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公開：2024-11-30

Space BDが低軌道汎用実験システム技術の開発機関に採択、2030年以降の宇宙実験市場開拓へ前進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Space BDがJAXA宇宙戦略基金事業に採択
• 低軌道汎用実験システム技術の開発機関に選定
• 2030年以降の宇宙実験市場の開拓を目指す

Space BDの低軌道汎用実験システム技術開発への取り組み

Space BD株式会社は国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構が実施する令和6年度宇宙戦略基金事業において、低軌道汎用実験システム技術の開発実施機関として2024年11月29日に採択された。宇宙戦略基金におけるライフサイエンス系分野において唯一の開発案件となる低軌道汎用実験システム技術は、2030年以降のポストISS時代に向けた新たな実験装置の開発を目指している。^[1]

Space BDは2021年にJAXAから高品質タンパク質結晶生成実験事業の民間パートナーとして選定されて以降、宇宙実験サービスの実績を積み重ねてきた。アカデミアからの請負数約480サンプルと民間事業での取り扱い約40サンプルという国内有数の実績を持ち、Commercial Low Earth Orbit Destination事業者とのパートナーシップを構築している。

新たに開発される実験装置は、タンパク質結晶生成や細胞研究など多様な実験に対応可能な汎用性の高いシステムを特徴としている。実験プロセスの半自動化および地上操作を可能とすることで宇宙飛行士の作業時間を最小限に抑え、準備期間や実験コストの大幅な低減を実現するだろう。

低軌道汎用実験システム技術の特徴まとめ

微小重力環境について

微小重力環境とは、重力の影響がほとんど無視できる状態のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 地球上では再現困難な無重力に近い状態を実現
• タンパク質結晶の高品質な生成が可能
• 細胞研究における新たな知見の獲得に貢献

微小重力環境を活用した実験は、地上では得られない高品質なタンパク質結晶の生成を可能にするため、創薬研究などの分野で重要な役割を果たしている。国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟における微小重力環境は、新薬開発や生命科学研究の進展に大きく貢献している。

低軌道汎用実験システム技術に関する考察

低軌道汎用実験システム技術の開発は、宇宙実験の効率化とコスト削減という観点から重要な意義を持っている。従来の宇宙実験では宇宙飛行士の作業時間や準備期間が課題となっていたが、新システムの導入により実験プロセスの半自動化と地上からの操作が可能となるため、より多くの研究機関や企業が宇宙実験に参入しやすくなるだろう。

一方で、システムの汎用性を高めることで個別の実験要件への対応が課題となる可能性がある。特にタンパク質結晶生成や細胞研究など、それぞれの分野で求められる実験条件や観察方法が異なるため、システムの柔軟性と安定性のバランスを取ることが重要になってくるだろう。

将来的には、人工知能やロボット技術を活用した完全自動化システムの開発も期待される。地上からのリモート操作と組み合わせることで、より効率的な宇宙実験の実現が可能となり、宇宙産業の発展に大きく貢献するはずだ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「Space BD、JAXA宇宙戦略基金事業「低軌道汎用実験システム技術」の採択が決定 | Space BD株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000118.000050164.html, (参照 24-11-30).

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