【CVE-2024-43114】JetBrains TeamCityに深刻な脆弱性、不適切なデフォルトパーミッションが原因で情報漏洩のリスクが浮上

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約
JetBrains TeamCityの脆弱性とその影響
TeamCity脆弱性の詳細
不適切なデフォルトパーミッションについて
JetBrains TeamCityの脆弱性に関する考察
参考サイト

記事の要約

JetBrains TeamCityに脆弱性が発見された
不適切なデフォルトパーミッションが原因
TeamCity 2024.07.1未満のバージョンが影響を受ける

JetBrains TeamCityの脆弱性とその影響

JetBrains社は、同社が提供するTeamCityに不適切なデフォルトパーミッションに関する脆弱性が存在することを公表した。この脆弱性は、TeamCity 2024.07.1未満のバージョンに影響を与えるものであり、CVE-2024-43114として識別されている。NVDによる評価では、CVSSv3による深刻度基本値は7.8（重要）とされており、攻撃元区分はローカル、攻撃条件の複雑さは低いとされている。^[1]

この脆弱性の影響を受けるシステムでは、情報の取得や改ざん、さらにはサービス運用妨害（DoS）状態に陥る可能性がある。攻撃に必要な特権レベルは低く、利用者の関与は不要とされており、影響の想定範囲に変更はないものの、機密性、完全性、可用性のすべてに高い影響があるとされている。

JetBrains社は、この脆弱性に対する対策としてベンダアドバイザリまたはパッチ情報を公開している。ユーザーは参考情報を確認し、適切な対策を実施することが推奨される。CWEによる脆弱性タイプは、不適切なデフォルトパーミッション（CWE-276）に分類されており、この種の脆弱性に対する注意喚起が行われている。

TeamCity脆弱性の詳細

項目	詳細
影響を受けるバージョン	TeamCity 2024.07.1未満
CVE識別子	CVE-2024-43114
CVSS v3基本値	7.8（重要）
攻撃元区分	ローカル
攻撃条件の複雑さ	低
CWE分類	不適切なデフォルトパーミッション（CWE-276）
想定される影響	情報取得、情報改ざん、サービス運用妨害（DoS）

不適切なデフォルトパーミッションについて

不適切なデフォルトパーミッションとは、システムやアプリケーションが初期状態で設定する権限が適切でない状態を指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

必要以上に高い権限が付与されている
セキュリティ上重要なリソースへのアクセスが制限されていない
一般ユーザーが管理者権限を必要とする操作を実行できてしまう

TeamCityの脆弱性では、この不適切なデフォルトパーミッションにより、攻撃者が低い特権レベルで容易に情報の取得や改ざんを行える状態になっていたと考えられる。このような脆弱性は、適切なアクセス制御の実装や定期的なセキュリティ設定の見直しによって防ぐことが可能だ。JetBrains社は今回の脆弱性に対してパッチを提供しているが、ユーザー側でも適切な権限設定を確認することが重要である。

JetBrains TeamCityの脆弱性に関する考察

JetBrains TeamCityの脆弱性が公開されたことは、継続的インテグレーション/継続的デリバリー（CI/CD）ツールのセキュリティ重要性を再認識させる出来事だと言える。特に、デフォルトパーミッションの適切な設定がいかに重要であるかを示しており、開発者やシステム管理者はこの点に注意を払う必要がある。一方で、この種の脆弱性は他のCI/CDツールにも存在する可能性があり、業界全体でセキュリティ対策の見直しが行われることが期待される。

今後、この脆弱性を悪用した攻撃が増加する可能性があるため、影響を受けるバージョンを使用している組織は早急にアップデートを行う必要がある。また、CI/CDパイプライン全体のセキュリティ監査を実施し、不必要な権限を持つアカウントや設定がないか確認することも重要だ。長期的には、セキュリティバイデザインの原則に基づいたCI/CDツールの開発と、定期的なセキュリティ評価の実施が求められるだろう。

JetBrains社には、今回の脆弱性の詳細な分析結果を公開し、他のソフトウェア開発者と知見を共有することが望まれる。また、自動化されたセキュリティチェック機能をTeamCityに組み込むなど、ユーザーがより容易にセキュリティリスクを発見・対処できるような機能の追加が期待される。このような取り組みは、DevSecOpsの実践を促進し、ソフトウェア開発プロセス全体のセキュリティ向上につながるだろう。