セキュリティ

SECURITY

公開：2024-11-19

【CVE-2024-50310】SIMATIC CP 1543-1 V4.0に認証の不備、非認証リモートアクセスによる情報漏洩のリスクが深刻化

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• SIMATIC CP 1543-1 V4.0に認証の脆弱性
• 認証処理の不備でファイルシステムにアクセス可能
• リモートからの非認証アクセスによる影響が深刻

SIMATIC CP 1543-1 V4.0の認証処理における脆弱性

Siemens社は2024年11月12日にSIMATIC CP 1543-1 V4.0における重大な脆弱性【CVE-2024-50310】を公開した。この脆弱性は製品のバージョンV4.0.44からV4.0.50未満のデバイスに影響を与え、認証処理の不備によって非認証のリモート攻撃者がファイルシステムにアクセス可能になる問題が確認されている。^[1]

本脆弱性はCVSS v3.1で基本スコア7.5のHIGH、CVSS v4.0で基本スコア8.7のHIGHと評価されており、攻撃の複雑さが低く特権も不要であることから深刻度が高いとされている。攻撃者は認証をバイパスしてデバイスのファイルシステムに直接アクセスすることが可能になるだろう。

SSVCの評価によると、本脆弱性は自動化された攻撃が可能であり、技術的な影響は部分的とされている。影響を受けるのは特定のバージョン範囲のデバイスだが、認証バイパスによる情報漏洩のリスクが高く、早急な対応が必要とされるのだ。

SIMATIC CP 1543-1 V4.0の脆弱性詳細

脆弱性の詳細はこちら

認証の不備について

認証の不備とは、システムやアプリケーションにおける認証メカニズムの実装が不適切である状態を指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 認証プロセスのバイパスが可能
• 認証情報の検証が不十分
• 認証セッションの管理に問題

SIMATIC CP 1543-1 V4.0の脆弱性では、デバイスの認証メカニズムに不備があり、非認証の攻撃者がリモートからファイルシステムにアクセス可能な状態となっていることが判明した。このような認証の不備は情報漏洩やシステムの不正操作につながる可能性が高く、産業用制御システムにおいて特に重大な脅威となるだろう。

SIMATIC CP 1543-1 V4.0の脆弱性に関する考察

産業用制御システムにおける認証の不備は、製造プロセスや重要インフラに深刻な影響を及ぼす可能性がある。特にSIMATIC CP 1543-1 V4.0の脆弱性は、リモートからの非認証アクセスを許可してしまうため、悪意ある攻撃者による情報窃取や不正操作のリスクが極めて高い状態だ。

今後は認証システムの強化に加え、ネットワークセグメンテーションやアクセスコントロールリストの適切な設定が重要になるだろう。また、定期的なセキュリティ監査や脆弱性スキャンの実施により、潜在的な脆弱性を早期に発見し対処することが必要となる。

産業用制御システムのセキュリティ強化には、開発段階からのセキュアコーディングの徹底とともに、運用面での適切なセキュリティ対策の実装が不可欠だ。Siemens社には今回のような認証に関する脆弱性を防ぐため、より厳格な認証メカニズムの実装と継続的なセキュリティアップデートの提供を期待したい。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-50310, (参照 24-11-19).

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