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公開：2024-07-05

Ladybird Browser Initiativeを発表、独自エンジンでオープンソースブラウザ開発へ

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• Ladybird Browser Initiativeが発表
• オープンソースの独立系ウェブブラウザを開発
• 新エンジンを使用し、複数のOS対応
• 非営利団体として寄付で資金調達
• ユーザーのプライバシー保護を重視

Ladybird Browser Initiativeが新たなオープンソースブラウザ開発を発表

2024年7月1日、Ladybird Browser Initiativeが発表された。これは、完全に独立したオープンソースウェブブラウザLadybirdの開発を推進する非営利団体である。Ladybirdは、他のブラウザからコードを借用せず、ウェブ標準に基づいた全く新しいエンジンを使用している点が特筆される。当初はSerenityOSというホビープロジェクトのHTMLビューアとして始まったが、現在では Linux、macOS、その他のUnix系システムをサポートする完全なクロスプラットフォームブラウザプロジェクトへと発展した。^[1]

Ladybirdの現状について、GitHubの課題やプルリクエストの管理、Hacker Newsへのコメントなど、一部の日常的なブラウジングタスクが既に可能となっている。開発者コミュニティが積極的にバグ修正や機能追加を行っており、ブラウザは日々改善されている。しかし、全ての日常的なウェブタスクに使用できるレベルまでには至っておらず、完成にはまだ時間を要する状況だ。

Ladybird Browser Initiativeの目標は、高速で安定し、ウェブ標準をサポートし、ユーザーのプライバシーを保護するブラウザを開発することである。従来のユーザー収益化モデルとは異なり、オープンウェブを支持する企業や個人からのスポンサーシップと寄付によって完全に資金提供される。非営利団体は企業との取引や寄付以外の収益を追求せず、ソフトウェアとそのソースコードは永久に無料で提供される方針だ。

オープンソースブラウザ開発の新たな挑戦

Ladybird Browser Initiativeの発表は、ウェブブラウザ市場に新たな風を吹き込む可能性を秘めている。従来のブラウザ開発とは一線を画す、完全に独立したエンジンの開発アプローチは技術的に非常に挑戦的だ。この取り組みが成功すれば、ウェブ技術の多様性促進や、独占的な市場構造の変革につながる可能性がある。

非営利団体としての運営モデルも注目に値する。ユーザーの収益化を目的としない資金調達方式は、プライバシー重視のトレンドと合致している。しかし、持続可能な開発を維持するための十分な資金確保が課題となる可能性が高い。長期的な視点で、このモデルがどれだけ成功するかは業界全体から注目されるだろう。

Ladybirdの開発状況を見ると、基本的な機能は実装されているものの、日常的な使用には至っていない。ウェブ標準への準拠や、多様なウェブサイトとの互換性確保など、克服すべき技術的課題は多い。しかし、オープンソースコミュニティの力を活用することで、予想以上の速度で開発が進む可能性もある。今後の進展が期待される。

Ladybird Browser Initiativeに関する考察

Ladybird Browser Initiativeに関して、以下が気になったので少し考察していきたい。

• 1つ目：独立型ブラウザ開発の技術的課題
• 2つ目：非営利モデルの持続可能性

独立型ブラウザの開発には、膨大な技術的課題が存在する。ウェブ標準の全面的な実装、多様なウェブサイトとの互換性確保、セキュリティ機能の実装など、克服すべき障壁は多い。既存の主要ブラウザが長年の開発と多額の投資を経て到達した水準に追いつくことは、非常に困難な挑戦となるだろう。しかし、この取り組みが成功すれば、ブラウザ市場に新たな選択肢を提供し、技術革新を促進する可能性がある。

非営利モデルでの運営は、ユーザープライバシーの保護や中立性の維持において大きな利点がある一方で、持続可能な開発資金の確保が課題となる。スポンサーシップや寄付のみで、継続的な開発と運用に必要な資金を調達できるかは不透明だ。長期的には、コミュニティの支持を維持しつつ、安定的な資金源を確保する戦略が必要となるだろう。この新しいモデルの成功は、オープンソースプロジェクトの未来に大きな示唆を与える可能性がある。

参考サイト

1. ^ Ladybird. 「Announcing the Ladybird Browser Initiative」. https://ladybird.org/announcement.html, (参照 24-07-05).

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