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公開：2024-04-08

ARIB(Association of Radio Industries and Businesses、一般社団法人電波産業会)とは？意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部

ARIB(Association of Radio Industries and Businesses、一般社団法人電波産業会)とは

ARIBとは日本の放送技術の標準化を行う団体である一般社団法人電波産業会の略称です。正式名称は「Association of Radio Industries and Businesses」で、日本語では「一般社団法人電波産業会」と呼ばれています。

ARIBは放送事業者、通信事業者、メーカーなどが会員となっている民間の標準化団体です。放送技術に関する標準規格の策定や、電波の有効利用に関する調査・研究などを行っており、日本の放送技術の発展に大きく貢献しているのです。

ARIBが策定する標準規格は地上デジタル放送の規格であるISDB-TやARIB STD-B24、デジタルラジオ放送の規格であるISDB-Tsbなどがあります。これらの規格は日本国内で広く採用されているだけでなく、海外でも利用されているものもあるのです。

ARIBは単に標準規格を策定するだけでなく、その普及活動にも力を入れています。セミナーやワークショップの開催、技術資料の発行などを通じて、標準規格の理解促進や技術者の育成に取り組んでいるのです。

このように、ARIBは日本の放送技術の発展を支える重要な団体であり、その活動は日本のみならず世界的にも注目されています。放送に関わる企業や技術者にとって、ARIBの動向を把握することは欠かせないものとなっているのです。

ARIBの標準規格策定プロセス

ARIBの標準規格策定プロセスに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

• ARIBにおける標準規格策定の流れ
• ARIBの標準規格策定に関わる組織体制
• ARIBの標準規格策定における専門家の役割

ARIBにおける標準規格策定の流れ

ARIBにおける標準規格の策定はいくつかの段階を経て行われます。まず、標準規格の策定が必要とされる技術分野や課題が特定されると、ARIBの関連部会で検討が開始されるのです。

検討の過程では技術的な仕様の策定だけでなく、実用化に向けた課題の洗い出しや、関連する法規制への対応なども行われます。策定された標準規格案はパブリックコメントを経て最終的に承認され、ARIB標準規格として発行されることになります。

ARIBの標準規格策定に関わる組織体制

ARIBの標準規格策定には様々な組織が関わっています。ARIBの理事会の下には各技術分野を担当する部会が設置されており、その下に専門委員会や作業班が置かれているのです。

これらの組織には放送事業者、通信事業者、メーカーなどから専門家が参加しており、それぞれの立場から技術的な検討を行っています。また、必要に応じて他の標準化団体とも連携し、国際的な整合性にも配慮しながら標準規格の策定を進めているのです。

ARIBの標準規格策定における専門家の役割

ARIBの標準規格策定には様々な分野の専門家が関わっています。例えば、放送技術の専門家は映像や音声の符号化、変調方式などの技術的な仕様の検討を行います。

一方、通信技術の専門家は放送波の伝送路の設計や、放送と通信の連携などの課題に取り組みます。また、法律の専門家は策定された標準規格が関連法規に適合しているかの確認を行うのです。このように、各分野の専門家が協力して標準規格の策定を進めているのです。

ARIBの国際的な活動

ARIBの国際的な活動に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

• ARIBの国際標準化活動への参画
• ARIBの標準規格の海外展開
• ARIBと海外の標準化団体との連携

ARIBの国際標準化活動への参画

ARIBは国内の標準化活動だけでなく、国際的な標準化活動にも積極的に参画しています。例えば、国際電気通信連合(ITU)や国際標準化機構(ISO)などの国際標準化団体で行われる放送技術関連の標準化活動に、ARIBからも専門家を派遣しているのです。

これにより、日本の放送技術の知見を国際標準に反映させるとともに、国際標準の動向を日本の標準規格に取り入れることが可能となります。ARIBは国際標準化活動を通じて、日本の放送技術の国際競争力の向上にも貢献しているといえるでしょう。

ARIBの標準規格の海外展開

ARIBが策定した標準規格の中には日本国内だけでなく海外でも採用されているものがあります。代表的なものが、地上デジタル放送の規格であるISDB-Tです。

ISDB-Tは日本で開発された放送方式ですが、中南米を中心に多くの国で採用されています。ARIBはISDB-Tの海外展開を支援するため、各国の放送事業者や規制当局との協力関係を築いているのです。このような活動を通じて、日本の放送技術の国際的なプレゼンスの向上にも寄与しています。

ARIBと海外の標準化団体との連携

ARIBは海外の標準化団体とも連携しながら、国際的な標準化活動を進めています。例えば、欧州の標準化団体であるETSIとは放送技術分野での協力関係を築いており、共同でワークショップを開催するなどの取り組みを行っているのです。

また、アジア地域の標準化団体とも定期的に会合を持ち、地域的な課題について意見交換を行っています。このような海外の標準化団体との連携により、ARIBは国際的な標準化活動における日本の存在感を高めるとともに、グローバルな視点での標準規格の策定にも貢献しているのです。

ARIBの今後の展望と課題

ARIBの今後の展望と課題に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

• 次世代放送技術の標準化に向けたARIBの取り組み
• 放送と通信の連携に関するARIBの検討状況
• ARIBが抱える標準化活動の課題

次世代放送技術の標準化に向けたARIBの取り組み

ARIBは次世代の放送技術の標準化にも積極的に取り組んでいます。例えば、4K・8Kといった高精細な映像の放送技術や、インターネットを活用した新しい放送サービスの実現に向けた検討を進めているのです。

また、5Gなどの次世代通信技術を活用した放送サービスの可能性についても研究しています。ARIBはこれらの次世代技術を見据えた標準化活動を通じて、日本の放送技術の発展と競争力の維持・向上に貢献していく方針です。

放送と通信の連携に関するARIBの検討状況

近年、放送と通信の連携が進んでおり、ARIBでもこの分野での標準化の必要性が高まっています。例えば、放送波とインターネットを組み合わせたハイブリッドキャストと呼ばれるサービスの実現に向けた検討が行われているのです。

また、5Gの登場により、高度な放送・通信連携サービスの可能性がさらに広がっています。ARIBは放送と通信の連携に関する技術的な仕様の策定だけでなく、サービスの在り方や制度的な課題についても検討を進めていく必要があるでしょう。

ARIBが抱える標準化活動の課題

ARIBの標準化活動は日本の放送技術の発展に大きく貢献してきましたが、一方でいくつかの課題も抱えています。例えば、標準規格の策定プロセスに時間がかかることや、策定された標準規格の普及・促進に課題があることなどが指摘されているのです。

また、国際標準化活動への対応も大きな課題となっています。国際標準化の場では各国の利害が複雑に絡み合うため、日本の技術を国際標準に反映させるためには戦略的な取り組みが必要とされます。ARIBにはこれらの課題に適切に対処しながら、効果的な標準化活動を進めていくことが期待されているのです。

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