CubecがAIプログラム医療機器開発を加速、国立循環器病研究センター発ベンチャーに認定

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

CubecがAIプログラム医療機器の開発を加速
国立循環器病研究センター発ベンチャー第4号に認定
2027年のサービス提供開始を目標に開発を推進

Cubecが国立循環器病研究センター発ベンチャーに認定

株式会社Cubecは2024年8月26日、国立循環器病研究センター発ベンチャーの第4号に認定されたことを発表した。この認定により、Cubecは国立循環器病研究センターの研究場所や研究機器の貸与、知的財産権の実施許諾などの支援を受けることが可能となる。これにより心不全治療を提案する「AIプログラム医療機器」の開発をさらに加速させる方針だ。^[1]

Cubecが開発を進めているのは、かかりつけ医を支援する「AIを活用した心不全診療支援プログラム医療機器」である。このプログラムは国立循環器病研究センターをリーダーとし、複数の大学や医療機関とCubecの共同研究として進められている。現在はテスト版の開発段階にあり、生成系AI・LLM（大規模言語モデル）開発と機械学習の活用の二つのパイプラインに着手している。

Cubecは2027年のサービス提供開始を目標に、プログラム医療機器としての承認取得を目指している。このサービスを通じてかかりつけ医を支援することで、日本全国のあらゆる地域で最適な心不全診療を受けられる社会の実現を目指している。心不全患者の激増が予想される「心不全パンデミック」に備え、AIを活用した革新的な医療サービスの提供が期待される。

Cubecの「AIプログラム医療機器」開発状況まとめ

	開発内容	目標	協力体制
対象疾患	心不全	全地域での最適診療	国立循環器病研究センター他
開発段階	テスト版開発中	2027年サービス開始	複数大学・医療機関
技術要素	生成系AI・LLM、機械学習	医療機器承認取得	Cubecが開発・実用化担当

Cubecの公式サイトはこちら

LLM（大規模言語モデル）について

LLMとは、Large Language Modelの略称で、大量のテキストデータを学習し、人間の言語を理解・生成できる高度な人工知能モデルのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

膨大なテキストデータから言語パターンを学習
自然な文章生成や質問応答が可能
様々なタスクに適用可能な汎用性の高さ

Cubecの開発するAIプログラム医療機器においても、LLMの技術が活用されている。心不全診療支援において、LLMは医療文献や診療ガイドラインの理解、患者データの解析、適切な治療法の提案など、多岐にわたる役割を果たすことが期待される。この技術により、かかりつけ医の診断・治療能力の向上や、地域間での医療格差の解消に貢献する可能性がある。

AIプログラム医療機器の開発に関する考察

Cubecの取り組みは、AIを活用して心不全診療の質を向上させる点で非常に画期的だ。特に、国立循環器病研究センターや複数の大学・医療機関との連携により、高度な専門知識と臨床データの統合が可能となり、より精度の高いAIシステムの開発が期待できる。また、かかりつけ医を支援することで、専門医不足や地域による医療格差の解消にも貢献する可能性がある。

一方で、AIプログラム医療機器の実用化には、精度や信頼性の確保、医療現場での受容性、個人情報保護などの課題も存在する。特に、AIの判断基準の透明性や説明可能性の確保は重要だ。また、AIに過度に依存することなく、医師の経験や直感との適切なバランスを取ることも必要になるだろう。これらの課題に対しては、継続的な臨床試験や医療従事者との密接な協力、倫理的ガイドラインの整備などが解決策として考えられる。

今後は、心不全以外の疾患への応用や、他の医療機器・システムとの連携機能の追加なども期待したい。さらに、AIの判断根拠を医師や患者にもわかりやすく説明する機能や、患者の生活習慣データと連携した予防医療への展開なども、将来的な発展の方向性として考えられる。Cubecの取り組みが、日本の医療DXを加速させ、より多くの患者に質の高い医療を提供する契機となることを期待したい。