経済

ECONOMY

公開：2024-10-09

ニッセイ・キャピタルがJCCL社に出資、低コストCO₂回収技術の実用化に期待

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• ニッセイ・キャピタルがJCCLに出資
• JCCL社のCO₂分離回収技術に期待
• サステナビリティ課題解決ファンドから出資

ニッセイ・キャピタルによるJCCL社への出資

ニッセイ・キャピタル株式会社は、サステナビリティ課題解決ファンド1号投資事業有限責任組合を通じて、CO₂分離回収設備を開発する株式会社JCCLへの出資を2024年10月8日に発表した。JCCL社は九州大学発のスタートアップ企業で、低コストでCO₂を分離回収できる装置の開発・実用化を進めている企業だ。^[1]

この出資の背景には、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みがある。CO₂の排出量抑制だけでは目標達成が困難と見込まれており、CO₂を吸収・削減する「CO₂回収技術」に大きな期待が寄せられている。JCCL社の技術は、既存の手法と比較して最大4分の1程度の低コストでCO₂回収が可能となっている点が特徴だ。

ニッセイ・キャピタルは日本生命グループの一員として、JCCL社の成長とSDGs達成に貢献することを目指している。この出資により、気候変動抑制に寄与する取り組みを支援し、サステナビリティ課題の解決に向けた投資を積極的に行っていく姿勢を示した形となった。

JCCL社とニッセイ・キャピタルの概要

CO₂分離回収技術について

CO₂分離回収技術とは、排出されたCO₂を他の気体から分離し、回収する技術のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 排ガスや大気中からCO₂を効率的に分離・回収
• カーボンニュートラル実現に向けた重要技術
• 従来技術と比較してエネルギー効率とコスト削減が課題

JCCL社が開発している独自のアミン含有ゲル及び分離回収装置は、既存の技術と比較して最大4分の1程度の低コストでCO₂回収が可能となっている。この技術革新により、CO₂回収のコスト面での障壁が大幅に低減され、より広範囲な産業分野での導入が期待されている。

CO₂分離回収技術の発展に関する考察

JCCL社の低コストCO₂分離回収技術は、カーボンニュートラル実現に向けた重要な一歩となる可能性が高い。特に、従来技術の4分の1程度のコストで実現できる点は、産業界全体のCO₂削減efforts取り組みを加速させる可能性がある。一方で、技術の実用化や大規模展開に向けては、さまざまな産業分野での実証実験や、長期的な安定性・信頼性の検証が必要となるだろう。

今後の課題としては、回収したCO₂の有効利用や長期保管に関する技術開発も重要となってくる。単にCO₂を回収するだけでなく、回収したCO₂を原料として再利用する技術や、地中などに安全に長期保管する技術の確立が、総合的なCO₂削減戦略には不可欠だ。また、法規制や補助金制度などの政策面でのサポートも、技術普及の鍵を握るポイントになると考えられる。

ニッセイ・キャピタルのような大手金融グループによる投資は、こうした革新的技術の実用化を後押しする重要な役割を果たす。今後は、さらなる技術革新やコスト削減、そして異業種間の連携によるCO₂回収・利用のエコシステム構築など、多角的なアプローチでのイノベーション創出に期待が高まる。カーボンニュートラル実現に向け、産学官金の連携がさらに強化されることで、日本の環境技術が世界をリードする可能性も十分にあるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「サステナビリティ課題解決ファンド1号投資事業有限責任組合から、株式会社JCCLに出資いたしました。 | ニッセイ・キャピタル株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000043106.html, (参照 24-10-09).

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