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AMDがAI向け最新製品を発表、第5世代EPYCプロセッサとInstinct MI325X GPUで性能と効率を大幅向上

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • AMDが「AMD Advancing AI 2024」イベントを開催
  • 第5世代EPYCプロセッサとInstinct MI325X GPUを発表
  • AI処理性能と効率性の向上に焦点を当てた製品を展開

AMDが最新のAI向け製品を発表、第5世代EPYCとInstinct MI325Xで性能向上

AMDは2024年10月10日(米国時間)、サンフランシスコのモスコーンセンター南館で「AMD Advancing AI 2024」イベントを開催し、同社CEO リサ・スー氏らが登壇して最新のAI向け製品を発表した。この中で、開発コード名「Turin」として知られていた第5世代AMD EPYCプロセッサと、データセンター向けGPU Instinct MI325Xが正式に発表された。[1]

第5世代EPYCプロセッサは、新しいCPUアーキテクチャ「Zen 5」を採用し、CPUの性能を大幅に向上させている。通常版のZen 5モデルは最大128コア、コンパクト版のZen 5cモデルでは最大192コアを実現し、データセンターや企業のAIワークロードに対応する高い処理能力を提供する。

一方、Instinct MI325X GPUは、前モデルMI300Xからメモリを強化し、256GB HBM3eメモリと6TB/秒のメモリ帯域幅を実現した。これにより、AIの学習や推論タスクにおいて、より大規模なモデルの処理や高速なデータアクセスが可能になり、データセンターにおけるAI処理の効率化に貢献する。

AMDの最新AI向け製品の特徴まとめ

第5世代EPYC (Zen 5) 第5世代EPYC (Zen 5c) Instinct MI325X
最大コア数/メモリ 128コア 192コア 256GB HBM3e
主な特徴 高性能コア 高密度・高効率 高速メモリ帯域
対象ワークロード 一般的なAI処理 高密度コンピューティング 大規模AI学習/推論
メモリ帯域幅 - - 6TB/秒

Zen 5アーキテクチャについて

Zen 5アーキテクチャとは、AMDが開発した最新のCPUマイクロアーキテクチャであり、以下のような特徴が挙げられる。

  • 1クロックあたりの実行命令数の増加
  • AVX512命令の512ビット幅での処理に対応
  • 最新のTSMC 4nmプロセスノードを採用

Zen 5アーキテクチャは、従来のZen 4アーキテクチャから大幅な改良が加えられており、特にAI処理に最適化されている。アーキテクチャレベルでの改良により、1クロックあたりで実行できる命令数が増加し、実行効率が向上した。また、AVX512命令の処理幅を256ビットから512ビットに拡張したことで、AI関連の演算処理速度が大幅に向上している。

AMDのAI向け製品戦略に関する考察

AMDの最新AI向け製品は、データセンターにおけるAI処理の需要増大に応える戦略的な動きだ。第5世代EPYCプロセッサの最大192コアという高い並列処理能力と、Instinct MI325X GPUの大容量高速メモリは、大規模言語モデルの学習や推論など、計算リソースを大量に必要とするAIワークロードに適している。これらの製品により、AMDはNVIDIAが主導するAI向けハードウェア市場に本格的に参入し、競争を活性化させる可能性が高い。

一方で、ハードウェアの性能向上だけでなく、ソフトウェアエコシステムの充実も重要な課題となるだろう。NVIDIAのCUDAに匹敵する開発環境や、主要なAIフレームワークとの最適化された連携が、AMDの製品が市場で広く採用されるための鍵となる。また、電力効率の向上や冷却技術の進化など、大規模なAI処理に伴う消費電力の課題にも取り組む必要がある。

今後、AMDはこれらの製品を基盤として、エッジデバイスからクラウドまでのAIコンピューティングの全領域をカバーする製品ラインナップの拡充が期待される。同時に、オープンな標準規格の推進や、研究機関との連携強化により、AIの民主化と技術革新の加速に貢献することが、業界全体の発展につながるだろう。AMDの今後の動向が、AI技術の進化と普及にどのような影響を与えるか注目される。

参考サイト

  1. ^ . 「Advancing AI」. https://www.amd.com/en/corporate/events/advancing-ai.html, (参照 24-10-13).
  2. NVIDIA. https://www.nvidia.com/ja-jp/
  3. TSMC. https://www.tsmc.com/japanese

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