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L2SW(Layer 2 Switching)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


L2SW(Layer 2 Switching)とは

L2SWは、Layer 2 Switching(レイヤー2スイッチング)の略称です。ネットワークの第2層(データリンク層)で動作するスイッチングテクノロジーを指します。L2SWは、MACアドレスを使用してフレームの転送を行い、異なるネットワークセグメント間の通信を可能にします。

L2SWは、スイッチングハブやブリッジなどのネットワーク機器で実装されています。これらの機器は、受信したフレームのMACアドレスを読み取り、宛先MACアドレスに基づいて適切なポートにフレームを転送します。この処理により、ネットワーク上のデバイス間の通信が効率的に行われ、トラフィックの制御が可能になります。

L2SWの主な特徴は、高速なフレーム転送とネットワークの分割です。L2SWは、ハードウェアベースのスイッチングを行うため、ソフトウェアベースのルーティングと比較して高速な処理が可能です。また、VLANを使用してネットワークを論理的に分割し、ブロードキャストドメインを制限することで、ネットワークのセグメンテーションを実現します。

L2SWは、スパニングツリープロトコル(STP)を使用して、ネットワークループを防止します。STPは、冗長性のあるネットワークトポロジにおいて、物理的なループを論理的に遮断し、フレームの無限ループを防ぎます。これにより、ネットワークの安定性と信頼性が向上します。

L2SWは、ネットワークの基本的な接続と通信を提供する重要な役割を担っています。ただし、L2SWはネットワークのセグメンテーションや冗長性の確保に適していますが、ルーティングやセキュリティ機能は限定的です。そのため、より高度なネットワーク制御やセキュリティ要件が必要な場合は、L3スイッチやルーターなどの上位レイヤーの機器と組み合わせて使用されます。

L2SWの機能とメリット

L2SWの機能とメリットに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • L2SWによるMACアドレスベースのフレーム転送
  • L2SWを用いたVLANによるネットワークセグメンテーション
  • L2SWとスパニングツリープロトコル(STP)の関係

L2SWによるMACアドレスベースのフレーム転送

L2SWは、受信したフレームのMACアドレスを読み取り、宛先MACアドレスに基づいて適切なポートにフレームを転送します。この処理は、MACアドレステーブルを参照して行われます。MACアドレステーブルは、各ポートに接続されたデバイスのMACアドレスと対応するポート番号を記録し、フレームの転送経路を決定するために使用されます。

L2SWによるMACアドレスベースのフレーム転送は、高速かつ効率的です。ハードウェアベースのスイッチングにより、ソフトウェアベースのルーティングと比較して低遅延な通信が可能になります。また、宛先MACアドレスに基づいて転送先ポートを決定するため、不要なトラフィックの拡散を防ぎ、ネットワークの負荷を軽減できます。

L2SWは、ブロードキャストドメインを形成します。同一のブロードキャストドメイン内のデバイスは、互いに直接通信が可能です。ただし、ブロードキャストフレームは全てのポートに転送されるため、大規模なネットワークではブロードキャストストームが発生する可能性があります。そのため、VLANを使用してブロードキャストドメインを分割し、ネットワークの効率性を高めることが一般的です。

L2SWを用いたVLANによるネットワークセグメンテーション

VLANは、L2SWを用いてネットワークを論理的に分割する技術です。VLANを使用することで、物理的には同一のスイッチに接続されていても、論理的に異なるネットワークセグメントを作成できます。これにより、ブロードキャストドメインを制限し、ネットワークのセキュリティと効率性を向上させることができます。

VLANは、スイッチのポートにVLAN IDを割り当てることで設定されます。同じVLAN IDを持つポート間では、フレームの転送が行われます。異なるVLAN間の通信を行う場合は、ルーターなどのL3デバイスを介する必要があります。VLANを使用することで、部門ごとのネットワーク分離や、セキュリティ要件に基づいたアクセス制御が可能になります。

L2SWは、VLANタギングをサポートしています。VLANタギングは、フレームにVLAN情報を付加する技術であり、IEEE 802.1Qで標準化されています。VLANタグを付加されたフレームは、VLAN対応のスイッチ間で転送される際に、VLAN情報を維持したまま転送されます。これにより、複数のVLANを跨いだ通信が可能になります。

L2SWとスパニングツリープロトコル(STP)の関係

L2SWは、冗長性のあるネットワークトポロジを構築する際に、スパニングツリープロトコル(STP)を使用します。STPは、ネットワークループを防止するためのプロトコルであり、物理的なループが存在する場合でも、論理的にループを遮断することで、フレームの無限ループを防ぎます。

STPは、スイッチ間で Bridge Protocol Data Units(BPDU)と呼ばれる制御フレームを交換することで動作します。BPDUには、スイッチのプライオリティ、MACアドレス、ルートブリッジまでのパスコストなどの情報が含まれています。スイッチは、受信したBPDUを基に、ルートブリッジを選出し、各ポートの役割(ルートポート、指定ポート、ブロックポート)を決定します。

L2SWは、STPを有効にすることで、冗長性のあるネットワークトポロジを安全に構築できます。STPにより、物理的なループが存在する場合でも、論理的にループが遮断され、ネットワークの安定性が確保されます。また、STPは、リンク障害時にも自動的に代替パスを選択し、ネットワークの可用性を維持します。ただし、STPのコンバージェンス時間は比較的長いため、大規模なネットワークでは高速なコンバージェンスが求められる場合があります。

L2SWの設定と管理

L2SWの設定と管理に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • L2SWの基本的な設定手順
  • L2SWのポートセキュリティ機能
  • L2SWの管理インターフェースと管理プロトコル

L2SWの基本的な設定手順

L2SWの基本的な設定手順は、スイッチの初期設定、IPアドレスの割り当て、VLANの設定、ポートの設定などが含まれます。初期設定では、スイッチの管理者パスワードの設定や、デフォルト設定のカスタマイズを行います。IPアドレスの割り当ては、スイッチの管理用インターフェースに対して行われ、リモートからのアクセスを可能にします。

VLANの設定では、スイッチのポートをVLANに割り当てます。各ポートにVLAN IDを設定し、必要に応じてVLANタギングを有効化します。ポートの設定では、速度、デュプレックスモード、フロー制御などのパラメータを適切に設定します。また、ポートセキュリティ機能を有効にして、許可されたMACアドレスのみがポートに接続できるように制限することも可能です。

L2SWの設定は、コマンドラインインターフェース(CLI)または Web ベースの管理インターフェースを通じて行われます。CLIを使用する場合は、コンソールケーブルまたはリモート接続を介してスイッチにアクセスし、コマンドを入力して設定を行います。Web ベースの管理インターフェースを使用する場合は、ブラウザからスイッチの IPアドレスにアクセスし、グラフィカルなインターフェースを通じて設定を行います。

L2SWのポートセキュリティ機能

L2SWのポートセキュリティ機能は、許可されたMACアドレスのみがポートに接続できるようにするセキュリティ機能です。ポートセキュリティを有効にすることで、不正なデバイスがネットワークに接続されることを防止し、ネットワークのセキュリティを強化できます。ポートセキュリティは、スイッチのポート単位で設定されます。

ポートセキュリティを設定する際は、許可するMACアドレスを指定します。これは、静的に設定する方法と、ダイナミックに学習する方法があります。静的な設定では、管理者が手動で許可するMACアドレスを指定します。ダイナミックな学習では、ポートに最初に接続されたデバイスのMACアドレスを自動的に学習し、それ以降は学習したMACアドレスのみを許可します。

ポートセキュリティ違反が発生した場合の動作も設定できます。違反時の動作には、シャットダウンモード、制限モード、保護モードがあります。シャットダウンモードでは、違反が発生したポートを即座にシャットダウンします。制限モードでは、違反が発生してもポートはシャットダウンされませんが、違反パケットは廃棄されます。保護モードでは、違反パケットを廃棄しますが、ポートの状態は維持されます。

L2SWの管理インターフェースと管理プロトコル

L2SWの管理インターフェースには、コンソールポート、Telnetや SSH を使用したリモート接続、Web ベースの管理インターフェースなどがあります。コンソールポートは、シリアルケーブルを介してスイッチに直接接続し、CLIを使用して設定や管理を行うためのインターフェースです。Telnetや SSH は、ネットワーク経由でリモートからスイッチにアクセスするためのプロトコルです。

Web ベースの管理インターフェースは、HTTPまたはHTTPSを使用してブラウザからアクセスできるグラフィカルなインターフェースです。ユーザーフレンドリーなインターフェースを提供し、設定や監視をグラフィカルに行うことができます。ただし、セキュリティ上の理由から、Web ベースのインターフェースを使用する場合は、適切なアクセス制御と暗号化が必要です。

L2SWの管理には、SNMPやSyslogなどの管理プロトコルも使用されます。SNMPは、ネットワーク管理システム(NMS)とスイッチ間で情報を交換するためのプロトコルです。スイッチの状態や統計情報を取得したり、設定を変更したりするために使用されます。Syslogは、スイッチのイベントやログメッセージを収集するためのプロトコルであり、ログの一元管理や分析に役立ちます。

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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