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Kasperskyがパリオリンピック開催地の公衆Wi-Fiセキュリティ調査結果を公開、25%のスポットでセキュリティ不十分と判明

text: XEXEQ編集部


記事の要約

  • パリの公衆Wi-Fiの25%がセキュリティ不十分
  • オリンピック開催地で約25,000のWi-Fiを分析
  • 最新プロトコルWPA3の使用は5.5%のみ

パリオリンピック開催地の公衆Wi-Fiセキュリティ調査結果

Kasperskyは2024年7月上旬、パリオリンピック開催地の公衆Wi-Fiセキュリティ強度に関する調査結果を発表した。約25,000の公衆Wi-Fiスポットを分析した結果、約25%のスポットでセキュリティが不十分であることが明らかになった。これらのスポットは暗号化強度が低い、暗号化されていない、または古いプロトコルを使用しているなど、データ盗取のリスクが高い状態にある。[1]

調査対象となったのは、凱旋門やエッフェル塔など観光客に人気の7エリアとオリンピックのメイン会場となるスタッド・ド・フランスの計8エリアだ。分析の結果、最新のWi-FiセキュリティプロトコルであるWPA3を使用しているスポットはわずか5.5%にとどまっている。さらに、19.6%のスポットが侵害されやすい古いアルゴリズムのWPSで構成されており、攻撃を受けるリスクが非常に高い状態にある。

KasperskyのGReATでMETA地域の責任者を務めるアミン・ハスビニ氏は、公衆Wi-Fiネットワークや設定が不適切なWi-Fiネットワークが犯罪者の格好のターゲットとなっていると警告している。パスワードやクレジットカード情報などの機密性の高いユーザーデータが盗まれる可能性があるため、利用者は十分な注意が必要だ。Kasperskyは安全な利用のためのガイドラインも併せて公開している。

セキュリティ不十分なWi-Fi WPA3使用 WPS構成
割合 約25% 5.5% 19.6%
主なリスク データ盗取 比較的安全 攻撃を受けやすい
対象スポット数 約6,083カ所 1,373カ所 4,864カ所

WPA3について

WPA3とは、Wi-Fiアライアンスが策定した最新のWi-Fiセキュリティプロトコルのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 強力な暗号化による通信の保護
  • 個別暗号化によるオープンネットワークでの安全性向上
  • ブルートフォース攻撃に対する耐性強化

WPA3は、前世代のWPA2と比較してさらに強固なセキュリティを提供する。特に公衆Wi-Fiなどのオープンネットワークにおいて、個別暗号化機能により各ユーザーの通信を独立して暗号化することで、他のユーザーによる盗聴リスクを大幅に低減している。また、パスワード推測攻撃に対する防御機能が強化されており、弱いパスワードが設定されていても比較的安全に利用できる。

パリオリンピックの公衆Wi-Fiセキュリティに関する考察

パリオリンピック開催時の公衆Wi-Fiセキュリティ問題は、大規模イベント時のサイバーセキュリティ対策の重要性を浮き彫りにしている。多数の観光客が集中する期間中、セキュリティが不十分なWi-Fiスポットを狙った攻撃が増加する可能性が高い。特に、個人情報や金融情報を狙ったフィッシング攻撃や、マルウェアの配布などのリスクが懸念されるだろう。

今後、公衆Wi-Fiのセキュリティ強化に向けて、WPA3の普及促進や定期的なセキュリティ監査の実施が求められる。同時に、利用者向けの啓発活動も重要だ。VPNの利用推奨や、公衆Wi-Fi利用時の注意点を広く周知することで、被害の軽減につながるはずだ。また、モバイルキャリアと連携し、安全な代替接続手段を提供することも有効な対策となるだろう。

長期的には、IoTデバイスの普及に伴い、公衆Wi-Fiのセキュリティはさらに重要性を増すと予想される。都市のスマート化が進む中、安全で信頼性の高い公衆Wi-Fiインフラの構築は、スマートシティ実現の鍵となる。パリオリンピックを契機に、公衆Wi-Fiセキュリティの国際標準化や、都市間での best practice の共有が進むことを期待したい。

参考サイト

  1. ^ Kaspersky. 「Kasperskyレポート:パリの公衆Wi-Fiスポットの約25%でセキュリティが不十分と判明 | カスペルスキー」. https://www.kaspersky.co.jp/about/press-releases/2024_vir30072024, (参照 24-08-01).

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