九州工業大学が児童の鉄棒スキル獲得を支援するスポーツテックシステムを開発、主体的探究と協調学習の効果を実証

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

九州工業大学の山田雅之教授らが児童の鉄棒スキル獲得に関する論文を発表
スポーツテック「HDMi」を活用し児童の主体的な探究を支援
協調学習の知見が身体動作の練習過程にも適用可能と示唆

九州工業大学の研究チームが児童の鉄棒スキル獲得を支援するシステムを開発

九州工業大学の山田雅之教授らの研究グループは、スポーツテックを活用して児童の運動スキル獲得を支援するシステムについての研究論文を2024年9月10日に発表した。この論文は日本発の国際学術論文ジャーナル「Journal of Digital Life」に掲載され、児童の鉄棒スキル獲得過程におけるスポーツテックの活用効果を検証している。^[1]

研究では児童二名を対象に、スポーツテック「HDMi」を用いて鉄棒の前回りや逆上がりの習得を支援した。練習は「前回の振返り」「事前インタビュー」「トレーニング」「実技テスト」「事後インタビュー」を1セットとし、HDMiによって児童の発話や動作を可視化した。この方法により、児童の主体的な探究を促進し、運動スキルの効果的な獲得を目指した。

研究結果では、一方の児童が20回の練習を経て逆上がりを安定的に成功させるようになった。また、児童同士が互いの練習動画を視聴し協力することで、新たな視点の発見が促されたことも明らかになった。これらの知見は、協調学習の理論が身体動作の練習過程にも適用できる可能性を示唆している。

児童の鉄棒スキル獲得支援システムの特徴

項目	詳細
使用技術	スポーツテック「HDMi」
対象スキル	鉄棒の前回り、逆上がり
練習プロセス	振返り、インタビュー、トレーニング、実技テスト
支援方法	発話や動作の可視化
学習効果	主体的探究の促進、協調学習の適用

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スポーツテックについて

スポーツテックとは、スポーツ分野においてICT（情報通信技術）を活用する技術やサービスのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

運動データの収集と分析による効果的なトレーニング支援
動作の可視化によるフォーム改善や技術向上
AIを活用したパフォーマンス予測や戦略立案

本研究で使用されたHDMiは、児童の発話や動作を可視化するスポーツテックの一例である。このような技術を活用することで、従来は指導者の経験や勘に頼っていた部分を客観的なデータで補完し、より効果的な指導や学習が可能になる。スポーツテックは、アスリートのパフォーマンス向上だけでなく、本研究のような教育現場での活用も期待されている。

児童の運動スキル獲得支援システムに関する考察

九州工業大学の研究チームが開発した児童の鉄棒スキル獲得支援システムは、スポーツテックを教育現場に効果的に導入した好例といえるだろう。特に、児童の発話や動作を可視化することで、自己分析や相互学習を促進している点は高く評価できる。一方で、技術に過度に依存することで、児童の自主性や創造性が阻害される可能性も考えられる。

今後の課題として、スポーツテックの活用と人間の指導のバランスを適切に保つことが挙げられる。技術によるサポートは有効だが、指導者の経験や直感的な指導も重要であり、両者をどのように組み合わせるかが鍵となるだろう。また、個々の児童の特性や学習スタイルに合わせたカスタマイズ機能の追加も、システムの有効性をさらに高める可能性がある。

将来的には、このようなシステムが鉄棒以外の様々なスポーツや運動スキルの習得にも応用されることが期待される。さらに、AIやVR技術との統合により、より高度で臨場感のある学習環境の提供も可能になるかもしれない。スポーツテックの進化が、子どもたちの運動能力向上と健康増進にどのような影響を与えるか、継続的な研究と実践が求められる。

参考サイト

^ PR TIMES. 「Journal of Digital Life 特集号に九州工業大学・山田雅之教授らが論文発表　児童の鉄棒スキル獲得過程でスポーツテック活用　主体的な探究を支援　熟達へつながる可能性 | 株式会社産経デジタルのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000047.000072694.html, (参照 24-09-11).

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