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東京ガスが浮体式洋上風力発電事業に参画、ポルトガルのウインドフロート・アトランティックに投資し国内展開を目指す

text: XEXEQ編集部

東京ガスが浮体式洋上風力発電事業に参画、ポルトガルのウインドフロート・アトランティックに投資し国内展開を目指す

PR TIMES より


記事の要約

  • 東京ガスが浮体式洋上風力発電事業に参画
  • ポルトガルの「ウインドフロート・アトランティック」に投資
  • プリンシプル・パワー社の技術を活用し国内展開を目指す

東京ガスの浮体式洋上風力発電事業への参画と今後の展望

東京ガス株式会社は、ポルトガルで稼働中の浮体式洋上風力発電所「ウインドフロート・アトランティック」を運営するウインドプラス社への投資について、売主であるオーシャン・ウインズ社と合意した。この投資により、東京ガスは2020年5月に出資したプリンシプル・パワー社の共同株主であるオーシャン・ウインズ社との共同事業者となり、海外浮体式洋上風力発電事業へ初めて参画することになった。[1]

ウインドフロート・アトランティックは、世界でも数例しかない1万kW級の大型風車を搭載し、商用運転している浮体式洋上風力発電所の一つだ。プリンシプル・パワー社の浮体式基礎システム「ウインドフロート(WindFloat®)技術」を採用しており、構造的な安定性に優れ、最大波高20m、最大瞬間風速38.8m/sという大しけの中でも稼働した実績がある。

東京ガスは、本事業参画を通じて浮体式洋上風力発電の操業経験を蓄積し、特にデジタルや次世代技術を駆使した先進的なO&M手法の習得を目指している。水深の深い海に囲まれた日本において、風況の良好な沖合での浮体式洋上風力発電導入拡大が期待されている中、プロジェクトファイナンスのついた案件での活用実績もあり信頼性の高いプリンシプル・パワー社の浮体式基礎技術を用いて、国内における浮体式洋上風力発電を早期に実現することを目指している。

ウインドフロート・アトランティックの概要

詳細
事業エリア ポルトガル北部 ヴィアナ・ド・カステロ市 大西洋沖20km
発電種別 浮体式洋上風力
発電容量 2.5万kW(0.8万kW×3基)
商業運転開始年月 2020年7月
売電制度 FIT制度

浮体式基礎システムについて

浮体式基礎システムとは、洋上風力発電設備を海底に固定せずに浮かべるための技術のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 深い海域での風力発電を可能にする
  • 海底工事が少なく、環境への影響を抑えられる
  • 陸上で組み立てて曳航できるため、設置コストを削減できる

プリンシプル・パワー社の「ウインドフロート(WindFloat®)技術」は、オイル&ガス分野で実績のあるセミサブ式浮体構造を採用している。この技術は構造的な安定性に加え、動バラスト制御による安定化を実現しており、浮体基礎の動揺による風車の発電量および耐久性への影響を軽減する効果がある。

浮体式洋上風力発電事業に関する考察

浮体式洋上風力発電事業の展開には、技術的な課題や環境への影響評価など、多くの障壁が存在する可能性がある。特に日本の場合、台風や地震などの自然災害に対する耐性や、漁業権との調整など、独自の課題に直面する可能性が高い。これらの課題を克服するためには、産学官の連携や地域との対話が不可欠になるだろう。

今後、浮体式洋上風力発電技術のさらなる進化が期待される。特に、より大型の風車に対応できる浮体構造や、より効率的なO&M(運用・保守)システムの開発が求められるだろう。また、海洋データのリアルタイム解析や、AIを活用した予測保全技術など、デジタル技術の積極的な導入も重要になると考えられる。

東京ガスの本事業参画は、日本のエネルギー政策に大きな影響を与える可能性がある。再生可能エネルギーの導入拡大は、エネルギー安全保障の強化やカーボンニュートラル社会の実現に不可欠だ。浮体式洋上風力発電の実用化が進めば、日本の海洋資源を活用した新たなエネルギー産業の創出にもつながるだろう。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「ポルトガルの浮体式洋上風力発電事業への参画について | 東京ガス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001108.000021766.html, (参照 24-08-08).

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