントなどの特殊なファイルシステム操作においては、通常のローカルファイルシステムとは異なる挙動が発生する可能性があり、より慎重なバリデーションが必要となるだろう。
将来的には、ファイルシステムの上限値に関する処理において、より包括的な検証メカニズムの導入が期待される。特にループバックマウントやNFS最適化などの特殊なケースにおいても、安定した動作を保証するための仕組みが必要となってくるはずだ。
ファイルシステムの高度化に伴い、今後も同様の境界値に関する問題が発生する可能性は否定できない。カーネル開発コミュニティには、テストケースの拡充やコードレビューの強化など、より一層のセキュリティ対策の充実が求められている。
参考サイト
- ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-50272, (参照 24-11-29).
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