鎌倉投信と東京学芸大学が教育インパクトファンド設立を検討、教育イノベーションの加速に期待

text: XEXEQ編集部

PR TIMES より

記事の要約

鎌倉投信と東京学芸大学が連携協力協定を締結
教育インパクトファンドの設立に向けた検討を開始
教育・人財育成分野での投資と社会貢献を目指す

鎌倉投信と東京学芸大学による教育インパクトファンド設立の検討開始

鎌倉投信株式会社は、国立大学法人東京学芸大学と連携協力協定を締結し、教育インパクトファンドの設立に向けた検討を開始した。このファンドは、有限責任投資事業組合として私募型で組成される予定だ。鎌倉投信は2021年3月に創発の莟1号投資事業有限責任組合を設立し、教育や人財育成関連のスタートアップ10社を含む19社に投資を行っている。^[1]

教育分野では、大学入試の刷新に伴い、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実、探究学習、総合型選抜試験対応、デジタル/オンライン学習の普及が進んでいる。企業においても、人的資本の概念導入やDX/AI活用の急速な進展により、働き方の変化や人事評価・処遇の見直しが求められている状況だ。

このような社会環境の変化を背景に、東京学芸大学が持つ教育・人財育成に関する研究実績とノウハウを活用し、教育インパクトファンドの組成に向けた検討を進めることになった。このファンドは、教育、採用、人財育成、雇用における社会変化とビジネスチャンスに着目した投資を行う予定である。

	鎌倉投信株式会社	国立大学法人東京学芸大学
主な役割	ファンド運営・投資	教育・人財育成ノウハウ提供
設立年	2008年11月5日	-
所在地	神奈川県鎌倉市	東京都小金井市
資本金等	565.5百万円	164,788百万円
従業員数	21名（常勤）	835名（2023年5月1日時点）

教育インパクトファンドについて

教育インパクトファンドとは、教育分野における社会的課題の解決と経済的リターンの両立を目指す投資ファンドのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

教育関連のスタートアップや革新的な教育プロジェクトへの投資
社会的インパクトと財務的リターンの両立を目指す
教育機関や研究機関との連携によるノウハウ活用

教育インパクトファンドは、従来の投資ファンドとは異なり、教育分野における社会課題の解決を主眼に置いている。このファンドを通じて、革新的な教育テクノロジーの開発や、教育アクセスの改善、学習効果の向上などを目指すスタートアップ企業や事業に資金を提供することで、教育の質の向上と社会的価値の創出を図ることが可能となるのだ。

教育インパクトファンドに関する考察

教育インパクトファンドの設立は、教育分野におけるイノベーションを加速させる可能性を秘めている。しかし、教育の成果は長期的かつ定量化が困難な面もあり、投資効果の測定や評価基準の確立が課題となるだろう。ファンド運営者には、教育分野の専門知識と投資ノウハウの両方が求められ、適切な人材の確保や育成が重要になると考えられる。

今後、このファンドを通じて、AIやVR技術を活用した新しい学習方法の開発、個別最適化された教育プログラムの提供、教育格差の解消に向けたプロジェクトなどが支援されることが期待される。同時に、教育機関と民間企業の連携が促進され、産学連携による教育イノベーションの創出も加速する可能性がある。

教育インパクトファンドの成功は、教育分野における社会的投資の新たなモデルとなり得る。ただし、教育の公共性と投資の収益性のバランスをどう取るかが重要な課題となるだろう。長期的視点に立ち、社会的価値と経済的価値の両立を目指す投資アプローチが、教育分野の持続可能な発展につながることを期待したい。