AnalogueがNINTENDO64互換機Analogue 3Dを発表、FPGAで完全互換性を実現し4K出力にも対応

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

AnalogueがNINTENDO64互換機を発表
Analogue 3Dの予約受付が10月21日開始
価格は249.99ドルに設定

AnalogueがNINTENDO64互換機「Analogue 3D」を発表

Analogueは、任天堂の据え置きゲーム機「NINTENDO64」の互換機「Analogue 3D」の予約受付を米国時間21日(日本時間22日)より開始することを発表した。価格は249.99ドルに設定されており、同社が2023年10月に投入を予告していた製品が正式に発表された形となる。Analogue 3Dは、オリジナルのNINTENDO64との完全な互換性を実現している点が特徴だ。^[1]

Analogue 3DはFPGA（Altera Cyclone 10GX）を採用することで、エミュレーションではなくハードウェアレベルでの互換性を実現している。これにより、オリジナルのNINTENDO64ゲームソフトをそのまま使用することが可能となり、ゲームの動作や音声の再現性が非常に高いレベルで実現されている。また、4K解像度出力にも対応しており、最新のテレビでもクリアな画質でプレイすることができる。

Analogue 3Dは、オリジナルのNINTENDO64を思わせるデザインを採用しており、カートリッジの差込口や4基のコントローラポートも備えている。さらに、独自OSである3D OSを搭載し、デュアルバンドWi-Fi、Bluetooth、SDカードスロットなども装備している。CRTディスプレイを再現する表示モードも搭載されており、ノスタルジックな雰囲気を楽しむこともできる。

Analogue 3Dの主な特徴まとめ

	ハードウェア	互換性	映像出力	追加機能
特徴	FPGA（Altera Cyclone 10GX）採用	NINTENDO64ゲームと完全互換	4K解像度対応	3D OS搭載
デザイン	NINTENDO64を踏襲	オリジナルカートリッジ対応	CRTディスプレイ再現モード	Wi-Fi・Bluetooth対応
接続	4基のコントローラポート	エミュレーション不使用	HDMI出力	SDカードスロット搭載

FPGAについて

FPGAとは「Field-Programmable Gate Array」の略称で、製造後に購入者や設計者が構成を設定できるIC（集積回路）のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

プログラム可能な論理ブロックを含む
高速な並列処理が可能
ハードウェアレベルでの再構成が可能

Analogue 3DではFPGAを採用することで、ソフトウェアエミュレーションではなくハードウェアレベルでNINTENDO64の動作を再現している。これにより、オリジナルハードウェアに非常に近い動作が可能となり、入力遅延や画像・音声の不正確さなどの問題を解決している。FPGAの採用は、レトロゲーム互換機の分野で高い評価を受けており、Analogueの製品の特徴となっている。

Analogue 3Dの発表に関する考察

Analogue 3Dの発表は、レトロゲーム愛好家やNINTENDO64ファンにとって大きな意味を持つ出来事だ。FPGAを用いたハードウェアレベルでの互換性実現は、オリジナルに限りなく近い体験を提供し、ゲームの保存という観点からも重要な役割を果たす。一方で、249.99ドルという価格設定は一般消費者にとってはやや高額に感じられる可能性があり、普及の障壁となる可能性もある。

今後の課題としては、ソフトウェアの著作権問題が挙げられる。Analogue 3Dはオリジナルのカートリッジを使用するため、直接的な著作権侵害は避けられているが、ROMファイルの使用などに関しては法的グレーゾーンが存在する。この問題に対しては、任天堂やソフトウェアメーカーとの協力関係を構築し、正規のデジタル配信サービスとの連携を模索することが一つの解決策となるだろう。

Analogue 3Dの成功は、他の往年の名機の再現にも道を開く可能性がある。セガサターンやドリームキャストなど、エミュレーションが難しいとされるハードウェアのFPGA互換機の登場も期待される。また、オリジナルハードウェアでは難しかった機能拡張、例えばオンラインマルチプレイヤー対応や新たな周辺機器の開発なども、今後のAnalogue 3Dの発展方向として注目されるだろう。