NTTプレシジョンメディシンとPRiME-RがLLMを活用した電子カルテシステムを共同開発、医療DXの実現へ前進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

NTTプレシジョンメディシンとPRiME-Rが電子カルテシステムを共同開発
LLMを活用した医療文書の半自動生成機能を実装
2024年度中にトライアル参加医療機関の募集を開始

クラウド型電子カルテにLLMを活用した医療文書の半自動生成機能を実装

NTTプレシジョンメディシンとPRiME-Rは、クラウド型電子カルテ「movacal.hospital」「movacal.net」において、LLMを用いた医療文書の構造化および半自動生成機能の共同研究開発を2024年10月29日に発表した。PRiME-Rは戦略的イノベーション創造プログラム第3期の研究開発機関として採択され、症例報告・病歴要約支援システムの開発を進めている。^[1]

開発中のシステムをNTTプレシジョンメディシンのモバカルの機能として具備することで、医療文書の半自動生成による医療DXの実現を目指している。NTTプレシジョンメディシンが提供するクラウド型電子カルテサービスとPRiME-Rが持つLLM技術を組み合わせることで、より効率的な医療文書作成が可能になるだろう。

両社は2025年度におけるサービス提供開始を目標としており、2024年度中に200床未満の回復期・慢性期の病院、有床診療所、無床診療所を対象にトライアル参加医療機関の募集を開始する。医療従事者の業務効率化を図り、医師の働き方改革や医療の発展に貢献することを目指している。

クラウド型電子カルテの新機能まとめ

項目	詳細
開発対象システム	movacal.hospital、movacal.net
主要機能	LLMを用いた医療データの構造化、退院時サマリ等の半自動生成
トライアル対象	200床未満の回復期・慢性期病院、有床診療所、無床診療所
開発目標	医療従事者の業務効率化、医師の働き方改革への貢献
サービス開始予定	2025年度

movacal.hospitalの詳細はこちら

LLMについて

LLMとは「Large Language Model」の略称で、大規模な言語モデルを指す言葉であり、以下のような特徴を持っている。

大量のテキストデータを学習し、人間のような文章生成が可能
自然言語処理タスクを高精度で実行可能
文章の要約や分類、翻訳などの複雑な処理に対応

医療分野においてLLMは、診療記録の要約や医療文書の構造化など、医療従事者の文書作成業務を支援する重要なツールとなっている。PRiME-RとNTTプレシジョンメディシンが開発中のシステムでは、LLMを活用して退院時サマリや診療情報提供書などの医療文書を半自動生成することで、医療従事者の負担軽減を実現しようとしている。

クラウド型電子カルテのLLM活用に関する考察

クラウド型電子カルテへのLLM導入は、医療文書作成の効率化という点で画期的な進展となる可能性が高い。医療従事者の長時間労働が社会問題となっている現状において、文書作成業務の自動化は働き方改革の重要な施策となり得るだろう。

一方で、医療文書の自動生成においては、患者情報の取り扱いやAIによる判断の正確性について慎重な検討が必要となる。LLMの出力内容の検証やセキュリティ対策、医療従事者による適切な監督体制の構築が、システムの信頼性を確保する上で重要な課題となるだろう。

今後は医療分野特有の専門用語や表現への対応強化、各医療機関の文書フォーマットへの柔軟な適応機能などが求められる。さらに、電子カルテシステムとLLMの連携による診療支援機能の拡充も期待されており、医療のデジタル化における重要な一歩となる可能性が高い。

参考サイト

^ PR TIMES. 「クラウド型電子カルテ「movacal.hospital」「movacal.net」における医療文書の半自動生成機能等の共同研究開発およびトライアル参加医療機関の募集について | 新医療リアルワールドデータ研究機構株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000065803.html, (参照 24-10-30).

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