スギノマシンがITER核融合実験炉の遠隔保守ツール開発に参画、90年の技術力を核融合発電の実現に活用
PR TIMES より
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記事の要約
- スギノマシンがITERの遠隔保守ツール開発に協力
- 2024年11月4日にITER機構を訪問し意見交換を実施
- 配管切断や拡管技術を核融合炉の保守に応用
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核融合実験炉ITERの遠隔保守技術開発
株式会社スギノマシンは国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構を通じ、フランスのサン・ポール・レ・デュランスに建設中の国際熱核融合実験炉ITERプロジェクトへの参画を2024年11月29日に発表した。スギノマシンが培ってきた配管切断や拡管、耐放射線性遠隔装置などの技術を応用し、ITERの遠隔保守技術や遠隔保守ツールの開発に協力することになったのだ。[1]
ITERプロジェクトは日本、EU、米国、中国、韓国、インド、ロシアの世界7極が参加する核融合開発の国際的プロジェクトとして位置づけられており、日本はITERの運転保守に必要な遠隔保守機器の開発を担当することになった。スギノマシンの90年近い社歴で培った熱交換器やボイラーなどの製造・メンテナンス技術が活用されることになるだろう。
2024年11月4日にはスギノマシンの代表取締役副社長杉野岳をはじめとする4名がITER機構を訪問し、ITER機構の鎌田裕副機構長と今後のITERプロジェクトについて意見交換を実施した。建設中のITERの施設見学も行われ、保守対象である炉壁や核融合炉の確認が行われている。
ITERプロジェクトの概要と特徴
項目 | 詳細 |
---|---|
プロジェクト名称 | 国際熱核融合実験炉ITERプロジェクト |
参加国 | 日本、EU、米国、中国、韓国、インド、ロシア |
建設地 | フランス サン・ポール・レ・デュランス |
日本の担当領域 | 運転保守に必要な遠隔保守機器 |
スギノマシンの貢献 | 遠隔保守技術や遠隔保守ツールの開発 |
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遠隔保守技術について
遠隔保守技術とは、人が直接アクセスできない環境下で機器のメンテナンスや修理を行うための技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 放射線環境下での作業が可能
- 高精度な制御による安全な保守作業の実現
- 自動化による作業効率の向上
核融合炉のような高放射線環境では、人による直接的な保守作業が困難であるため遠隔保守技術が不可欠となっている。スギノマシンが開発する遠隔保守ツールは、核融合炉の内側に取り付けられている炉壁の交換や冷却配管の切断、接続作業などを安全かつ効率的に行うことを可能にするものだ。
ITERプロジェクトの遠隔保守技術開発に関する考察
遠隔保守技術の開発において、スギノマシンの90年に及ぶ配管技術と耐放射線性遠隔装置の知見は極めて重要な役割を果たすことが期待される。特に核融合炉の保守においては高い精度と信頼性が要求されるため、同社の熱交換器やボイラーのメンテナンス技術が大きく貢献する可能性が高いだろう。
今後の課題として、核融合炉特有の高温・高圧環境下での遠隔操作技術の確立が挙げられる。遠隔保守ツールには耐久性と操作性の両立が求められており、従来の産業用途とは異なる技術的なブレークスルーが必要になってくるはずだ。
ITERプロジェクトの成功は、将来的な核融合発電の実用化に向けた重要なステップとなる。2030年代の核融合発電実証に向けて、遠隔保守技術のさらなる発展と信頼性の向上が期待されるところだ。
参考サイト
- ^ PR TIMES. 「「地上に太陽を」国際熱核融合実験炉ITER 遠隔保守ツールの開発に協力 | 株式会社スギノマシンのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000123.000070070.html, (参照 24-11-30).
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