島津製作所、順天堂大学、第一工業製薬が技術連携、カイコ冬虫夏草由来「ナトリード」の機能性解明へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

島津製作所、順天堂大学、第一工業製薬が技術連携
カイコ冬虫夏草由来の「ナトリード」を研究対象に
認知機能改善などの機能性を臨床試験で確認

島津製作所、順天堂大学、第一工業製薬の3者連携によるカイコ冬虫夏草研究

第一工業製薬、島津製作所、順天堂大学大学院医学研究科の堀江重郎教授は、2024年8月26日に食品に含まれる有益な生理活性物質の機能解明と開発を目的とした技術連携協定を締結した。この連携では、第一工業製薬のグループ会社であるバイオコクーン研究所が養蚕技術を活用して得たカイコハナサナギタケ冬虫夏草を主な研究対象としている。^[1]

バイオコクーン研究所は、独自製法により製造したカイコ冬虫夏草から新規有用成分「ナトリード」を発見し、2021年には国際学術誌『PLOS ONE』にその認知機能への関与を示唆する論文を発表した。第一工業製薬は臨床試験を通じて、ナトリードの認知機能改善、睡眠の質向上、テストステロン増加などの機能性を確認している。

島津製作所は分析計測技術を活用し、食品の機能性のメカニズム解明やナトリード以外の機能性関与成分の同定手法確立に取り組む。また、超臨界流体クロマトグラフシステム「Nexera UC」を用いてナトリードの抽出法改良や、独自の健康増進プラットフォーム「SUPOFULL」を使用してカイコ冬虫夏草が健康に与える影響の追跡調査を行う予定だ。

3社の技術連携による研究内容まとめ

	第一工業製薬	島津製作所	順天堂大学（堀江教授）
主な役割	カイコ冬虫夏草の研究開発	分析計測技術の提供	医学的知見の提供
研究対象	ナトリード	機能性関与成分	テストステロンとの関連
使用技術・ツール	独自製法による製造	Nexera UC、SUPOFULL	臨床試験の助言
期待される成果	機能性の確認と拡大	メカニズム解明と抽出法改良	健康への影響評価

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ナトリードについて

ナトリードとは、バイオコクーン研究所が独自製法により製造したカイコ冬虫夏草から発見された新規有用成分のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

認知機能の改善効果が示唆されている
睡眠の質を向上させる可能性がある
テストステロン（元気ホルモン）の増加に関与する

ナトリードの機能性については、第一工業製薬が臨床試験を通じて確認を行っている。2021年には国際学術誌『PLOS ONE』に認知機能への関与を示唆する論文が発表され、現在も作用機序や機能性の研究が進められている。この成分は、アストロサイトと呼ばれるグリア細胞を増やすことで認知機能を維持する可能性が報告されている。

カイコ冬虫夏草研究の技術連携に関する考察

島津製作所、順天堂大学、第一工業製薬の3者による技術連携は、各社の強みを活かした相乗効果が期待できる点が評価できる。第一工業製薬の材料技術と生物分野の知見、島津製作所の分析計測技術、順天堂大学堀江教授の医学的知見が融合することで、ナトリードの機能性解明が加速する可能性が高いだろう。

一方で、研究の進展に伴い、ナトリードの安全性や長期的な影響に関する詳細な検証が必要となる可能性がある。また、研究成果の実用化や商品化に向けては、法規制への対応や消費者の理解促進など、乗り越えるべき課題も存在するだろう。これらの問題に対しては、3者の連携をさらに強化し、各分野の専門家を交えた包括的な研究アプローチが解決策となり得る。

今後は、ナトリード以外のカイコ冬虫夏草由来の機能性成分の探索や、他の食品素材への応用研究など、研究範囲の拡大も期待される。さらに、この技術連携モデルを他の分野にも展開し、産学連携による革新的な健康増進ソリューションの創出につながることを期待したい。健康寿命の延伸やQOL向上に貢献する新たな知見が、この連携から生まれることを注視していく必要がある。

参考サイト

^ PR TIMES. 「島津製作所と順天堂大学堀江教授、第一工業製薬の3者で生理活性物質の機能性解明に関する技術連携 | 第一工業製薬株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000073630.html, (参照 24-08-28).

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