【CVE-2024-43543】Windowsモバイルブロードバンドドライバにリモートコードの実行の脆弱性、正式パッチで対策を実施

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

Windows 10/11のモバイルブロードバンドドライバに脆弱性
リモートでコードを実行される危険性が判明
マイクロソフトが正式な対策パッチを公開

Windowsモバイルブロードバンドドライバの脆弱性問題

マイクロソフトは2024年10月8日、Windows 10およびWindows 11のモバイルブロードバンドドライバに深刻な脆弱性が存在することを公表した。この脆弱性は【CVE-2024-43543】として識別されており、CVSS v3による深刻度基本値は6.8となっている。^[1]

影響を受けるシステムには、Windows 10の複数のバージョンに加え、Windows 11の21H2から24H2までのすべてのバージョンが含まれており、ARM64ベースとx64ベースの両方のシステムに影響を及ぼすことが判明した。またWindows Server 2019およびWindows Server 2022の23H2 Editionも対象となっている。

脆弱性の特徴として、攻撃元区分が物理であり、攻撃条件の複雑さは低く設定されている点が挙げられる。攻撃に必要な特権レベルは不要であり、利用者の関与も不要とされているため、攻撃者によって容易に悪用される可能性が高くなっている。

Windows脆弱性の影響範囲まとめ

項目	詳細
CVE識別子	CVE-2024-43543
CVSS深刻度	6.8（警告）
影響を受けるOS	Windows 10/11、Windows Server 2019/2022
脆弱性の種類	リモートコード実行
対象コンポーネント	Windowsモバイルブロードバンドドライバ
対策状況	正式なセキュリティパッチが公開済み

リモートコード実行について

リモートコード実行とは、攻撃者が標的のシステムに対して遠隔から不正なコードを実行可能な脆弱性のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

遠隔からシステムを操作可能
マルウェアの埋め込みが容易
情報窃取やシステム破壊のリスクが高い

今回のWindowsモバイルブロードバンドドライバの脆弱性では、攻撃者が物理的なアクセスを必要とせずにシステムを制御できる可能性がある。また特権レベルや利用者の関与も不要であることから、攻撃の成功率が高くなる可能性が指摘されている。

Windowsモバイルブロードバンドドライバの脆弱性に関する考察

Windowsモバイルブロードバンドドライバの脆弱性に対して、マイクロソフトが迅速にセキュリティパッチを公開したことは評価できる点である。特にWindows 10からWindows 11まで、さらにはWindows Serverも含めた広範な製品に対して包括的な対策を提供したことで、ユーザーの安全性確保に大きく貢献している。

今後の課題として、モバイルブロードバンドドライバの設計段階におけるセキュリティ対策の強化が必要となるだろう。特に物理的なアクセスを必要としない攻撃が可能な点は、リモートワークが一般化している現代において深刻なリスクとなり得る。

将来的には、ドライバレベルでの自動アップデート機能の強化や、異常な動作を検知した際の自動遮断機能の実装が望まれる。このような予防的なセキュリティ対策の導入により、類似の脆弱性が発見された際の被害を最小限に抑えることが可能となるだろう。